合同会社の社会保険|加入条件から手続きの流れ、保険料までわかりやすく解説

合同会社を設立した、またはこれから設立を検討している経営者の方へ。

社会保険の手続きや保険料について、複雑でよくわからないと悩んでいませんか?

結論から言うと、たとえ社長一人の合同会社であっても、社会保険への加入は法律で義務付けられています。

この記事では、役員や従業員ごとの加入条件、年金事務所などへの具体的な手続きの流れ、そして役員報酬と連動する保険料の計算方法まで、網羅的に解説します。

読み終えれば、社会保険に関するあらゆる疑問が解消され、安心して会社経営に専念できるようになります。

合同会社を設立するにあたり、社会保険への加入は避けて通れない重要な手続きです。

会社の規模や従業員の数に関わらず、法律で定められた義務であり、設立後の早い段階で対応する必要があります。

この章では、合同会社がなぜ社会保険に加入しなければならないのか、その基本的な考え方と加入義務について詳しく解説します。

社会保険とは4つの保険の総称

一般的に「社会保険」という言葉は、私たちの生活を支える複数の公的な保険制度を指します。

会社で加入する社会保険は、大きく分けて「狭義の社会保険」と「労働保険」の2つに分類され、合計4つの保険(介護保険を含めると5つ)から構成されています。

それぞれの保険がどのような役割を担っているのか、まずは全体像を把握しましょう。

分類保険の種類概要主な管轄
狭義の社会保険健康保険業務外の病気やケガ、出産、死亡などに対して医療給付や手当金を支給する制度。年金事務所
(健康保険組合)
厚生年金保険老齢、障害、死亡などに対して年金を支給し、生活の安定を図る制度。
介護保険40歳以上の人が加入。要介護・要支援状態になった際に介護サービスを受けるための制度。
労働保険雇用保険労働者が失業した場合の生活支援や、再就職を促進するための給付を行う制度。ハローワーク(公共職業安定所)
労災保険
(労働者災害補償保険)
業務中や通勤中の病気、ケガ、障害、死亡などに対して給付を行う制度。労働基準監督署

これらの保険は、会社と従業員が保険料を分担して負担し(労災保険料は全額会社負担)、万が一の事態に備えるための重要なセーフティネットです。

合同会社を設立した場合、これらの保険への加入手続きを適切に行う必要があります。

合同会社は社会保険の強制適用事業所

なぜ合同会社は社会保険に加入しなければならないのでしょうか。
その理由は、合同会社が「法人」であり、法律によって社会保険への加入が義務付けられた「強制適用事業所」に該当するからです。

社会保険の適用事業所には、加入が義務である「強制適用事業所」と、任意で加入する「任意適用事業所」の2種類があります。

株式会社や合同会社といった法人は、設立された時点で事業主(社長)1名のみであっても、業種や規模、従業員の意思に関わらず、強制適用事業所となります。

これは、たとえ赤字経営であっても、従業員を一人も雇用していなくても変わらない原則です。

会社を設立した以上、社会保険の加入義務からは逃れられないと認識しておきましょう。

一人合同会社と社会保険の加入義務

「社長一人だけの合同会社(一人合同会社)でも社会保険に入る必要があるのか?」という疑問は非常によく聞かれますが、答えは「はい、加入義務があります」です。

法律上、法人の代表者や役員も、法人から労働の対償として報酬(役員報酬)を受け取る限り、健康保険・厚生年金保険の被保険者(加入対象者)となります。
つまり、たとえ社長一人だけの会社であっても、自身に役員報酬を支払うのであれば、社会保険に加入しなければなりません。

この場合、会社と社長個人で保険料を半分ずつ負担(折半)することになります。

実質的には全額を自分で負担する形になりますが、国民健康保険や国民年金に加入するのとは異なり、厚生年金に加入できるため将来の年金受給額が増える、健康保険の保障が手厚いといったメリットがあります。

ただし、例外として役員報酬を全く支払わない「無報酬」の場合は、加入義務は発生しません。

しかし、その場合でも社会保険の適用事業所であることに変わりはないため、年金事務所へ「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」とあわせて「被保険者資格非該当」の届出を行う必要があります。

手続きを怠ると指導の対象となる可能性があるため、注意が必要です。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

合同会社を設立した場合、社会保険の加入は法律で定められた義務です。

しかし、役員、正社員、パート・アルバイトなど、立場によって加入条件が異なります。

ここでは、誰がどのような条件で社会保険に加入しなければならないのか、対象者別に詳しく解説します。

役員の社会保険加入

合同会社の役員である「業務執行社員」は、法人から労働の対価として報酬を得ている限り、原則として社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入する義務があります。
これは、会社の規模や従業員の有無にかかわらず適用されます。

たとえ社長一人だけの「一人合同会社」であっても、役員報酬を設定している場合は加入対象です。

「自分は社長だから加入しなくても良い」ということはなく、法人から報酬を受け取る時点で被保険者となると覚えておきましょう。

ただし、以下のようなケースでは加入対象外となる場合があります。

  • 無報酬の役員: 役員報酬が0円の場合は、収入がないため被保険者になることができません。
  • 非常勤の役員: 毎日出社しない「非常勤役員」の場合、勤務実態や報酬額などを総合的に考慮し、常用的使用関係にないと判断されれば加入対象外となることがあります。ただし、代表社員など経営に深く関与している場合は、非常勤であっても加入が必要と判断されるケースがほとんどです。判断に迷う場合は、管轄の年金事務所へ事前に相談することをおすすめします。

正社員の社会保険加入

正社員として雇用される従業員は、国籍、性別、年齢(※)にかかわらず、原則として全員が社会保険の加入対象となります。
これは最も基本的なルールであり、例外はほとんどありません。

試用期間中の従業員であっても、雇用されたその日から加入義務が発生します。

入社手続きと並行して、速やかに社会保険の資格取得手続きを行う必要があります。

※年齢に関する注意点として、70歳以上の従業員は厚生年金保険に、75歳以上の従業員は健康保険に加入できません(後期高齢者医療制度へ移行)。ただし、雇用保険や労災保険の加入義務は継続します。

パート・アルバイトの社会保険加入

パートタイマーやアルバイトの社会保険加入については、その働き方によって判断基準が分かれます。

条件がやや複雑なため、正確に理解しておくことが重要です。

まず、基本的な基準として、1週間の所定労働時間および1ヶ月の所定労働日数が、同じ事業所で働く正社員の「4分の3以上」である場合、社会保険の加入義務が発生します。

さらに、上記の「4分の3基準」を満たさない短時間労働者であっても、以下の要件をすべて満たす場合は、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入対象となります。

これは「短時間労働者への適用拡大」と呼ばれる制度です。

項目短時間労働者の社会保険 加入要件
労働時間週の所定労働時間が20時間以上であること
賃金月額賃金が8.8万円以上であること(※賞与や残業代は含まない)
雇用期間雇用期間が2ヶ月を超えて見込まれること
学生学生ではないこと(※夜間学生や休学中の場合は加入対象)
企業規模従業員数(被保険者数)が101人以上の企業であること
(※2024年10月からは51人以上の企業に拡大されます)

合同会社を設立した直後は従業員数が少ないため、主に「4分の3基準」で判断することが多くなりますが、事業が拡大し従業員が増えた際には、この適用拡大の対象となる可能性があることを念頭に置いておきましょう。

家族従業員の社会保険加入

代表社員の配偶者や子などを「家族従業員(専従者)」として雇用する場合も、社会保険の加入義務は発生します。
その判断基準は、他の従業員と何ら変わりありません。

つまり、家族従業員であっても、その働き方が常勤の役員や正社員と同様であれば加入義務があり、パート・アルバイトであればその労働条件に応じて加入を判断します。

「家族だから」という理由で加入が免除されることはありません。

ただし、労働保険(雇用保険・労災保険)の扱いには注意が必要です。

原則として、事業主と生計を同一にする同居の親族は「労働者」とは見なされず、雇用保険の被保険者にはなれません。
しかし、他の従業員と全く同じ条件(勤務時間、指揮命令関係、賃金支払など)で働いているなど、労働者性が明確に認められる場合は、例外的に加入が認められることもあります。

この場合は、事前にハローワークへ相談し、実態を確認してもらう必要があります。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

合同会社を設立したら、社会保険の加入手続きが必須となります。

手続きには期限が定められており、提出先も複数にわたるため、設立準備と並行して計画的に進めることが重要です。

この章では、会社設立後から従業員採用時まで、社会保険に関する手続きの全体像と具体的なステップを解説します。

会社設立後の社会保険手続きスケジュール

合同会社の設立登記が完了したら、速やかに社会保険の加入手続きを進めましょう。

手続きは大きく分けて「健康保険・厚生年金保険」と「労働保険(労災保険・雇用保険)」の2種類あり、それぞれ提出先や期限が異なります。

まずは全体的な流れを把握してください。

タイミング手続きの種類主な手続き内容提出先
設立登記完了後5日以内健康保険・厚生年金保険新規適用届、被保険者資格取得届の提出管轄の年金事務所
従業員雇用後10日以内労働保険(労災保険・雇用保険)保険関係成立届、雇用保険適用事業所設置届の提出労働基準監督署、ハローワーク
従業員雇用後50日以内労働保険労働保険概算保険料申告書の提出・納付労働局、労働基準監督署、金融機関など

特に、健康保険・厚生年金保険の手続きは設立から5日以内と非常にタイトなスケジュールです。

あらかじめ必要書類を準備しておくことを強くおすすめします。

STEP1 健康保険・厚生年金保険の加入手続き

まず最初に行うのが、健康保険と厚生年金保険の加入手続きです。
これは一般的に「社会保険」と言われるもので、会社の役員や従業員の病気、ケガ、老齢、死亡などに備えるための重要な制度です。

手続きは、会社の所在地を管轄する年金事務所で行います。

提出先と必要書類一覧

提出期限は、法人設立の登記日から5日以内です。
郵送や電子申請(e-Gov)も可能ですが、期限が短いため、窓口に直接持参すると不備があった場合にもその場で修正でき安心です。

書類名提出が必要なケース備考
健康保険・厚生年金保険 新規適用届必須会社として社会保険に初めて加入するための書類です。法人番号などを記載します。
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届役員・従業員がいる場合(全員分)加入する役員や従業員一人ひとりについて作成・提出します。基礎年金番号やマイナンバーが必要です。
健康保険 被扶養者(異動)届被扶養家族がいる場合役員や従業員に扶養する家族(配偶者や子など)がいる場合に提出します。
法人登記簿謄本(履歴事項全部証明書)のコピー必須発行から90日以内の原本またはコピーが必要です。
法人番号指定通知書のコピー必須法人番号を確認するための書類です。

STEP2 労働保険の加入手続き

次に、労働保険の手続きです。

労働保険は「労災保険」と「雇用保険」の総称で、従業員を一人でも雇用した場合は加入が義務付けられます。

役員のみの合同会社では、原則として労働保険の加入義務はありませんが、従業員を雇用した時点で速やかに手続きが必要です。

手続きは「労働基準監督署」と「ハローワーク」の2か所で行います。

提出先と必要書類一覧

労働保険の手続きは、まず労働基準監督署で「労働保険関係成立届」を提出し、その後ハローワークで雇用保険の手続きを行うという流れになります。

手続きの段階書類名提出先提出期限備考
① 労働保険関係の成立労働保険関係成立届管轄の労働基準監督署従業員を雇用した日の翌日から10日以内会社として労働保険に加入するための最初の届出です。
労働保険概算保険料申告書管轄の労働局、労働基準監督署、金融機関保険関係が成立した日の翌日から50日以内その年度末までの労働保険料を概算で計算し、申告・納付します。
② 雇用保険の加入雇用保険適用事業所設置届管轄のハローワーク事業所設置の日の翌日から10日以内雇用保険の対象となる事業所であることを届け出ます。「労働保険関係成立届」の控えが必要です。
雇用保険被保険者資格取得届従業員を雇用した月の翌月10日まで雇用保険に加入する従業員一人ひとりについて提出します。

このように、労働保険は提出先や期限が複数に分かれており複雑です。
特に「労働保険関係成立届」は労基署へ、「雇用保険適用事業所設置届」はハローワークへと提出先が異なる点に注意してください。

従業員採用時の社会保険手続き

会社設立後、新たに従業員(正社員や加入条件を満たすパート・アルバイト)を採用した場合にも、その都度、社会保険の加入手続きが必要です。

手続きを怠るとトラブルの原因となるため、速やかに行いましょう。

保険の種類提出書類提出先提出期限
健康保険・厚生年金保険健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届
※扶養家族がいれば「被扶養者(異動)届」も提出
管轄の年金事務所採用日(事実発生日)から5日以内
雇用保険雇用保険被保険者資格取得届管轄のハローワーク採用した月の翌月10日まで

従業員の退職時には、逆に資格を喪失する手続き(資格喪失届の提出)が必要になります。

入社時と退職時の手続きはセットで覚えておきましょう。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

合同会社の設立や従業員の雇用にあたり、経営者が最も気になることの一つが社会保険料の負担額ではないでしょうか。

社会保険料は会社と役員・従業員の双方にとって決して小さくないコストです。

ここでは、社会保険料の計算方法と具体的な金額の目安をわかりやすく解説します。

ご自身の会社のケースに当てはめて、資金繰りや役員報酬設定の参考にしてください。

健康保険料・厚生年金保険料の計算方法

健康保険料と厚生年金保険料は、役員報酬や従業員の給与を一定の範囲で区切った「標準報酬月額」を基に計算されます。

標準報酬月額は、毎年4月、5月、6月に支払われた報酬の平均額から算出され、その年の9月から翌年8月まで適用されます。

計算式は非常にシンプルです。

計算式:標準報酬月額 × 各保険料率

算出された保険料は、会社と被保険者(役員・従業員)が半分ずつ負担(労使折半)します。

会社は、毎月の給与から被保険者負担分を天引きし、会社負担分と合わせて国に納付します。

健康保険料率は、加入する健康保険組合によって異なりますが、ここでは全国健康保険協会(協会けんぽ)を例に挙げます。

協会けんぽの保険料率は都道府県ごとに設定されています。
また、40歳以上65歳未満の方は、健康保険料に加えて介護保険料も徴収されます。

以下に、具体的な計算例を示します。

保険の種類保険料率保険料合計(月額)自己負担額(月額)会社負担額(月額)
健康保険料9.98%29,940円14,970円14,970円
厚生年金保険料18.300%54,900円27,450円27,450円
合計84,840円42,420円42,420円

※40歳以上65歳未満の場合、上記の健康保険料に介護保険料率(全国一律1.60%)が上乗せされます。

雇用保険料・労災保険料の計算方法

雇用保険と労災保険は、合わせて「労働保険」と呼ばれます。
これらの保険料は、標準報酬月額ではなく、従業員に支払う毎月の給与や賞与の総額(賃金総額)を基に計算されます。

計算式:賃金総額 × 各保険料率

負担の仕方が健康保険・厚生年金とは異なる点に注意が必要です。

雇用保険料

雇用保険料は、会社と従業員の双方が負担しますが、負担割合は異なります。
保険料率は事業の種類によって定められています。

負担者保険料率負担額(月額)
従業員負担0.6%1,800円
会社負担0.95%2,850円
合計1.55%4,650円

労災保険料

労災保険料は、業務中や通勤中のケガや病気に備えるための保険であり、保険料は全額会社が負担します。

従業員の負担はありません。保険料率は、事業の危険度に応じて業種ごとに細かく定められています。

例えば、卸売業・小売業、飲食店、金融・保険業などの「その他の各種事業」は賃金総額の0.3%、「建設事業」は0.62%〜8.8%など、事業内容によって大きく異なります。

計算例:月収30万円・その他の各種事業(料率0.3%)の場合
300,000円 × 0.3% = 900円(全額会社負担)

役員報酬と社会保険料の関係性

合同会社の役員報酬は、従業員の給与と同様に社会保険料の計算対象となります。

つまり、役員報酬の金額が社会保険料の負担額に直接影響します。

ここで重要なのが、法人税法上の「定期同額給与」のルールです。

役員報酬は、原則として事業年度の途中で自由に変更することができません。

変更が認められるのは、事業年度開始(設立時も含む)から3ヶ月以内のタイミングに限られます。

これは、一度決定した役員報酬額が、その後の社会保険料の基準(標準報酬月額)を約1年間にわたって固定化させることを意味します。
そのため、会社の利益計画や資金繰りを慎重にシミュレーションした上で、役員報酬額を決定する必要があります。

社会保険料の負担を抑えるために役員報酬を低く設定する戦略もあれば、将来受け取る年金額を増やすために高く設定するという考え方もあります。

会社の状況と経営者個人のライフプランの両面から、最適なバランスを見つけることが肝心です。

【年収別】社会保険料の目安一覧

役員や従業員の年収ごとに、社会保険料の負担額がどのくらいになるのか、具体的な目安を一覧表にまとめました。

資金計画や採用計画を立てる際の参考にしてください。

【前提条件】

  • 事業所所在地:東京都
  • 健康保険:協会けんぽ
  • 年齢:40歳未満(介護保険料なし)
  • 事業の種類:一般の事業
  • 賞与:なし(年収を12分割して月額報酬を算出)
  • 令和6年度の保険料率を参考に算出
年収月額報酬標準報酬月額本人負担 合計(月額)本人負担 合計(年額)会社負担 合計(年額)社会保険料 総額(年額)
300万円250,000円260,000円約37,300円約44.8万円約46.1万円約90.9万円
400万円約333,333円340,000円約49,900円約59.9万円約61.7万円約121.6万円
500万円約416,667円410,000円約60,500円約72.6万円約74.8万円約147.4万円
600万円500,000円500,000円約73,400円約88.1万円約90.9万円約179.0万円
800万円約666,667円650,000円約95,000円約114.0万円約117.8万円約231.8万円

※上記はあくまで概算です。端数処理や保険料率の改定などにより、実際の金額とは異なる場合があります。

この表からわかるように、社会保険料の負担は、本人負担額とほぼ同額の会社負担額が発生します。

従業員を雇用する際は、給与の額面だけでなく、この会社負担分のコストも考慮して人件費を計算することが極めて重要です。

正確な保険料額については、管轄の年金事務所や社会保険労務士などの専門家にご確認ください。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

合同会社の社会保険加入は、法律で定められた義務ですが、単なるコスト負担ではありません。

むしろ、会社の成長と安定経営に不可欠な戦略的投資と捉えることができます。社会保険に加入することで、会社は「対外的な信用力」と「社内の人材力」という、事業発展の両輪を強化できます。

ここでは、社会保険加入がもたらす具体的なメリットを詳しく解説します。

会社の信用度向上と人材確保

社会保険への加入は、企業の社会的責任を果たす姿勢の表れであり、目に見えない大きな資産となります。

特に、設立間もない合同会社にとっては、事業基盤を固める上で極めて重要な要素です。

まず、社会保険への加入は、法令を遵守する健全な企業であることの証明となり、対外的な信用力を格段に向上させます。

金融機関から融資を受ける際の審査や、大手企業との取引開始時における与信調査において、社会保険の加入状況は必ずチェックされる項目の一つです。

未加入の場合、コンプライアンス意識が低いと判断され、融資や取引の機会を失うリスクがあります。

さらに、信用力の向上は優秀な人材の確保にも直結します。

求職者、特に経験やスキルのある人材は、給与や仕事内容だけでなく、安心して長く働ける環境、つまり福利厚生の手厚さを重視します。

求人情報に「社会保険完備」と明記できることは、数ある企業の中から自社を選んでもらうための強力なアピールポイントです。

「社会保険完備」は、優秀な人材を惹きつけ、定着させるための強力な武器となり、採用コストの削減や組織力の強化にも繋がります。

役員・従業員の福利厚生の充実

社会保険は、役員や従業員本人、そしてその家族の生活を守るための重要なセーフティネットです。

福利厚生が充実することで、従業員は安心して業務に集中でき、エンゲージメントや生産性の向上も期待できます。

具体的に、各保険がどのようなメリットをもたらすのか見ていきましょう。

社会保険(健康保険・厚生年金保険)と労働保険(雇用保険・労災保険)が提供する主な保障内容は以下の通りです。

保険の種類主なメリット・保障内容
健康保険医療機関での窓口負担が原則3割になる高額な医療費がかかった場合の自己負担額を軽減する「高額療養費制度」病気やケガで働けない期間の所得を保障する「傷病手当金」出産時に受け取れる「出産手当金」「出産育児一時金」被扶養者(家族)も保険給付を受けられる
厚生年金保険国民年金(老齢基礎年金)に上乗せして「老齢厚生年金」が終身で支給される障害を負った場合に「障害厚生年金」が支給される(国民年金の障害基礎年金より手厚い)死亡した場合に遺族へ「遺族厚生年金」が支給される(国民年金の遺族基礎年金より対象範囲が広い)
雇用保険失業した場合に生活を支える「基本手当(失業手当)」育児や介護で休業する際の所得を補う「育児休業給付金」「介護休業給付金」スキルアップのための費用を補助する「教育訓練給付制度」
労災保険業務中や通勤中のケガ・病気に対する治療費(自己負担なし)療養のために休業した場合の所得を補償する「休業(補償)給付」障害が残った場合の「障害(補償)給付」や、死亡した場合の「遺族(補償)給付」

特に、健康保険における国民健康保険にはない傷病手当金や出産手当金といった手厚い所得保障は、従業員にとって大きな安心材料です。
また、厚生年金保険に加入する最大のメリットは、将来受け取る年金額が国民年金のみの場合に比べて大幅に増額される点にあります。

これは役員自身の老後設計においても非常に重要です。

雇用保険は、失業時だけでなく、育児や介護、スキルアップといったライフステージの変化にも対応できるセーフティネットとして機能します。
そして、保険料が全額会社負担である労災保険は、業務上のリスクから従業員を強力に保護し、会社は万が一の際の損害賠償リスクを軽減できるという、双方にとってメリットの大きい制度です。

これらの手厚い保障は、従業員の満足度を高め、長期的な視点で会社の成長を支える土台となります。

本記事では合同会社の社会保険について解説しました。

結論として、合同会社は社長一人であっても、法人であるため社会保険(健康保険・厚生年金)と労働保険への加入が法律で義務付けられています。

会社設立後は、年金事務所や労働基準監督署などへ定められた期限内に手続きを行う必要があります。

手続きは複雑に感じられるかもしれませんが、社会保険への加入は会社の信用度を高め、優秀な人材の確保にも繋がります。

役員や従業員の福利厚生を充実させるためにも、本記事を参考に正しい知識を身につけ、速やかに手続きを進めましょう。

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