会社設立の手続きは、複雑で分かりにくいと思っていませんか?
この記事では、会社設立の流れを設立準備から設立後の手続きまで、分かりやすく解説します。
これから起業を目指す方が、スムーズに会社設立を進められるよう、それぞれの段階で押さえておくべきポイントを紹介します。
また、会社設立にかかる費用や注意点についても詳しく解説することで、想定外の出費やトラブルを未然に防ぐための知識を身につけることができます。
この記事を読めば、会社設立のイメージを具体的に掴み、自信を持って起業に向けて準備を進めることができるでしょう。
会社設立の準備
会社設立は、新たなビジネスを始めるための重要な第一歩です。
しかし、初めての方にとっては、手続きや準備が複雑に思えるかもしれません。
そこで、ここでは会社設立の準備について、全体像から具体的な項目まで詳しく解説していきます。
会社設立の全体像を把握
会社設立の準備を始める前に、まずは全体の流れを把握しておきましょう。
大まかに分けると、会社設立は「準備段階」「手続き段階」「設立後」の3つの段階に分けられます。
- 準備段階:事業計画の作成、会社形態の決定、会社名の決定、資本金の準備など、会社設立に向けた基盤作りを行います。
- 手続き段階:定款の作成・認証、資本金の払込、登記申請など、法的な手続きを進めていきます。
- 設立後:税務関係の手続き、社会保険関係の手続き、従業員の採用など、事業開始に向けて必要な準備を行います。
それぞれの段階で必要な手続きや書類、費用などが異なりますので、事前にしっかりと確認しておくことが重要です。
事業計画の作成
会社設立の準備段階で最も重要なのが、事業計画の作成です。事業計画は、会社の将来像や事業内容、収益目標などを具体的にまとめたものであり、会社設立後も事業を成功に導くための羅針盤となるものです。
時間をかけてしっかりと作成しましょう。
市場調査
事業計画を立てる前に、まずは参入しようとしている市場について調査を行いましょう。
市場規模や成長性、競合他社の状況などを分析することで、事業の成功可能性を客観的に見極めることができます。
市場調査の方法としては、インターネット調査、書籍や統計データの分析、競合他社の調査、アンケート調査などが挙げられます。
これらの方法を組み合わせることで、より精度の高い情報を得ることが可能となります。
ターゲットの選定
誰に何を販売するのか、ターゲットを明確化することは、事業の成功に不可欠です。
ターゲットの年齢層、性別、職業、興味関心などを分析し、顧客像を具体的にイメージしましょう。
ターゲットを明確にすることで、商品開発や販売戦略、広告展開などを効果的に行うことができます。
また、ターゲットに響くメッセージを発信することで、顧客との共感を得やすくなるというメリットもあります。
収支計画
収支計画は、事業に必要な資金や売上見込み、費用などを具体的に見積もったものです。
現実的な数値に基づいて作成することで、資金繰りの問題を事前に防ぐことができます。
収支計画を作成する際には、売上計画と費用計画の2つに分けて考えます。売上計画では、販売数量や販売単価などを設定し、売上高を予測します。
費用計画では、材料費や人件費、家賃などの費用項目を洗い出し、それぞれの金額を見積もります。
費用項目 | 内訳 |
---|---|
創業費用 | 会社設立費用、オフィス賃貸費用、設備投資費用など |
人件費 | 給与、賞与、社会保険料など |
家賃 | オフィス賃料、駐車場代など |
広告宣伝費 | Web広告費、チラシ印刷費など |
水道光熱費 | 電気代、ガス代、水道代など |
収支計画は、金融機関から融資を受ける際にも必要となる重要な資料です。
説得力のある計画を作成することで、融資審査の通過率を高めることにも繋がります。
会社形態の決定
会社設立には、株式会社、合同会社、合名会社、合資会社など、いくつかの会社形態があります。
それぞれの形態によって、設立費用や手続き、責任の範囲などが異なるため、事業内容や規模、将来的な展望などを考慮して、最適な形態を選択する必要があります。
株式会社
株式会社は、株主が出資した資本金の範囲内で責任を負う会社形態です。
出資者と経営者が分離している点が特徴で、大規模な事業展開や資金調達に適しています。
ただし、設立手続きが複雑で費用も高額になりがちです。
合同会社
合同会社は、出資者が全員、会社の債務に対して無限責任を負う会社形態です。
設立手続きが比較的簡単で費用も安価なため、小規模な事業やスタートアップ企業に適しています。
ただし、資金調達の面では株式会社に劣る場合があります。
合名会社
合名会社は、社員全員が無限責任を負う会社形態です。意思決定が早く、小規模な事業に適していますが、社員全員が連帯して責任を負うため、リスクが高いと言えるでしょう。
合資会社
合資会社は、無限責任社員と有限責任社員が出資して設立する会社形態です。
無限責任社員は、会社の債務に対して無限責任を負いますが、有限責任社員は出資額の範囲内でのみ責任を負います。
合名会社と株式会社の中間的な形態と言えるでしょう。
それぞれの会社形態の特徴を理解し、自身の事業に最適な形態を選択することが重要です。
迷った場合は、専門家の意見を聞くことも有効です。
会社名の決定
会社名は、会社の顔となる重要な要素です。事業内容や理念を表現し、覚えやすく、印象に残る会社名を考えましょう。
また、既に同じ会社名が存在しないか、法的に問題がないかなどを確認する必要があります。
会社名の決定は、登記申請を行う際に必要となります。
会社法では、会社名に使用する文字や記号などが定められていますので、注意が必要です。
事業所の決定
事業を行う場所となる事業所を決定する必要があります。賃貸契約を結ぶ際には、賃借料や敷金、礼金などの費用が発生します。
また、事業内容によっては、特定の地域でなければ営業できない場合もあるため、注意が必要です。
事業所の所在地は、定款に記載する必要があります。
また、事業内容によっては、許認可を取得するために必要な条件となる場合もあります。
資本金の準備
会社設立に必要な資金を準備する必要があります。
資本金は、事業の運転資金や設備投資資金などに充てられます。
資本金の額は、事業内容や規模によって異なりますが、近年では、資本金の額が少なくても会社設立が可能となっています。
資本金は、金融機関からの融資を受ける際の審査基準の一つとなる場合もあります。
また、資本金の額によって、税金の計算方法が変わる場合もあるため、注意が必要です。
定款の作成
定款とは、会社の目的や組織、運営方法などを定めた根本規則です。
会社法で定められた内容を記載し、公証役場で認証を受ける必要があります。
定款には、会社名、事業目的、本店所在地、資本金の額、役員の任期など、重要な事項が記載されます。
定款は、会社設立後も変更することができますが、変更の際には、株主総会の特別決議が必要となるなど、手続きが複雑になります。
そのため、会社設立時に将来を見据えた内容で作成することが重要です。
発起人の決定
会社を設立する際に、発起人を決定する必要があります。
発起人は、会社設立の手続きを行う責任者です。株式会社の場合、発起人は株主となります。
合同会社の場合、発起人は社員となります。
発起人は、定款の作成や認証、資本金の払込、登記申請など、会社設立に関する様々な手続きを行います。
発起人が複数いる場合は、それぞれの役割分担を明確にしておくことが重要です。
これらの準備をしっかりと行うことで、スムーズに会社設立を進めることができます。
不明点や不安な点があれば、専門家に相談するなどして、疑問を解消しておくことをおすすめします。
会社設立の手続き
会社設立の準備が整ったら、いよいよ法的な手続きに入ります。
ここでは、会社設立の手続きを5つの段階に分けて詳しく解説していきます。
1. 定款の認証
作成した定款は、公証役場で公証人の認証を受ける必要があります。定款を認証してもらうことで、法律上、会社設立に必要な内容が正当に記載されていることが証明されます。
この認証手続きは、株式会社を設立する場合にのみ必要となる手続きです。
定款は、原本と電子データのどちらで作成しても構いません。
原本で作成する場合は、公証役場へ持参する必要があります。
電子データで作成する場合は、オンラインで申請が可能です。
ただし、電子定款認証には、電子署名とタイムスタンプが必要となります。
また、法務局への登記申請も電子申請で行う場合は、これらの手続きをすべて電子的に行う必要があります。
2. 資本金の払込
定款の認証が完了したら、次に資本金の払込を行います。
資本金は、会社の事業を始めるための資金です。
資本金の額は、会社法で特に定められていませんが、事業内容や規模に応じて決めることになります。
ただし、株式会社の場合、以前は1,000万円以上の資本金が必要でしたが、現在は1円からでも設立することが可能になりました。
資本金の払込は、発起人が設立する会社名義の口座を開設し、その口座に払い込む形で行います。
このとき、金融機関から「払込証明書」の発行を受け、後ほど行う登記申請の際に提出する必要があるため、大切に保管しておきましょう。
3. 登記書類の作成
資本金の払込が完了したら、会社設立の登記に必要な書類を作成します。
作成する書類は、法務局のウェブサイトからダウンロードすることもできますし、法務局や専門業者から入手することもできます。
主な登記書類は以下のとおりです。
書類名 | 内容 |
---|---|
登記申請書 | 会社設立に関する基本的な情報を記載する書類です。 |
定款 | 会社の目的や組織、運営方法などを定めた根本規則です。 |
資本金の払込を証する書面 | 金融機関が発行する「払込証明書」を提出します。 |
就任承諾書 | 取締役や監査役などが就任を承諾したことを示す書類です。 |
印鑑届出書 | 会社で使用する印鑑を登録する際に提出する書類です。 |
その他 | 会社法で定められたものや、個別のケースによって追加で必要な書類があります。 |
登記書類の作成は、複雑で専門的な知識が必要となる部分もあるため、専門家である司法書士や行政書士に依頼することも検討しましょう。
専門家に依頼することで、時間と労力を節約できるだけでなく、正確な書類を作成することができます。
4. 会社設立の登記申請
必要な登記書類がすべて揃ったら、会社の所在地を管轄する法務局へ登記申請を行います。
申請方法は、窓口に直接持参する方法と、郵送で行う方法、オンラインで行う方法の3種類があります。
近年では、オンライン申請の利用が増加しています。
登記申請には、登録免許税などの費用が発生します。
登録免許税は、資本金の額に応じて決まり、電子申請の場合には、紙で申請する場合よりも少ない金額となるため、おすすめです。
また、収入印紙の購入が不要になるなどのメリットもあります。
5. 登記完了
法務局による審査が完了し、問題がなければ、登記が完了します。
登記完了日をもって、会社が正式に設立となります。法務局から「登記簿謄本(履歴事項全部証明書)」が発行されるので、大切に保管しましょう。
登記簿謄本は、会社の証明書のようなものであり、銀行口座の開設や取引先との契約など、さまざまな場面で必要となります。
会社設立の手続きは、複雑で時間と労力を要する作業です。
そのため、事前にしっかりと準備しておくことが重要です。
不明点や不安な点があれば、専門家に相談するなどして、スムーズに手続きを進められるようにしておきましょう。
会社設立は、新たなビジネスのスタートラインです。
しっかりと準備を行い、成功に向けて進んでいきましょう。
会社設立後の手続き
会社設立後も、様々な手続きが必要となります。
ここでは、主な手続きについて詳しく解説していきます。
税務関係の手続き
会社を設立したら、事業開始後速やかに税務署に対して様々な届出を提出する必要があります。
これらの届出を怠ると、ペナルティが課せられる可能性もあるため、期限内に忘れずに行いましょう。主な届出は以下の通りです。
法人設立届出書
会社設立後、事業開始日から2ヶ月以内に提出が義務付けられています。
この届出によって、法人としての税金に関する情報が税務署に登録されます。
青色申告承認申請書
青色申告を行う場合、申請が必要です。
青色申告は、節税効果の高いメリットがあるため、ほとんどの企業が選択しています。
ただし、複式簿記による記帳が必須となるなど、いくつかの要件を満たす必要があります。
給与支払事務所等の開設届出書
従業員を雇用する場合に提出が必要です。従業員の給与から源泉徴収した所得税などを納付する義務が生じるため、その手続きのために必要となります。
これらの届出に加え、業種によっては、消費税の課税事業者となるか免税事業者となるかの選択や、酒類販売免許など、事業内容に応じた許認可の取得も必要となります。
税務関係の手続きは複雑な場合もあるため、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
▶ 会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順
社会保険関係の手続き
従業員を雇用する場合、社会保険への加入手続きも必要となります。
社会保険には、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険の4種類があります。
健康保険・厚生年金保険
従業員を一人でも雇用する場合、原則として健康保険と厚生年金保険の加入義務が生じます。
これらの保険は、従業員の病気や怪我、老後などに備えるためのものです。
加入手続きは、管轄の年金事務所で行います。
雇用保険
従業員を雇用する場合、原則として雇用保険の加入義務が生じます。
雇用保険は、従業員が失業した場合に、生活を保障するためのものです。
加入手続きは、管轄の公共職業安定所(ハローワーク)で行います。
労災保険
従業員を一人でも雇用する場合、原則として労災保険の加入義務が生じます。
労災保険は、従業員が業務中や通勤途中に負傷したり、病気になったりした場合に、必要な保険給付を行うものです。
加入手続きは、事業所の所在地を管轄する労働基準監督署で行います。
従業員の採用
事業を拡大していくためには、従業員の採用が欠かせません。
従業員を採用する際には、求人活動から採用後の手続きまで、様々な業務が発生します。
求人活動
効果的な求人活動を行うためには、自社の魅力をしっかりと伝え、求職者にとって魅力的な求人情報を発信することが重要です。
求人方法は、ハローワークや求人サイトへの掲載、人材紹介会社への依頼など、様々な方法があります。
最適な方法を選択し、優秀な人材を獲得できるよう、戦略的に進めていきましょう。
採用後の手続き
採用が決定したら、雇用契約書の作成や社会保険の手続きなど、様々な手続きが必要となります。
また、労働基準法などの関係法令に基づき、就業規則の作成や労働時間の管理なども適切に行う必要があります。
これらの手続きや法令遵守を怠ると、後々トラブルに発展する可能性もあるため、注意が必要です。
許認可の取得
事業内容によっては、会社設立後に許認可を取得する必要があります。
許認可を取得するには、それぞれの法律で定められた要件を満たし、所管官庁に申請する必要があります。
許認可の種類は多岐にわたり、飲食店営業許可や建設業許可など、業種や事業内容によって異なります。
必要な許認可を事前に確認し、取得手続きを進めましょう。
以下は、代表的な許認可と、その許認可を取得するために必要な手続きや期間の目安をまとめた表です。
許認可 | 主な手続き | 期間の目安 |
---|---|---|
飲食店営業許可 | 施設基準の確認、申請書類の作成・提出、現地調査など | 1~2ヶ月程度 |
建設業許可 | 経営業務の管理責任者、専任技術者の設置、財産要件の確認、申請書類の作成・提出など | 2~3ヶ月程度 |
宅地建物取引業免許 | 事務所の設置、専任の宅地建物取引士の設置、資産要件の確認、申請書類の作成・提出など | 6ヶ月~1年程度 |
許認可の取得には、専門的な知識や経験が必要となる場合もあります。
そのため、行政書士や弁護士などの専門家に相談することも有効な手段です。
スムーズに許認可を取得し、事業を円滑に進められるように準備しておきましょう。
会社設立後の手続きは多岐にわたり、複雑な場合も少なくありません。
そのため、必要な手続きを事前にしっかりと把握し、漏れなく対応することが重要です。
専門家のサポートを活用しながら、確実な手続きを進め、事業の安定と成長を目指しましょう。
会社設立にかかる費用
会社設立には、定款認証手数料や登録免許税など、様々な費用がかかります。
これらの費用は、手続きの方法や資本金の額などによって変わるため、事前にしっかりと把握しておくことが重要です。
ここでは、会社設立にかかる費用の種類やそれぞれの費用の目安、費用を抑えるためのポイントなどを詳しく解説していきます。
登録免許税
登録免許税は、法人の設立や不動産の登記など、法律で定められた特定の行為に対して課せられる税金です。
会社設立の際には、株式会社を設立する場合にのみ登録免許税が発生し、合同会社などその他の会社形態では発生しません。
登録免許税の金額は、資本金の額によって異なり、資本金の額が1,000万円以下の場合は最低額の15万円となります。
例えば、資本金が2,000万円の株式会社を設立する場合、登録免許税は30万円となります。
この金額は、会社設立時に一度だけ支払うものであり、毎年の支払いは発生しません。
資本金の額 | 登録免許税 |
---|---|
1,000万円以下 | 15万円 |
1,000万円超 5,000万円以下 | 資本金の額 × 1000分の7 |
5,000万円超 1億円以下 | 資本金の額 × 1000分の15 |
1億円超 | 資本金の額 × 1000分の15 + 75万円 |
株式会社を設立する場合には、登録免許税の支払いを考慮して、資本金の額を決定する必要があります。
司法書士報酬
会社設立の手続きは、複雑で専門的な知識を必要とするため、多くの場合、司法書士に依頼します。
司法書士に依頼した場合には、司法書士報酬が発生します。
司法書士報酬は、依頼する業務内容や司法書士事務所によって異なりますが、一般的には20万円から30万円程度が相場です。
司法書士報酬には、定款の作成や認証、登記申請などの手続きの代行費用が含まれています。
また、司法書士に依頼することで、手続きのミスや漏れを防ぐことができるため、時間と手間を節約することができます。
司法書士報酬は、会社設立にかかる費用の中でも大きな割合を占めるため、事前に複数の司法書士事務所から見積もりを取り、比較検討することが重要です。
定款認証手数料
定款認証手数料は、公証役場で定款の認証を受ける際に必要な費用です。
電子定款にする場合は、定款認証手数料は無料ですが、紙の定款にする場合は、5万円の定款認証手数料と、収入印紙代として2,000円が必要になります。
電子定款にすることで、定款認証手数料を節約できるだけでなく、印紙代も不要になるため、会社設立の費用を抑えることができます。
印鑑証明書取得費用
会社設立の手続きには、代表取締役の印鑑証明書が必要となります。
印鑑証明書の取得には、手数料がかかります。手数料は、市区町村によって異なりますが、1通あたり300円から400円程度です。
印鑑証明書の取得費用は、会社設立にかかる費用全体から見ると少額ですが、忘れずに準備しておくようにしましょう。
その他の費用
上記以外にも、会社設立には、以下のような費用が発生する場合があります。
- 印鑑作成費用
- 郵便切手代
- 交通費
これらの費用は、それぞれ数千円程度ですが、事前に準備しておくことが大切です。
会社設立の費用を抑えるには
会社設立の費用を抑えるためには、以下のような方法があります。
- 電子定款を採用する
- 司法書士報酬の安い事務所を選ぶ
- 手続きの一部を自分で行う
会社設立は、新しいビジネスを始めるための第一歩です。費用を抑えながら、スムーズに手続きを進めるために、事前にしっかりと準備を行いましょう。
会社設立時の注意点
会社設立は、新たな事業のスタートとして非常に喜ばしいものです。
しかし、同時に、多くの手続きや準備が必要となる複雑なプロセスでもあります。
ここでは、会社設立時に注意すべき重要なポイントを詳しく解説していきます。
専門家の活用
会社設立には、法律や手続きに関する専門知識が欠かせません。
設立時の手続きをスムーズに進め、後々のトラブルを避けるためにも、専門家のサポートを受けることを強くおすすめします。
具体的には、次のような専門家に相談すると良いでしょう。
司法書士
定款の作成や認証、会社設立登記など、法的な手続きを代行してくれます。
専門知識に基づいた的確なアドバイスを受けることができます。
税理士
会社設立後の税務手続きや税務戦略のアドバイス、会計ソフトの導入支援などを行ってくれます。
特に、事業計画の策定段階から相談することで、税務面で有利な選択をすることができます。
行政書士
許認可申請など、官公署に提出する書類の作成や手続きを代行してくれます。
業種によっては、会社設立後に許認可の取得が必須となる場合があり、行政書士に相談することでスムーズな手続きが期待できます。
社会保険労務士
従業員の採用に関する手続きや社会保険、労働保険の手続き、就業規則の作成などを代行してくれます。
従業員を雇用する場合には、社会保険労務士に相談することで、法令遵守の観点からも安心して手続きを進めることができます。
▶ 会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順
資金調達の重要性
会社設立には、資本金の準備だけでなく、様々な費用が発生します。
具体的には、次のような費用がかかります。
費用項目 | 内容 | 目安 |
---|---|---|
登録免許税 | 会社の資本金の額に応じてかかる税金 | 資本金の0.7%(最低15万円) |
司法書士報酬 | 定款の作成や認証、会社設立登記などの手続き代行費用 | 15万円~30万円程度 |
定款認証手数料 | 公証人による定款の認証にかかる費用 | 5万円程度 |
印鑑証明書取得費用 | 印鑑証明書の取得にかかる費用 | 数百円/通 |
これらの費用に加えて、事業を本格的に開始するためには、運転資金なども必要となります。
資金が不足すると、事業の継続が困難になる可能性もあるため、余裕を持った資金計画を立てることが重要です。
資金調達には、自己資金だけでなく、金融機関からの融資や、日本政策金融公庫などの公的機関からの融資、ベンチャーキャピタルからの出資など、様々な方法があります。
それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、最適な資金調達方法を選択する必要があります。
また、創業補助金や助成金制度なども活用できる可能性があります。
事前に情報収集を行い、活用できる制度がないか確認しておきましょう。
法令遵守の意識
会社設立後は、様々な法律や規則に従って事業を行う必要があります。
特に、次のような法律は、会社経営において特に重要です。
会社法
会社の設立、組織、運営などに関する基本的なルールを定めた法律です。
株式会社を設立する場合には、会社法に基づいて、定款の作成、株主総会の開催、取締役の選任などを行う必要があります。
会社法のルールに違反すると、罰金などのペナルティが科せられる可能性もあるため注意が必要です。
法人税法
会社の税金に関する法律です。
会社設立後は、法人税の申告や納付などの義務が生じます。
法人税は、会社の利益に対して課税されるため、適切な会計処理や税務申告を行うことが重要です。
税理士に相談しながら、節税対策なども検討していくと良いでしょう。
消費税法
商品やサービスの提供に対して課税される消費税に関する法律です。
会社設立後、一定の要件を満たすと、消費税の納税義務が発生します。
消費税は、顧客から預かった税金を納付する仕組みであるため、適切な処理と管理が求められます。
会計ソフトなどを活用し、正確な処理を心がけましょう。
これらの法律以外にも、業種や事業内容によっては、関係法令を遵守する必要があります。
例えば、飲食店を開業する場合には、食品衛生法に基づいた営業許可を取得する必要がありますし、建設業を営む場合には、建設業法に基づいた許可・登録が必要です。
事前に、事業内容に関連する法令を調査し、必要な手続きをしておくことが重要です。
法令遵守を怠ると、行政処分を受けたり、社会的信用を失墜させたりする可能性もあるため、注意が必要です。
常に最新の情報を入手し、法令に準拠した事業運営を心がけましょう。
また、法令は改正されることもあるため、常に最新情報を収集し、必要に応じて専門家に相談するなど、適切な対応をとるようにしましょう。
会社設立は、新たな挑戦の第一歩です。
しっかりと準備と計画を行い、成功に向けて進んでいきましょう。
まとめ
会社設立は、事業計画の作成から始まり、定款認証、登記申請など多くの手続きが必要です。
それぞれの段階で専門的な知識が必要となる場合もあるため、司法書士や税理士などの専門家に相談することも検討しましょう。
また、会社設立後も、税務や社会保険など、様々な手続きが発生します。
必要な手続きをしっかりと理解し、スムーズに会社設立を進められるように準備しておくことが大切です。