【副業・節税】プライベートカンパニーの作り方完全ガイド!個人事業主との違いも解説

「副業の税金を抑えたい」「節税のためにプライベートカンパニーを作りたい」とお考えですか?

この記事では、個人事業主との違いやメリット・デメリットを比較し、プライベートカンパニーの具体的な作り方を5つのステップでわかりやすく解説します。

結論として、設立・維持コストを抑えて節税効果を最大化するには「合同会社」での設立が最適です。

さらに、会社員が副業で設立する際の注意点や家族を役員にして所得分散する方法も網羅。

この記事を読めば、迷わずスムーズに自分だけの会社を設立し、賢く節税を始めることができます。

1.1 プライベートカンパニーの定義と設立目的

プライベートカンパニーとは、法律上の正式な用語ではなく、一般的に個人やその家族が役員・株主となり、所有と経営が一致している小規模な会社(法人)を指します。

外部の第三者から出資を受けず、身内だけでクローズドに運営される点が大きな特徴です。

主な設立目的は、本業の給与所得や個人事業の所得を分散させることによる「節税」や、不動産・有価証券などの「資産管理」、さらには勤務先に知られずに副業を行うための「副業の受け皿」としての活用です。

特に近年では、サラリーマンが副業を本格化させる際や、フリーランスが法人成りをする前段階のステップとして、プライベートカンパニーを設立するケースが増えています。

1.1.1 プライベートカンパニーの主な設立目的

プライベートカンパニーが設立される主な目的は以下の3点に集約されます。

  1.  所得税や住民税などの税負担を軽減する「節税」個人にかかる高い税率を、税率の安定している法人税にシフトします。
  2.  「資産管理」の効率化個人名義ではなく法人名義で不動産や株式を保有し、相続税対策や資産の維持管理を行います。
  3.  「副業の受け皿」としての活用本業の勤め先に副業が発覚するリスクを抑えつつ、ビジネスを展開します。

1.2 個人事業主とプライベートカンパニーの決定的な違い

個人事業主とプライベートカンパニー(法人)の決定的な違いは、法律上の「人格(法人格)」が与えられているかどうかにあります。

個人事業主はどこまでいっても「個人」としての活動ですが、プライベートカンパニーは「法人」という独立した人格として活動します。

この違いにより、税制、経費の範囲、責任の範囲などに以下のような違いが生じます。

比較項目個人事業主プライベートカンパニー(法人)
法律上の立場個人(法人格なし)法人(法律上の人格あり)
課される主な税金所得税(累進課税:5%〜45%)法人税(比例税率:約15%〜23.2%)
経費の認められる範囲事業に直接関連するものに限定役員報酬や退職金、社宅家賃など幅広く認められる
責任の範囲無限責任(個人の財産も弁済に充てる)有限責任(出資額の範囲内でのみ責任を負う)
社会保険の加入原則として国民健康保険・国民年金強制適用(社長1人であっても健康保険・厚生年金に加入)
決算期の決定1月〜12月(固定)自由に設定可能

1.2.1 課税制度の違い:所得税(累進課税)と法人税(比例税率)

個人事業主の所得には「所得税」が課されます。
所得税は所得が高くなるほど税率が上がる「超過累進課税」が採用されており、住民税と合わせると最大で約55%の税率が適用されます。
そのため、事業の利益が増えれば増えるほど、手元に残るお金の割合は少なくなります。

一方、プライベートカンパニーに課される「法人税」は、所得の多寡に関わらず税率がほぼ一定の「比例税率」です。
中小法人の場合、年800万円以下の所得に対しては軽減税率が適用され、実効税率(法人住民税や事業税などを合わせた実質的な税負担率)は約20%〜30%程度に収まります。
したがって、一定以上の利益が出る場合は、個人事業主よりも法人として納税した方が、税負担を大幅に抑えることができます。

1.2.2 経費化できる範囲の違い

個人事業主の場合、経費として認められるのは「事業に直接必要な費用」に限定されます。
例えば、自分自身への給与や退職金を経費にすることは制度上不可能です。

しかし、プライベートカンパニーであれば、自分自身(あるいは役員にした家族)に支払う「役員報酬」や「役員退職金」を経費(損金)として算入することが可能です。
さらに、受け取った役員報酬には「給与所得控除」が適用されるため、法人と個人の両方で税負担を軽減できるというダブルのメリットが生まれます。
また、自宅を法人の「社宅」として契約することで、家賃の大部分を法人の経費にすることも可能です。

1.2.3 責任の範囲:無限責任と有限責任

個人事業主は「無限責任」を負います。
事業上のトラブルや取引先への債務、借入金などが発生した場合、個人のプライベートな財産(預貯金や自宅など)を切り崩してでも、すべての債務を完済する義務があります。

これに対し、プライベートカンパニー(合同会社や株式会社)は「有限責任」です。
万が一、会社が倒産したり債務超過に陥ったりした場合でも、出資者(株主や社員)は自身が出資した金額の範囲内でのみ責任を負えばよいため、個人の財産まで差し押さえられるリスクを回避できます(ただし、役員個人が金融機関からの融資の連帯保証人になっている場合などは除きます)。

プライベートカンパニー(個人版の資産管理会社やマイクロ法人)の設立には、個人事業主や会社員としての活動だけでは得られない多くのメリットがあります。

一方で、法人化ならではのコストや事務負担といったデメリットも存在します。

ここでは、プライベートカンパニーを作るメリットとデメリットをそれぞれ詳しく解説します。

2.1 節税や社会保険など4つのメリット

プライベートカンパニーを設立する最大の動機は、税金や社会保険料の最適化にあります。

具体的な4つのメリットについて見ていきましょう。

2.1.1 1. 所得分散による高い節税効果

個人事業主の場合、稼いだ利益はすべて個人の所得となり、累進課税によって最高55%(住民税含む)の税率が課されます。
一方、プライベートカンパニーを設立して家族を役員にすれば、役員報酬として所得を分散させることで、世帯全体の所得税・住民税を大幅に抑えることが可能です。
また、支払った役員報酬には「給与所得控除」が適用されるため、二重の節税効果が得られます。

2.1.2 2. 経費として認められる範囲の拡大

法人化することで、個人事業主よりも経費の認められる範囲が格段に広がります。
例えば、自宅を法人の社宅として契約することで家賃の大部分を経費化したり、出張時の「出張旅費規程」を整備して非課税の出張日当を支給したりできます。
さらに、経営者自身の生命保険料や健康診断代なども、一定の要件を満たせば法人の経費として処理できます。

2.1.3 3. 赤字(欠損金)を最大10年間繰り越せる

事業で赤字(欠損金)が出た場合、個人事業主(青色申告)が翌年以降に繰り越せる期間は最長3年間です。
これに対し、法人の場合は赤字を最大10年間にわたって繰り越すことができます
将来的に大きな黒字が出た年度があっても、過去の赤字と相殺することで、その年の法人税負担を劇的に軽減できます。

2.1.4 4. 社会保険料の負担を最適化できる

プライベートカンパニーを「マイクロ法人」として活用し、個人事業と二刀流で運営する場合、社会保険料を最小限に抑えるスキームが利用できます。
法人の役員報酬を低額に設定して法人の社会保険(健康保険・厚生年金)に最低ランクで加入することで、個人事業側の売上がいくら増えても社会保険料を一定の最安値に固定できます。
これにより、国民健康保険や国民年金よりも手厚い保障を受けながら、支払う保険料を大幅に削減できます。

2.2 設立費用や維持費など3つのデメリット

多くのメリットがあるプライベートカンパニーですが、設立や維持には特有のコストや手間が発生します。

あらかじめデメリットを把握し、対策を立てておくことが重要です。

2.2.1 1. 設立費用と毎年の維持費(ランニングコスト)がかかる

個人事業主は開業届を提出するだけで費用はかかりませんが、法人の設立には登記費用などの初期コストが必要です。
また、法人が赤字であっても、地方税である「法人住民税の均等割」として毎年最低約7万円の維持費が必ず発生します。
設立時と維持にかかる主な費用は以下の通りです。

費用項目合同会社の場合株式会社の場合
設立時の登録免許税6万円(または資本金の1000分の7のいずれか高い方)15万円(または資本金の1000分の7のいずれか高い方)
定款認証手数料不要約3万〜5万円(資本金額による)
毎年の均等割(赤字でも発生)約7万円(自治体により異なる)約7万円(自治体により異なる)

2.2.2 2. 事務負担と会計処理の複雑化

法人の会計処理は、個人事業主よりも非常に複雑です。
複式簿記による日々の記帳はもちろん、決算時には「貸借対照表」や「損益計算書」などの厳密な決算書を作成し、複雑な法人税申告書を提出しなければなりません。
これらを自力で行うのは極めて困難であるため、多くの場合は税理士への依頼が必要となり、年間数十万円の税理士報酬が発生する点がデメリットです。

2.2.3 3. 会社の資金を自由に個人利用できない

個人事業主であれば、事業用の口座から生活費を自由に引き出しても問題ありません。
しかし、法人化すると「会社のお金」と「個人の生活費」は厳格に区別されます。
会社の資金を個人の財布のように自由に使うことはできず、役員報酬として決められた額を毎月受け取る必要があります。
もし会社の資金を無断で個人に流用すると、税務調査で「役員貸付金」とみなされ、利息の計上を求められたり、最悪の場合は役員賞与として課税されたりするリスクがあります。

プライベートカンパニーを設立する手続きは、一見難しそうに思えますが、正しい手順を踏めば個人でもスムーズに完了させることができます。

ここでは、失敗せずにプライベートカンパニーを立ち上げるための具体的な5つのステップを、実務の流れに沿って詳しく解説します。

3.1 ステップ1 事前準備と基本事項の決定

まずは、会社の骨組みとなる基本事項を決定し、必要な印鑑などの準備を行います。

ここで決めた内容は、後に作成する「定款」や登記申請書に記載することになります。

3.1.1 決定すべき基本事項一覧

決定項目具体的な内容と注意点
商号(会社名)自由に決められますが、同一住所に同一商号がないか確認が必要です。また、「株式会社」や「合同会社」を名称の前後に入れる必要があります。
本店所在地会社の住所です。自宅住所やバーチャルオフィス、賃貸オフィスなどを指定します。賃貸の場合は契約上、法人登記が可能か確認が必要です。
事業目的会社が行う事業内容です。将来行う予定のある事業も含めて複数記載できますが、許認可が必要な事業は書き方に注意が必要です。
資本金の額法律上は1円から設立可能ですが、融資の受けやすさや初期費用を考慮し、プライベートカンパニーでは10万〜100万円程度で設定するのが一般的です。
役員構成代表取締役(合同会社の場合は代表社員)や取締役を誰にするか決めます。自分一人、または家族のみで構成するのが一般的です。
事業年度(決算期)会社の事業年度を決めます。個人事業主とは異なり自由に設定できるため、繁忙期を避けた月や、消費税の免税メリットを長く受けられる月を選びます。

基本事項が決まったら、法務局へ登録するための会社の実印(代表者印)を作成します。

印鑑の作成には数日かかる場合があるため、早めに手配しておきましょう。

3.2 ステップ2 定款の作成と認証手続き

定款(ていかん)とは、会社の組織や運営に関する根本規則を定めたもので、「会社の憲法」とも呼ばれます。

ステップ1で決めた基本事項を基に定款を作成します。

株式会社を設立する場合は、作成した定款を公証役場に提出し、公証人による「定款認証」を受ける必要があります。

一方、合同会社を設立する場合は、定款の作成は必須ですが、公証役場での認証手続きは不要です。

定款の作成方法には、紙で作成する方法とPDFなどのデータで作成する「電子定款」の2種類があります。

紙の定款の場合、収入印紙代として4万円が必要になりますが、電子定款を利用すれば印紙税4万円を節約することができます。

個人で電子定款を作成するには専用の機器やソフトが必要になるため、行政書士や司法書士などの専門家に依頼するか、設立支援ツールを利用するのが賢い選択です。

3.3 ステップ3 資本金の払い込み

定款の作成(株式会社の場合は認証)が完了したら、決定した資本金を金融機関の口座に払い込みます。

この時点ではまだ会社の銀行口座は存在しないため、発起人(出資者)の個人名義の口座に振り込むことになります。

払い込みの際は、単に口座に資金がある状態にするのではなく、誰がいくら出資したかを明確にするため、「振込」の手続きを行い、通帳に名前と金額が記帳されるようにする必要があります。

自分ひとりで出資する場合でも、自分の口座から自分の口座へ振り込む手続きを行います。

振り込みが完了したら、以下のページをコピーして「払込証明書」を作成します。

  • 通帳の表紙
  • 通帳の裏表紙(支店名や口座番号が記載されているページ)
  • 資本金の入金(振込)が確認できる記帳ページ

これらと、代表者印を押印した払込証明書の表紙を綴じることで、登記申請に必要な書類が完成します。

3.4 ステップ4 登記申請と必要書類の提出

必要書類がすべて揃ったら、本店の所在地を管轄する法務局へ設立登記の申請を行います。

法務局に登記申請書を提出した日が、正式な「会社の設立日」となります。

大安などの吉日や、思い入れのある日を設立日にしたい場合は、その日に申請を行う必要があります。

ただし、土日祝日は法務局が閉庁しているため申請できません。

登記申請には、主に以下の書類が必要となります。

  • 株式会社(または合同会社)設立登記申請書
  • 登録免許税の納付用台紙(収入印紙を貼付)
  • 定款(株式会社の場合は認証済みのもの)
  • 発起人の同意書(定款で決定しなかった事項がある場合)
  • 就任承諾書(代表取締役、取締役、監査役など)
  • 取締役全員の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
  • 払込証明書(通帳のコピーを合綴したもの)
  • 印鑑届出書(会社の実印を登録するため)

登記申請の際には、国に納める税金として登録免許税がかかります。

登録免許税は、株式会社の場合は最低15万円(資本金の1000分の7)、合同会社の場合は最低6万円(資本金の1000分の7)が必要です。

申請方法は、法務局の窓口へ直接持参する方法、郵送する方法、インターネットを利用したオンライン申請があります。

申請から登記が完了して履歴事項全部証明書が取得できるようになるまでには、通常1週間から10日ほどかかります。

3.5 ステップ5 設立後の税務署などへの届出

法務局での登記が完了し、無事に会社が設立された後も、速やかに各種行政機関への届出を行う必要があります。

特に税金関係の届出には提出期限が設けられているため、遅れないように注意しましょう。

3.5.1 主な提出先と必要な届出書類一覧

提出先主な届出書類提出期限
税務署法人設立届出書設立登記完了から2ヶ月以内
青色申告の承認申請書設立日から3ヶ月以内、または最初の事業年度終了の日のうちいずれか早い日の前日まで
給与支払事務所等の開設届出書給与の支払いを開始した日から1ヶ月以内
都道府県税事務所・市区町村役場法人設立届出書(地方税用)各自治体の条例による(一般的には設立から15日〜1ヶ月以内)
年金事務所健康保険・厚生年金保険新規適用届事実発生(設立および役員報酬の決定など)から5日以内

特に「青色申告の承認申請書」は非常に重要です。

期限内に提出を怠ると、初年度から青色申告の税制上のメリットを受けられなくなってしまうため、最優先で手続きを行いましょう。

また、プライベートカンパニーであっても、役員報酬を支払う場合は社会保険(健康保険・厚生年金)への加入が法律上義務付けられています。

年金事務所での手続きも忘れずに行ってください。
これらの届出が完了して初めて、プライベートカンパニーとしての活動を本格的に開始することができます。

プライベートカンパニーを設立する際、最初に直面するのが「株式会社」と「合同会社」のどちらの法人格を選ぶべきかという問題です。

結論から申し上げますと、個人や家族経営を前提としたプライベートカンパニーの作り方においては、圧倒的に合同会社が選ばれています。

その理由は、設立にかかる初期費用やランニングコストを大幅に抑えられるだけでなく、意思決定の迅速さなど、プライベートカンパニーの目的に合致した特徴を多く備えているからです。

ここでは、株式会社との違いを比較しながら、合同会社が選ばれる具体的な理由を解説します。

4.1 株式会社と合同会社の違いを徹底比較

まずは、株式会社と合同会社にどのような違いがあるのか、基本情報を一覧表で比較してみましょう。

プライベートカンパニーを運用する上で重要となる項目を中心にまとめています。

比較項目株式会社合同会社
設立時の法定費用約20万円〜(電子定款の場合)約6万円〜(電子定款の場合)
定款の認証必要(公証役場での認証が必要)不要
決算公告の義務あり(毎年約7万円の官報掲載費等が必要)なし
意思決定の機関株主総会・取締役会など社員(出資者)の合意
利益の配分方法出資比率に応じる定款で自由に設定可能
代表者の肩書代表取締役代表社員

このように、株式会社と合同会社では設立手続きの簡便さや費用面、さらには設立後の運営ルールにおいて大きな違いがあります。

株式会社は外部から広く資金を調達して事業を拡大していくのに向いている一方、合同会社は出資者と経営者が同一であるため、柔軟でスピーディーな経営が可能です。

身内だけで所有・経営するプライベートカンパニーにとっては、合同会社の持つ特徴が非常にマッチしていると言えます。

4.2 合同会社なら設立費用と維持費を安く抑えられる

合同会社がプライベートカンパニーの作り方として強く推奨される最大の理由は、設立費用(イニシャルコスト)と維持費(ランニングコスト)を極限まで安く抑えられる点にあります。

まず設立時にかかる法定費用を比較すると、株式会社の場合は公証役場での定款認証手数料(約3万〜5万円)と、法務局に支払う登録免許税(最低15万円)が必要となり、最低でも約20万円がかかります。

これに対して合同会社では、定款の認証手続き自体が不要なため認証手数料は発生せず、登録免許税も最低6万円で済みます。

電子定款を利用して印紙税(4万円)を節約すれば、合同会社は約6万円という格安の初期費用で設立することが可能です。

さらに、設立後の維持費においても合同会社には大きなメリットがあります。株式会社には決算内容を一般に公表する「決算公告」の義務があり、毎年官報への掲載費用などとして約7万円のコストが発生し続けます。

しかし、合同会社には決算公告の義務がないため、毎年の掲載コストを完全にゼロに抑えることができます。

また、役員の任期に制限がないため、株式会社のように数年ごとに発生する役員変更登記の費用(登録免許税1万円〜3万円)も必要ありません。

こうしたコストパフォーマンスの高さこそが、多くの起業家や副業サラリーマンがプライベートカンパニー設立時に合同会社を選ぶ決定的な理由となっています。

副業としてプライベートカンパニーを設立し、効率的な資産形成や節税を目指す会社員は増えています。

しかし、会社員という立場ならではの法的なリスクや、税務上の落とし穴が存在するのも事実です。

後からトラブルに発展しないよう、事前に必ず押さえておくべき3つの注意点を解説します。

5.1 勤務先の副業規定を確認する

プライベートカンパニーを設立する前に、まずは現在勤務している会社の就業規則に定められている副業規定を必ず確認してください。

近年は副業を解禁する企業が増えているものの、依然として全面禁止、あるいは事前申請を義務付けている企業は少なくありません。

特に、公務員法によって副業が原則禁止されている公務員はもちろんのこと、民間企業であっても「競業避止義務(本業と競合する事業を行わない義務)」や「職務専念義務」に反する場合は、重大な就業規則違反とみなされる恐れがあります。

プライベートカンパニーの役員(取締役や代表社員)に就任することは、税法上および労働法上で「他社の役員を務める副業行為」に該当するため、無断で設立すると懲戒処分などのペナルティを受けるリスクがあることを認識しておきましょう。

5.2 住民税の特別徴収から普通徴収への切り替え

会社に内緒でプライベートカンパニーを作りたいと考えている場合、最も注意すべきなのが「住民税の金額の変化」による副業の露呈、いわゆる「副業バレ」です。

会社員の場合、住民税は毎月の給与から天引きされる「特別徴収」という方法で納税されています。

副業による所得が増えると、市区町村から本業の会社へ通知される住民税の決定額が本来の給与所得に対する金額よりも高くなり、会社の給与担当者に副業を疑われる原因になります。

このリスクを回避するためには、確定申告の際に住民税の徴収方法を「自分で納付(普通徴収)」に選択する必要があります。

ただし、プライベートカンパニーから自身に対して「役員報酬」を支払う場合は、役員報酬に係る住民税は原則として本業の給与と合算されて特別徴収されるため、普通徴収への切り替えが認められないケースがほとんどです。

そのため、本業の会社に知られたくない場合は、自身への役員報酬を「無報酬」とし、会社の利益を法人内部に留保する形をとるのが一般的です。

役員報酬の有無住民税の徴収方法本業への副業発覚リスク
役員報酬を受け取る特別徴収(本業の給与と合算して天引き)高い(住民税の決定額が急増するため)
役員報酬を受け取らない(無報酬)課税なし(個人の住民税に影響しない)極めて低い(会社側の税額通知に変動がないため)

5.3 家族を役員にして所得分散を図る方法

本業の会社に副業を知られたくない場合や、世帯全体の税負担を効率的に軽減したい場合に有効なのが、配偶者や両親などの「家族」をプライベートカンパニーの役員(代表社員など)に据える方法です。

自身は出資者(株主や合同会社の社員)にとどまり、業務執行権や代表権を家族に持たせることで、自身の名義で役員報酬が発生することを防ぎます。

この方法を採用することで、家族に対して役員報酬を支払い、世帯全体の所得を分散させることで累進課税による税率を下げ、大幅な節税効果(所得分散効果)を得ることができます。

ただし、このスキームを実行する際には、以下の点に注意しなければなりません。

  • 役員となる家族が、実際に法人の業務(記帳代行、顧客対応、管理業務など)を行っているという実態(実体)が必要であること。実態のない名義貸しの場合は、税務調査で経費(役員報酬)として認められないリスクがあります。
  • 家族に支払う役員報酬の額によっては、その家族が配偶者控除や扶養控除の対象から外れてしまい、世帯全体での税負担が逆に増えてしまう可能性があること。

これらのメリットとデメリットを慎重にシミュレーションした上で、最適な役員構成と報酬額を設定することが重要です。

会社設立情報

この記事では、会社設立の流れを設立準備から設立後の手続きまで、分かりやすく解説します。これから起業を目指す方が、スムーズ…

プライベートカンパニーは、副業の節税や将来の資産形成において非常に有効な手段です。

個人事業主と比較して、経費の範囲が広がり、所得税や社会保険料の負担を最適化できるメリットがあります。

設立にあたっては、初期費用や維持費を大幅に抑えられる「合同会社」を選択するのが賢明な判断です。

勤務先の副業規定や住民税の納税方法など、会社員ならではの注意点を事前に確認した上で、5つのステップに沿って手続きを進めましょう。

最適な方法でプライベートカンパニーを設立し、賢く資産を守り育ててください。