2人で会社設立はあり?成功するためのポイントとトラブル回避術まとめ

「2人で会社設立をして共同経営を始めたいけれど、うまくいくか不安」と悩んでいませんか。

2人での起業は得意分野を活かせるメリットがある反面、経営方針の対立や出資比率・役員報酬を巡るトラブルが起きやすい傾向にあります。

結論として、2人での会社設立を成功させる鍵は、創業前に共同経営契約書を作成するなどの「明確なルール作り」にあります。

この記事では、メリット・デメリットから、失敗を防ぐためのトラブル回避術、具体的な設立登記の手続きまでを解説します。

読むことで、パートナーとの対立を防ぎ、事業を成功に導くためのステップが分かります。

2人で会社設立(共同経営)を行うことには、1人で起業する場合とは異なる特有のメリットとデメリットが存在します。

事業を成功に導くためには、あらかじめ双方のプラス面とマイナス面を正確に理解しておくことが非常に重要です。

まずは、2人で会社を設立する際の特徴を以下の表で確認しておきましょう。

項目メリットデメリット
スキル・業務お互いの得意分野を活かし、業務の幅を広げられる役割分担が曖昧だと業務に支障が出る
資金面資本金や設立費用の負担を折半・軽減できる利益の分配や役員報酬の額で揉めやすい
精神面・経営経営のプレッシャーや孤独感を共有できる意見の対立が起きやすく、意思決定が遅れる

2人で会社設立するメリット

2人で会社を設立する最大の魅力は、1人では成し得ない事業展開が可能になる点です。

ここでは、具体的な3つのメリットについて詳しく解説します。

お互いの得意分野を活かせる

共同経営の大きな強みは、お互いのスキルや経験を補完し合えることです。
例えば、1人が営業やマーケティングなどの「攻め」の業務を得意とし、もう1人が経理や法務、エンジニアリングなどの「守り」や「実務」の業務を得意としている場合、事業の推進力は格段に上がります。
1人で全てをこなす必要がないため、それぞれの専門性を最大限に発揮でき、結果として提供するサービスや商品の質を高めることができます。

資本金や設立費用の負担を減らせる

株式会社や合同会社を設立する際には、資本金だけでなく、定款認証手数料や登録免許税などの初期費用がかかります。
2人で出資し合うことで、1人あたりの金銭的な負担を大幅に軽減できるのは大きなメリットです。
また、手元に残る運転資金に余裕ができるため、創業期の資金繰りが安定しやすくなり、より強固な財務基盤で事業をスタートさせることが可能になります。

経営のプレッシャーを共有できる

起業家は常に重い責任と孤独を抱えると言われますが、2人で会社を設立すればその重圧を分かち合うことができます。
事業が行き詰まった時や重要な決断を迫られた時に、対等な立場で相談でき、精神的な支えとなるパートナーがいることは、過酷な創業期を乗り越えるための大きなモチベーションとなります。

2人で会社設立するデメリット

一方で、2人での会社設立には「人間関係」や「権利」にまつわる特有のリスクが潜んでいます。

共同経営が失敗する原因の多くは以下のデメリットに集約されます。

経営方針を巡る意見の対立が起きやすい

事業が成長する過程や、逆に業績が悪化した際などには、今後の経営方針や戦略について意見が食い違うことが多々あります。
お互いのビジョンや価値観にズレが生じると、深刻な関係悪化に発展する恐れがあります。
友人や元同僚といった親しい間柄であっても、ビジネスの場ではシビアな対立が起こり得ることを覚悟しておかなければなりません。

利益の分配や役員報酬で揉める可能性がある

会社が利益を出した際の分配方法や、毎月の役員報酬の金額設定は、最もトラブルになりやすいポイントの一つです。
「自分の方が多く働いている」「自分の方が売上に貢献している」といった不公平感が生まれると、不満が蓄積していきます。
金銭面でのトラブルは会社存続の危機に直結するため、曖昧な取り決めは非常に危険です。

意思決定のスピードが遅くなるリスク

1人での起業であれば、社長の即断即決でスピーディーに事業を進めることができます。
しかし、2人で経営している場合、重要な決定を下す前に必ず協議や合意形成が必要になります。
意見がまとまらないことでビジネスチャンスを逃したり、競合他社に後れを取ったりするリスクがある点は、共同経営の明確なデメリットと言えます。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

2人で会社を設立し、共同経営を軌道に乗せるためには、事前のルール作りと相互理解が不可欠です。

ここでは、ビジネスパートナーとの関係を良好に保ち、会社を成長させるための重要なポイントを解説します。

明確な役割分担と責任の所在を決める

共同経営において最も重要なのは、お互いの役割と責任範囲を明確にすることです。

「誰が最終的な意思決定を行うのか」「どの業務をどちらが管轄するのか」を創業前に細かく取り決めておくことで、日々の業務での衝突を未然に防ぐことができます。

例えば、一方が営業やマーケティングなどの「売上を作る業務」を担当し、もう一方が財務や人事、バックオフィスなどの「組織を守る業務」を担当するといったように、お互いの得意分野を活かした配置が理想的です。

役割が曖昧なままスタートすると、業務の重複や責任の押し付け合いが発生しやすくなるため注意しましょう。

出資比率と議決権のルールを正しく理解する

株式会社を設立する場合、資本金の出資比率(持ち株比率)は、そのまま会社の経営権(議決権)に直結します。

2人で平等に50%ずつ出資することは、意見が対立した際に経営が完全にストップしてしまう「デッドロック」に陥るリスクが高いため推奨されません。

会社法における出資比率と議決権の関係は以下の通りです。

円滑な意思決定のためには、代表となる人物が過半数、あるいは3分の2以上の株式を保有する設計にすることが一般的です。

出資比率(持ち株比率)議決権の強さと可決できる主な内容
50%超(過半数)普通決議を単独で可決可能(取締役の選任・解任、役員報酬の決定など)
66.7%超(3分の2以上)特別決議を単独で可決可能(定款の変更、事業譲渡、会社の解散・合併など)
50% 対 50%意見が割れた場合、普通決議すら可決できず経営が停滞するリスク大

公平感のある役員報酬の決め方

利益の分配や役員報酬の額は、2人の間で不満が生まれやすいポイントです。

出資比率が同じであっても、実際の業務量や会社への貢献度が同じになるとは限りません。

そのため、出資比率と役員報酬は切り離して考え、実務の負担や業績への貢献度に応じて報酬額を設定することが成功の秘訣です。

また、設立当初は会社の資金繰りが不安定になりがちです。

初期の役員報酬は最低限に抑え、事業が軌道に乗って利益が安定してきたタイミングで、お互いの働きぶりを評価し合いながら報酬を見直すルールを設けておくと、公平感を保ちやすくなります。

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2人で会社設立をする場合、立ち上げ当初は意気投合していても、事業が軌道に乗るにつれて、あるいは逆に経営が苦しくなったときに、思わぬトラブルに発展するケースが少なくありません。

共同経営における致命的な対立を防ぐためには、設立前の段階であらゆるリスクを想定し、ルールを明文化しておくことが不可欠です。

ここでは、2人での会社設立時に必ず押さえておくべきトラブル回避術を具体的に解説します。

創業前に共同経営契約書を作成する

2人で会社を設立する際、最も有効なトラブル回避策は「共同経営契約書(創業者間契約書)」を作成することです。

友人や元同僚といった親しい間柄であっても、口約束だけで会社をスタートさせるのは非常に危険であり、後々の言った・言わないのトラブルの火種となります。

共同経営契約書には、会社の方向性や利益の分配、役割分担だけでなく、万が一意見が対立した際の解決プロセスなどを詳細に定めておきます。

以下は、契約書に盛り込むべき主な項目を整理した表です。

取り決めるべき項目具体的な内容と目的
業務執行の分担営業、財務、開発など、どちらがどの業務の最終責任を負うかを明確にする。
役員報酬と利益配分業績に応じた報酬の変動ルールや、配当金の取り扱い基準を定めて不公平感をなくす。
重要事項の決定プロセス新規事業の立ち上げや多額の借入など、会社にとって重要な意思決定をどのように行うかを決める。
株式の取り扱いルール一方が勝手に第三者へ株式を譲渡できないようにする制限や、退任時の株式買い取りルールを設ける。

事業からの撤退や退任時のルールを事前に決めておく

会社を設立するタイミングで「別れ」について話し合うのは気が引けるかもしれません。

しかし、一方が病気や家庭の事情、あるいはモチベーションの低下によって会社を辞めたいと言い出したときのルールを事前に決めておくことは、残された側と会社を守るために絶対に必要な手続きです。

特に問題となるのが「株式の扱い」です。

退任する役員が株式を保有したままだと、その後の会社の意思決定(株主総会での決議など)に支障をきたす恐れがあります。

そのため、「どちらか一方が退任する場合は、残る側(または会社)がその株式を適正な価格で買い取る」といった条項を必ず定めておきましょう。
また、退任後に同業他社を立ち上げて顧客を奪うことを防ぐための「競業避止義務」についても、期間や範囲を限定して合意しておくことが重要です。

代表取締役をどちらにするか冷静に話し合う

2人で会社を設立する際、「代表取締役」をどうするかは非常に悩ましい問題です。

日本の会社法では、2人とも代表取締役になる「共同代表」という形をとることも可能です。

しかし、対等な関係を維持したいという理由だけで共同代表を選ぶと、意思決定のスピードが著しく低下し、取引先や金融機関に対して責任の所在が曖昧になるという大きなリスクを伴います。

トラブルを避けるためには、原則としてどちらか1人を代表取締役(社長)とし、もう1人を取締役(副社長や専務など)としてナンバーツーの立場に就く体制をおすすめします。

このとき、代表に選ばれなかった側が不満を抱かないよう、前述の共同経営契約書において「特定の分野(例えば技術開発や営業など)に関してはナンバーツーが実質的な決定権を持つ」といった権限委譲のルールを明確にしておくと、お互いの信頼関係を保ちながらスムーズな経営が可能になります。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

2人で会社を設立する場合、基本的な手続きの流れは1人で設立する時と大きく変わりませんが、共同経営ならではの注意点がいくつか存在します。

ここでは、株式会社を設立する際の具体的なステップと重要なポイントを解説します。

定款の作成と公証役場での認証

会社設立の第一歩は、会社の基本ルールを定めた「定款」の作成です。

定款には、商号(会社名)、事業目的、本店所在地、設立に際して出資される財産の価額またはその最低額、発起人の氏名および住所などの絶対的記載事項を必ず記載しなければなりません。

2人で出資して会社を設立する場合、2人とも「発起人」として定款に氏名と住所を記載し、それぞれの印鑑証明書を用意して実印を押印する必要があります。

定款が完成したら、本店所在地を管轄する法務局に所属する公証役場で、公証人による定款の認証を受けます。

紙の定款の場合は収入印紙代が4万円かかりますが、電子定款を利用することでこの印紙代を節約することが可能です。

資本金の払い込みと発起人の口座

定款の認証が完了した後は、資本金の払い込みを行います。

会社設立前の段階ではまだ法人口座を作ることができないため、発起人の個人口座に資本金を振り込みます。

2人が発起人となっている場合、代表となる発起人1名の個人口座を払い込み先として指定し、もう1人の発起人がその口座へ出資金を振り込む形をとります。

代表発起人自身も、自分の出資分を自分の口座へ「預け入れ」ではなく「振り込み」の形で入金し、誰がいくら出資したかが通帳の印字で明確にわかるようにすることが重要です。

払い込みが完了したら、通帳の表紙、表紙の裏面、入金明細のページをコピーし、「払込証明書」を作成して一緒に綴じます。

法務局での設立登記申請

資本金の払い込みが終わったら、必要書類を揃えて本店所在地を管轄する法務局へ設立登記の申請を行います。

登記申請を行った日が法的な「会社設立日」となるため、希望する設立日がある場合はその日に申請書類を提出しなければなりません。

2人で設立する場合、取締役が2名となるため、それぞれの就任承諾書や印鑑証明書が必要になります。

代表取締役をどちらか1名にするか、2名とも代表取締役にするかによっても用意する書類の記載内容が変わるため注意が必要です。

必要書類概要と2人で設立する際の注意点
設立登記申請書会社の基本情報を記載した申請書です。登録免許税(株式会社の場合は最低15万円)分の収入印紙を貼付します。
定款(謄本)公証役場で認証を受けた定款の謄本を提出します。
発起人の同意書本店所在地の詳細な住所などを決定したことを証明する書類です。発起人2名全員の同意と押印が必要です。
就任承諾書取締役に就任することを承諾した書類です。2人とも取締役になる場合は2名分の承諾書が必要です。
印鑑証明書取締役となる2名全員の個人の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内のもの)が必要です。
払込証明書資本金が代表発起人の口座に正しく振り込まれたことを証明する書類です。
印鑑届書会社の代表印(法人実印)を法務局に登録するための書類です。

登記申請からおよそ1週間から10日程度で登記が完了し、会社の登記事項証明書(登記簿謄本)や法人の印鑑証明書が取得できるようになります。

これにより、税務署への開業届の提出や法人口座の開設など、その後の手続きを進めることが可能になります。

2人で会社設立をすることは、お互いの得意分野を活かし、資金面や精神的な負担を軽減できる大きなメリットがあります。

しかし、経営方針の対立や利益分配で揉めるといったデメリットも存在するため注意が必要です。

成功するためには、出資比率や議決権のルールを正しく理解し、明確な役割分担を行うことが不可欠です。

また、将来のトラブルを回避するために、設立前に共同経営契約書を作成し、事業からの撤退や退任時のルールまで事前に決めておくことが重要になります。

公証役場での定款認証や法務局での登記申請など、必要な手続きを協力して進め、強固なパートナーシップで事業を成功させましょう。

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