合同会社を自分で設立したいけど、何から始めたらいいか分からない…そんなあなたのために、この記事では、費用を抑えて最短1週間で登記を完了させるための全手順を分かりやすく解説します。
メリット・デメリット、必要な書類、具体的な手順、費用、注意点など、設立前に知っておくべき情報を網羅的に網羅。
自分で設立する際の不安や疑問を解消し、スムーズに手続きを進めるためのノウハウを伝授します。
この記事を読めば、高額な代行費用をかけずに、自信を持って合同会社設立を実現できます。
また、代行サービスを利用する場合のメリット・デメリットや選び方も解説しているので、自分に合った方法を選択する際の参考にもなります。
合同会社設立のメリット・デメリット
合同会社を設立する際には、メリットだけでなくデメリットも存在します。
自身の事業計画や将来展望に合わせて、慎重に検討することが重要です。
以下に、合同会社設立のメリットとデメリットを詳しく解説します。
メリット
費用が安い
合同会社設立の最大のメリットの一つは、株式会社に比べて設立費用が安く抑えられることです。
株式会社では最低資本金制度が撤廃されましたが、登録免許税が15万円必要です。
一方、合同会社には最低資本金制度がなく、登録免許税も6万円で済みます。
この費用の差は、特に初期費用を抑えたい起業家にとって大きなメリットとなります。
設立手続きが簡単
合同会社は株式会社に比べて設立手続きが簡素化されています。
定款認証が不要なため、手続きにかかる時間と労力を大幅に削減できます。
電子定款を作成すれば印紙代4万円も不要となるため、さらに費用を抑えることが可能です。
また、設立に必要な書類も少なく、手続き自体も比較的分かりやすいため、専門知識がなくても自分で設立手続きを進めることが可能です。
経営の自由度が高い
合同会社は株式会社に比べて経営の自由度が高いこともメリットです。
株式会社では株主総会や取締役会の開催が義務付けられていますが、合同会社にはそのような制約がありません。
そのため、意思決定が迅速に行え、柔軟な経営が可能となります。また、社員間の合意があれば、独自の内部規則を定めることもできます。
デメリット
信用力が低い場合がある
合同会社は株式会社に比べて歴史が浅く、社会的な認知度が低いことから、取引先や金融機関からの信用力が低いと見なされる場合があります。
特に、大企業との取引や融資を受ける際には、株式会社よりも不利になる可能性があります。
そのため、事業内容によっては、信用力を重視する場合は株式会社を選択する方が良い場合もあります。
社員全員が無限責任社員となる
合同会社では、社員全員が無限責任社員となります。
これは、会社の債務に対して、社員個人が全責任を負うことを意味します。
万が一、会社が倒産した場合、社員個人の財産が差し押さえられる可能性があります。
この点は、株式会社の株主が有限責任であることと大きく異なる点であり、十分に理解しておく必要があります。
有限責任社員のような制度はありません。
項目 | 合同会社 | 株式会社 |
---|---|---|
設立費用 | 安い | 高い |
設立手続き | 簡単 | 複雑 |
経営の自由度 | 高い | 低い |
信用力 | 低い場合がある | 高い |
社員の責任 | 無限責任 | 有限責任 |
定款認証 | 不要 | 必要 |
最低資本金 | なし | なし |
上記のように、合同会社と株式会社にはそれぞれメリット・デメリットがあります。
ご自身の事業計画や将来展望を踏まえ、どちらの会社形態が適しているか慎重に検討しましょう。
例えば、少人数で事業を始めたい、費用を抑えたい、経営の自由度を重視したい場合は合同会社が適しているかもしれません。
一方で、将来的な事業拡大を視野に入れている、信用力を重視したい、個人資産へのリスクを避けたい場合は株式会社の方が適しているでしょう。
▶ 会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順
合同会社設立に必要な書類
合同会社を設立するためには、いくつかの書類を準備する必要があります。
ここでは、設立時に必ず必要な書類と、場合によっては必要となる書類を解説します。
申請方法によって、電子申請か書面申請かによっても必要書類が異なりますので、ご自身の状況に合わせてご確認ください。
定款
定款は、会社の基本ルールを定めたものです。
いわば会社の憲法ともいえる重要な書類で、必ず作成しなければなりません。
紙で作成する場合には収入印紙を貼る必要があります。
電子定款を作成する場合には、収入印紙は不要で、電子署名が必要となります。
記載事項
定款には、以下の事項を必ず記載する必要があります。
- 会社名
- 事業目的
- 本店所在地
- 社員の氏名・住所
- 業務執行社員の氏名・住所
- 社員の責任の限度額
- 出資の目的及び金額
事業目的は、実現可能な範囲で具体的に記載することが重要です。
また、本店所在地は、住居表示で正確に記載しましょう。
設立登記申請書
設立登記申請書は、法務局に提出する書類です。
会社の基本情報や設立に関する情報を記載します。
申請方法は、オンライン申請と紙面申請の2種類があります。
オンライン申請の場合には電子署名が必要となります。
記載事項
- 会社名
- 本店所在地
- 事業目的
- 社員の氏名・住所・出資額
- 業務執行社員の氏名・住所
- 責任の限度額
印鑑証明書(代表社員全員分)
印鑑証明書は、申請時に3ヶ月以内に発行されたものが必要です。
原本を提出しますので、原本還付が必要な場合には、申請時にその旨を伝えましょう。
電子申請の場合には不要です。
資本金の払込証明書
資本金の払込証明書は、社員が出資した金額を証明する書類です。
金融機関が発行する払込証明書を利用するのが一般的です。
代表社員全員分の出資が完了していることを証明する必要があります。
電子申請の場合には、OCR対応のPDF形式の払込証明書が必要です。
また、法務局が指定する金融機関を利用した場合には、払込証明書の提出が不要となります。
その他、必要となる場合がある書類
上記以外にも、場合によっては下記のような書類が必要になります。
書類名 | 必要な場合 |
---|---|
委任状 | 代理人が手続きを行う場合 |
就任承諾書 | 業務執行社員が選任された場合 |
印鑑届出書 | 会社印鑑を登録する場合(任意) |
不動産の登記簿謄本(全部事項証明書)または賃貸借契約書の写し | 本店所在地が賃貸物件の場合 |
これらの書類は、状況に応じて必要となるため、事前に法務局のウェブサイトなどを確認し、漏れがないように準備しましょう。
設立に必要な書類は、複雑に感じるかもしれません。
不明点がある場合は、法務局や専門家(司法書士、行政書士など)に相談することをおすすめします。
正確な書類を準備することで、スムーズな会社設立を実現できるでしょう。
▶ 会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順
合同会社設立の手順
合同会社設立の手順は以下の通りです。
それぞれのステップで必要な書類や手続きを詳しく解説します。全体の流れを把握することで、スムーズに設立を進めることができます。
1. 定款の作成
定款は、会社の基本的なルールを定めた重要な書類です。
紙媒体または電子媒体で作成できます。
電子定款を作成する場合、電子署名が必要となるため、事前に電子証明書の取得手続きが必要です。
定款には、以下の事項を記載する必要があります。
- 会社名
- 事業目的
- 本店所在地
- 社員の氏名・住所
- 業務執行社員の氏名・住所
- 出資額
定款作成のポイント
- 事業目的は、具体的な事業内容がわかるように記載する。
- 会社名は、既に登記されている会社名と同一または類似のものは使用できない。
- 本店所在地は、実際に事業を行う場所を記載する。
2. 電子署名を取得する(電子定款の場合)
電子定款を作成する場合、法務局への申請には電子署名が必要です。
電子署名は、法務省が認定した認証業務提供者から取得できます。
代表的な認証業務提供者には、GMOグローバルサイン株式会社などがあります。
電子証明書の取得には、通常数日かかりますので、余裕を持って手続きを行いましょう。
3. 印鑑証明書を取得する
設立登記申請には、社員全員の印鑑証明書が必要です。
印鑑証明書は、市区町村役場で取得できます。
発行日から3ヶ月以内のものを使用してください。
4. 資本金の払い込み
合同会社設立には、資本金の払い込みが必要です。
資本金は、社員の出資によって構成されます。払い込みは、金融機関の口座に振り込む方法が一般的です。資本金の額に制限はありませんが、事業内容に見合った金額を設定することが重要です。
1円からでも設立可能です。
資本金の払い込みの証明
資本金の払い込みを証明するために、通帳のコピーや銀行の残高証明書を登記申請時に提出します。
振込名義人は社員とし、会社名義で振込んではいけません。
5. 登記申請
必要な書類が揃ったら、法務局へ登記申請を行います。
管轄の法務局は、本店所在地によって決まります。
登記申請は、オンラインまたは郵送で行うことができます。
登記申請に必要な書類
書類名 | 備考 |
---|---|
登記申請書 | 法務局のウェブサイトからダウンロードできます。 |
定款 | 紙媒体または電子媒体 |
社員全員の印鑑証明書 | 発行日から3ヶ月以内のもの |
資本金の払込証明書 | 通帳のコピーや銀行の残高証明書など |
登録免許税の納付書 | オンライン申請の場合は不要 |
これらの手順を踏むことで、合同会社を設立することができます。
不明点があれば、法務局や専門家へ相談することをおすすめします。
▶ 会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順
合同会社設立にかかる費用
合同会社を設立するには、いくつかの費用がかかります。
主な費用項目を把握し、予算を立てておきましょう。
費用を抑える方法についても解説します。
登録免許税
合同会社を設立する際に必ず発生するのが登録免許税です。
これは、登記申請時に法務局に納める税金です。
電子申請の場合、登録免許税は1万円減額されます。
紙の申請書で申請する場合は2万円かかりますが、電子申請であれば1万円で済みます。
創業時の負担軽減のためにも、電子申請の利用をおすすめします。
申請方法 | 金額 |
---|---|
紙の申請書による申請 | 20,000円 |
電子申請 | 10,000円 |
定款に貼る収入印紙
定款を作成する際には、収入印紙を貼付する必要があります。
収入印紙の金額は4万円です。
電子定款を作成する場合、収入印紙は不要です。
定款の種類 | 収入印紙額 |
---|---|
紙の定款 | 40,000円 |
電子定款 | 0円 |
電子定款を利用することで、4万円の印紙代を節約できます。
会社設立時の費用を抑えたい方は、電子定款の利用を検討しましょう。
公証役場での認証も不要になるため、時間と費用の節約になります。
電子証明書の発行費用
電子定款を作成する場合、電子署名が必要になります。
電子署名を行うためには、電子証明書を取得する必要があります。
この電子証明書の発行費用は、認証局によって異なります。
代表的な認証局としては、GMOグローバルサインやDigiCertなどが挙げられます。
これらの認証局では、電子証明書の発行費用は数千円から1万円程度です。
具体的な費用は、各認証局のウェブサイトで確認できます。
その他の費用
上記以外にも、以下のような費用が発生する可能性があります。
- 定款作成ソフトの利用料:無料のものから有料のものまであります。Microsoft Wordなどで自作することも可能です。
- 印鑑作成費用:会社設立には、会社印(代表者印)、銀行印、角印が必要になります。印鑑の種類や材質によって費用は異なります。
- 交通費、通信費:法務局や銀行への移動、書類の郵送などに費用がかかる場合があります。
- 司法書士への相談料:定款作成や登記申請について、司法書士に相談する場合、相談料が発生します。
これらの費用も考慮に入れて、設立費用を算出しましょう。
設立費用を抑えるためには、電子定款の利用や無料の定款作成ソフトの活用が有効です。
▶ 会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順
合同会社設立を自分で行う際の注意点
合同会社を自分で設立する場合、手続きの煩雑さや法律の知識不足から、思わぬミスをしてしまう可能性があります。
ミスを防ぎ、スムーズに設立手続きを進めるために、以下の注意点にしっかりと目を通しておきましょう。
定款の作成における注意点
定款は、会社の基本ルールを定める重要な書類です。
記載事項に誤りや漏れがあると、登記申請が却下される可能性があります。
特に以下の点に注意が必要です。
絶対的記載事項の確認
会社法で定められた絶対的記載事項がすべて正確に記載されているか確認しましょう。
漏れや誤りがあると、定款自体が無効となってしまいます。
- 商号:既に登記されている商号と同一または類似のものは使用できません。類似商号検索サービスなどを活用して事前に確認しましょう。
- 目的:事業内容を具体的に記載する必要があります。「○○業及びこれに付帯する一切の業務」といった曖昧な表現は避けましょう。
- 社員の氏名・住所:社員全員の氏名と住所を正確に記載します。外国人社員の場合は、国籍も記載が必要です。
- 本店所在地:正確な住所を記載します。バーチャルオフィスを利用する場合は、契約内容をよく確認しましょう。
- 社員の責任の限度額:出資額とは別に、社員が会社債務に対して負担する責任の限度額を定めます。
相対的記載事項の検討
事業運営上必要な事項は、相対的記載事項として定款に記載することで、法的効力を持つことができます。
必要に応じて、以下のような事項を記載することを検討しましょう。
- 事業年度:決算期を定めます。特に定めがない場合は、1月1日から12月31日までとなります。
- 利益配当:利益の配当方法について定めます。
- 社員の権利義務:社員間の権利義務関係を明確化するために、定款に規定しておくと良いでしょう。
電子定款作成時の注意点
電子定款を作成する場合、PDF形式での保存、ファイルサイズの上限、文字化けなどに注意が必要です。
法務省のウェブサイトで最新の情報を必ず確認しましょう。
必要書類の収集と準備
設立登記申請に必要な書類は、漏れなく準備する必要があります。
不足があると、申請が受理されません。
書類名 | 注意点 |
---|---|
印鑑証明書 | 発行日から3ヶ月以内のものが必要です。代表社員全員分を用意します。 |
資本金の払込証明書 | 金融機関が発行する証明書です。通帳のコピーでは代替できません。 |
設立登記申請書 | 記載事項に誤りがないか、丁寧に確認しましょう。 |
手続きの期限厳守
登記申請には期限があります。
期限を過ぎると、手続きが遅延し、事業開始が遅れる可能性があります。
特に、電子署名の有効期限には注意が必要です。
登記申請における注意点
登記申請は、法務局に提出します。
管轄の法務局を間違えないように注意しましょう。
また、オンライン申請も可能です。
オンライン申請の場合は、システムの操作方法を事前に確認しておく必要があります。
専門家への相談
手続きに不安がある場合は、専門家(司法書士や行政書士など)に相談することをおすすめします。
費用はかかりますが、確実かつスムーズに手続きを進めることができます。
これらの注意点に留意し、慎重に手続きを進めることで、合同会社設立を成功させましょう。
不明点や疑問点があれば、法務局や専門家に相談することをお勧めします。
▶ 会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順
合同会社設立代行サービスを利用する場合
合同会社設立は自分で行うことも可能ですが、時間や手間を省きたい、手続きに不安があるという方は、専門家である行政書士などに依頼する代行サービスの利用を検討してみましょう。
ここでは、代行サービスのメリット・デメリット、選び方、費用相場について解説します。
代行サービスのメリット・デメリット
代行サービスを利用するメリット・デメリットを理解した上で、自身にとって最適な選択をしましょう。
メリット
- 時間と手間を大幅に削減できる複雑な手続きや書類作成を専門家に任せられるため、時間と労力を大幅に削減できます。本業や他の業務に集中できる点が大きなメリットです。
- 専門知識による正確な手続き法律の専門家である行政書士が手続きを行うため、定款の不備や必要書類の不足などのミスを回避し、スムーズな設立を実現できます。法改正にも対応しているので安心です。
- 設立後のサポートも充実登記完了後の税務署や年金事務所への手続き、その他経営に関する相談など、設立後のサポートを提供しているサービスもあります。初めての起業で不安な方にもおすすめです。
デメリット
- 費用が発生する当然ですが、代行サービスを利用するには費用がかかります。自分で設立する場合と比較して、費用対効果をしっかり検討する必要があります。
- コミュニケーションが必要代行業者との綿密なコミュニケーションが必要になります。依頼内容や必要書類の確認など、スムーズなやり取りを心がけましょう。
代行サービスの選び方
数多くの代行サービスが存在するため、適切なサービス選びが重要です。
以下のポイントを参考に比較検討しましょう。
- 料金体系の透明性料金体系が明確で、追加費用が発生しないかを確認しましょう。不明瞭な料金設定の業者には注意が必要です。
- 実績と経験設立実績や経験が豊富な業者は、手続きに精通しており、スムーズな設立をサポートしてくれます。ホームページなどで実績を確認しましょう。
- サポート体制設立後のサポート内容も確認しておきましょう。税務や労務など、幅広い相談に対応してくれる業者が理想的です。
- 口コミや評判インターネット上の口コミや評判も参考になります。実際に利用した人の声をチェックすることで、サービスの質を判断する材料になります。ただし、すべての情報が正確とは限らないため、参考程度に留めましょう。
費用相場
合同会社設立代行サービスの費用相場は、サービス内容や業者によって異なりますが、一般的には3万円~10万円程度です。
内訳は以下の通りです。
項目 | 費用相場 |
---|---|
定款作成費用 | 1万円~3万円 |
登記申請代行費用 | 2万円~7万円 |
電子署名取得サポート費用 | 込みの場合もある |
上記以外にも、公証役場への交通費や通信費などの実費が別途かかる場合があります。
また、オプションサービスとして、設立後の税務署や年金事務所への届出代行などを提供している業者もあります。
これらの費用も事前に確認しておきましょう。
無料相談や見積もりを利用して、複数の業者を比較検討することをおすすめします。
▶ 会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順
合同会社設立後の手続き
合同会社設立の登記が完了したら、それで終わりではありません。
事業を始めるにあたって、様々な手続きが必要となります。
これらの手続きを怠ると、罰則が課される場合もあるので、必ず期限内に手続きを行いましょう。
税務署への届出
法人設立届出書を提出する必要があります。
提出期限は設立日から2ヶ月以内です。
また、青色申告をする場合は、青色申告承認申請書も併せて提出します。
これは設立日から3ヶ月以内です。
これらの手続きは、管轄の税務署で行います。
法人設立届出書
この届出書は、法人が設立されたことを税務署に知らせるためのものです。
会社の設立日、名称、所在地、事業内容などを記載します。
青色申告承認申請書
青色申告を行うことで、税制上の優遇措置を受けることができます。
節税効果が高いので、原則として青色申告を選択することをおすすめします。
ただし、複式簿記による記帳が必要となるなど、一定の要件を満たす必要があります。
年金事務所への届出
事業主は、健康保険・厚生年金保険に関する手続きを行う必要があります。
管轄の年金事務所に、以下の届出を行います。
届出 | 内容 | 期限 |
---|---|---|
健康保険・厚生年金保険新規適用届 | 会社が健康保険・厚生年金保険の適用事業所となることを届け出ます。 | 設立日から5日以内 |
被保険者資格取得届 | 社員を健康保険・厚生年金保険に加入させるための届出です。 | 社員の入社日から5日以内 |
労働基準監督署への届出
労働基準監督署への届出も必要です。
主な届出は以下のとおりです。
届出 | 内容 | 期限 |
---|---|---|
労働保険適用事業場設置届 | 会社が労働保険(労災保険・雇用保険)の適用事業所となることを届け出ます。 | 設立日から10日以内 |
労働保険被保険者資格取得届 | 社員を労働保険に加入させるための届出です。 | 社員の入社日から10日以内 |
都道府県税事務所・市町村役場への届出
事業を始めるにあたって、都道府県税事務所や市町村役場への届出も必要です。
主な届出は以下のとおりです。
届出先 | 届出 | 内容 | 期限 |
---|---|---|---|
都道府県税事務所 | 法人設立届出書 | 法人が設立されたことを都道府県に知らせるためのものです。 | 設立日から2ヶ月以内 |
市町村役場 | 法人設立届出書 | 法人が設立されたことを市町村に知らせるためのものです。 | 設立日から2ヶ月以内 |
市町村役場 | 事業開始等申告書 | 事業を始めたことを市町村に知らせるためのものです。 個人事業主の場合は開業届となります。 | 事業開始日から1ヶ月以内 |
これらの手続きは、設立後速やかに行う必要があります。
期限を守らないとペナルティが発生する可能性があるので、注意が必要です。
また、各手続きに必要な書類や提出先は、管轄の機関によって異なる場合があるので、事前に確認しておきましょう。
これらの手続きをスムーズに進めるために、専門家である税理士や行政書士に相談することも有効な手段です。
▶ 会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順
よくある質問
合同会社設立に関するよくある質問をまとめました。
不明点がある場合は、専門家への相談も検討しましょう。
合同会社と株式会社の違いは?
合同会社と株式会社は、どちらも法人形態の一つですが、いくつかの違いがあります。
主な違いは以下の通りです。
項目 | 合同会社 | 株式会社 |
---|---|---|
設立費用 | 比較的安価 | 比較的高価 |
設立手続き | 比較的簡単 | 比較的複雑 |
社員の責任 | 全員が無限責任 | 出資額の範囲内で有限責任 |
経営の自由度 | 高い | 定款による制限あり |
信用力 | 低い場合がある | 比較的高い |
資金調達 | 比較的難しい | 株式発行により容易 |
資本金はいくら必要?
ただし、事業内容によっては、一定の資本金が必要となる場合もあります。
また、資本金は事業の信用力にも影響するため、適切な金額を設定することが重要です。
資本金の額は定款に記載する必要があり、後から変更することも可能です。
ただし、変更には手続きが必要となります。
設立までの期間は?
ただし、書類の不備や手続きの遅延などにより、さらに時間がかかる場合もあります。
電子定款を作成し、オンライン申請を利用することで、手続きを迅速に進めることができます。
また、行政書士などの専門家に依頼すれば、よりスムーズに設立手続きを進めることができます。
合同会社設立時の定款認証は必要?
代わりに、電子署名が必要となります。
電子署名を取得するには、法務局に登録された認証業務を行う事業者を利用する必要があります。
合同会社設立後の変更手続きはどうすればいい?
変更登記は、所定の書類を作成し、法務局に提出することで行います。
変更内容によっては、登録免許税が発生する場合があります。
合同会社を一人で設立することはできますか?
これを一人合同会社といいます。
一人合同会社の場合も、通常の合同会社と同様の手続きで設立することができます。
合同会社の解散手続きはどうすればいいですか?
決議後、清算手続きを行い、債権者への弁済などを終えた後、解散登記を行うことで手続きが完了します。
合同会社で事業を始める際の許認可は?
例えば、飲食店を開業する場合は飲食店営業許可、建設業を営む場合は建設業許可などが必要です。
事前に必要な許認可を確認し、取得しておきましょう。
許認可に関する情報は、各省庁や自治体のウェブサイトで確認できます。
合同会社の事業年度はどうやって決めればいいですか?
決算期に合わせて設定することが一般的です。
事業年度は定款に記載する必要があります。
まとめ
合同会社設立は、費用を抑えたい、経営の自由度を高く持ちたいと考えている方におすすめの会社形態です。
この記事では、自分で設立するための手順を、必要な書類や費用、注意点などを含めて詳しく解説しました。
費用を抑えて設立するためには、電子定款の作成が必須です。
また、定款の不備や必要書類の不足は手続きの遅延につながるため、しっかりと確認しましょう。
もし手続きに不安がある場合は、代行サービスの利用も検討してみてください。
設立後も、税務署や年金事務所などへの届出が必要となるため、忘れずに行いましょう。
この記事が、合同会社設立を目指す方の参考になれば幸いです。