【初心者向け】事業目的の書き方完全ガイド|定款・融資で使える例文10選

会社の設立や融資を考えたとき、最初に悩むのが「事業目的」の書き方ではないでしょうか。

事業目的の書き方が重要な理由は、それが会社の信頼性や将来性を示す「会社の憲法」であり、融資審査でも事業計画の根幹として見られるからです。

この記事を読めば、会社設立時の定款・登記で必要なルールから、日本政策金融公庫などの融資で有利になる書き方のコツまで、すべてが分かります。

IT、飲食、建設業など、そのまま使える業種別の例文10選もご紹介。

あなたの事業に最適な事業目的を、迷うことなく作成できるようになります。

これから会社を設立しよう、あるいは融資を受けて事業を拡大しようと考えているあなたへ。

事業目的の書き方で、会社の未来が大きく変わる可能性があることをご存知でしょうか。

単なる手続きの一つと軽視されがちな「事業目的」ですが、実は会社の設立、運営、資金調達のあらゆる場面で重要な役割を果たします。

この章では、なぜ事業目的の書き方が重要なのか、その基本を徹底解説します。

具体的な書き方を学ぶ前に、まずはその土台となる知識をしっかりと身につけましょう。

事業目的とは会社の憲法

事業目的とは、その会社が「何を行い、どのように利益を生み出すのか」を公式に宣言するものです。

そして、それは会社の根本規則である「定款」に必ず記載しなければならない事項です。
このことから、事業目的は「会社の憲法」に例えられます。

憲法が国の統治の基本を定めるように、事業目的は会社の活動範囲を定めます。

会社は、定款に記載された事業目的の範囲内でしか事業を行うことができません。

もし目的外の事業で取引を行った場合、その取引が無効と判断されるリスクも伴います。

このように、事業目的は会社の法的活動の根幹をなし、取引先や金融機関、株主といったステークホルダーに対して「私たちはこういう会社です」と明確に示す、会社のアイデンティティそのものなのです。

定款・登記・融資における役割の違い

「事業目的」は、記載する書類や提出する相手によって、その見られ方や重要視されるポイントが異なります。

特に「会社設立(定款・登記)」の場面と、「資金調達(融資)」の場面では、その役割が大きく変わります。

この違いを理解することが、適切な事業目的を作成する第一歩です。

端的に言えば、定款・登記では「法的に会社として認められるか」、融資では「その事業で本当に収益を上げられるのか」という、全く異なる視点で見られることになります。

それぞれの場面における役割とポイントを、以下の表で確認してみましょう。

場面主な役割見られるポイント
定款・登記会社の活動範囲を法的に定義する適法性:法律に違反していないか
営利性:利益を追求する事業か
明確性:誰が読んでも理解できる具体的な言葉か
許認可:許認可が必要な事業の文言が正しいか
融資事業の収益性・将来性をアピールし、信用を得る事業の具体性:何で稼ぐのかが明確に伝わるか
事業計画との整合性:事業計画書の内容と一致しているか
代表者の経験:代表者の経歴と事業内容に関連性があるか
収益性・将来性:市場や成長性が見込める事業か

このように、法務局の登記官は「法律のルールに則っているか」をチェックする一方、日本政策金融公庫や銀行などの金融機関は「投資(融資)する価値のある事業か」というビジネスの視点でチェックします。

したがって、会社設立時と融資申込時で、同じ事業目的が最適とは限らないのです。

これから先の章で解説する具体的な書き方を学ぶ上で、この「誰に、何を伝えるための事業目的なのか」という視点を常に意識することが極めて重要です。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

会社を設立する際、最初の関門となるのが「定款(ていかん)」の作成です。

定款とは、会社の組織や運営に関する基本的なルールを定めたもので、「会社の憲法」とも呼ばれます。
その中でも「事業目的」は、会社がどのような事業を行うのかを内外に示す、極めて重要な項目です。

ここでは、会社設立の根幹となる定款用の事業目的の書き方について、具体的なルールと注意点を詳しく解説します。

この章で解説するルールを守らないと、定款認証や法人登記の手続きでつまずく可能性があるため、しっかりと理解しておきましょう。

定款に記載する際の基本ルール

定款に記載された事業目的は、そのまま法務局で登記され、会社の登記事項証明書(登記簿謄本)に記載されます。

つまり、社会的に公開される会社の公式な活動範囲となります。

そのため、公証役場での定款認証や、法務局での登記申請において、担当者によるチェックが入ります。
ここで差し戻しにならないよう、事業目的を記載する際には守るべき3つの大原則があります。

適法性・営利性・明確性を満たす

事業目的は、「適法性」「営利性」「明確性」という3つの要件をすべて満たしている必要があります。
これらは会社の信頼性に関わる重要なポイントです。

原則内容書き方のポイントと具体例
適法性法律や公序良俗に反しない事業であること。犯罪行為や法律で禁止されている事業は記載できません。
当たり前のことですが、法的な観点から問題がないかを確認する必要があります。

(例)「賭博場の経営」などは記載不可。
営利性利益を追求し、株主等に分配することを目的とする事業であること。株式会社や合同会社は営利法人であるため、ボランティア活動や寄付といった非営利活動のみを事業目的にすることはできません。
ただし、営利事業に付随する活動として記載することは可能です。

(例)「地域社会への貢献活動」のみはNG → 「〇〇事業及びそれに付随する社会貢献活動」はOK。
明確性誰が読んでも事業内容を具体的に理解できること。一般的でない専門用語や造語、抽象的すぎる表現は認められない可能性があります。
第三者(取引先、金融機関、顧客など)が見て、何をしている会社なのかが分かるように記載します。

(例)「未来創造事業」のような曖昧な表現はNG → 「経営コンサルティング業」「アプリケーションソフトウェアの企画、開発、販売」のように具体的に記載する。

許認可事業は文言に注意

世の中には、事業を行うために国や都道府県などから許認可(許可・認可・届出・登録など)を得る必要がある業種が存在します。

これらの事業を行う場合、定款の事業目的に、監督官庁が指定する特定の文言を正確に記載しなければなりません。

もし文言が不足していたり、異なっていたりすると、許認可の申請そのものが受理されないという重大な問題につながります。

許認可が必要な代表的な事業と、記載文言の例は以下の通りです。

ご自身の事業が該当しないか、必ず確認してください。

許認可事業の例定款記載のポイント・文言例
建設業「建設工事の設計、施工、監理及び請負」など、29種類の専門工事の中から該当する業種の文言を記載します。
宅地建物取引業「宅地建物取引業」および「不動産の売買、交換、賃貸及びその代理並びに仲介」といった文言が必須です。
古物営業(リサイクルショップなど)「古物営業法に基づく古物商」や「古物の売買及びレンタル」といった文言を入れます。
飲食店営業「飲食店の経営」「喫茶店の経営」など、具体的な業態を記載します。
介護事業「介護保険法に基づく居宅サービス事業」「介護保険法に基づく介護予防サービス事業」など、根拠となる法律名を含めた正確な記載が求められます。

これらの文言は非常に厳格に審査されます。

許認可事業を始める予定がある場合は、事前に管轄の行政庁のウェブサイトで確認するか、行政書士や司法書士といった専門家に相談することを強く推奨します。

将来の事業を含める際の書き方と注意点

会社設立時には、現在すぐに行う事業だけでなく、将来的に展開する可能性のある事業も事業目的に含めておくのが一般的です。
なぜなら、事業目的を追加・変更するには、株主総会での決議を経たうえで、法務局で変更登記手続きが必要になるからです。

この手続きには、登録免許税として3万円の費用と、司法書士に依頼する場合は別途報酬がかかります。

将来の事業をあらかじめ記載しておくことで、これらの手間とコストを節約できます。

どこまで具体的に書くべきか

将来の事業を記載する際は、具体性と抽象性のバランスが重要です。

  • 具体的に書きすぎるリスク:「〇〇市限定のケータリング事業」のように限定しすぎると、事業エリアを少し広げるだけでも目的変更が必要になる可能性があります。
  • 抽象的に書きすぎるリスク:「サービス業」のように抽象的すぎると、前述の「明確性」の原則に反し、登記が認められない可能性があります。また、会社の事業内容が不明確になり、金融機関や取引先からの信用を得にくくなる恐れもあります。

そこでおすすめなのが、ある程度の幅を持たせた表現を用いることです。
「〇〇の企画、開発、制作、販売及びコンサルティング」のように、関連する業務をまとめて記載すると、事業の展開に柔軟に対応できます。

そして、事業目的の最後に「前各号に附帯又は関連する一切の事業」という一文(バスケット条項と呼ばれます)を加えておくのが定石です。
これにより、記載した各事業目的に関連する細かな業務がすべてカバーされ、事業活動の自由度が高まります。

事業目的の数に制限はあるか

法律上、事業目的の数に上限はありません。
理論上は何十個でも記載することが可能です。
しかし、事業目的の数が多すぎることにはデメリットも存在します。

例えば、事業目的が30個も40個も羅列されていると、外部から見たときに「この会社は一体何が本業なのだろうか?」「事業の核が定まっておらず、経営資源が分散しているのではないか?」といった印象を与えかねません。
特に、日本政策金融公庫や銀行から融資を受ける際には、事業の専門性や集中度が評価のポイントになることもあり、あまりに多くの目的を並べるのは得策ではありません。

そのため、実際にすぐ始める事業と、2~3年以内に着手する可能性が高い将来の事業に絞り込み、合計で10個程度に収めるのが一般的でバランスの取れた書き方と言えるでしょう。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

会社設立後の大きな関門の一つが、金融機関からの融資です。

特に創業融資では、事業の実態がまだないため、提出する書類がすべてを物語ります。

その中でも「事業目的」は、定款に記載するものとは少し異なり、審査担当者に事業の具体性と返済能力を伝えるための重要なアピール材料となります。

この章では、融資審査を有利に進めるための事業目的の書き方を、金融機関の視点から徹底解説します。

金融機関が見ているポイント

金融機関の融資担当者は、事業目的の文言そのものだけでなく、その背景にある「事業の実現可能性」と「経営者の本気度」を読み取ろうとします。

定款に記載された事業目的と、融資申込時に提出する事業計画書の内容に一貫性があるかどうかが、信頼性を測る最初のフィルターになるのです。

日本政策金融公庫の視点

政府系金融機関である日本政策金融公庫は、民間金融機関とは少し異なる視点を持っています。
特に新創業融資制度などを利用する場合、これから事業を始める方のサポートという側面が強いため、事業の収益性と同じくらい「創業者の経験や熱意」を重視する傾向にあります。

公庫の審査で最も重要なのは、提出する「創業計画書」です。この創業計画書に記載する「取扱う商品・サービス」や「セールスポイント」の内容と、定款に記載された事業目的が完全に一致している必要があります。
例えば、創業計画書で「Webサイト制作」をメイン事業として説明しているのに、定款の事業目的の筆頭に「飲食店の経営」が記載されていると、担当者は「本当にWeb制作で事業を始めるつもりなのだろうか?」と疑問を抱いてしまいます。
事業計画と事業目的に一貫性を持たせ、これから始める事業への強い意志を示すことが、公庫の信頼を得るための第一歩です。

銀行・信用金庫の視点

銀行や信用金庫といった民間金融機関は、公庫以上に事業の「収益性」と「返済の確実性」をシビアに評価します。
融資はあくまでビジネスであり、貸したお金が利息と共にきちんと返済されることが大前提だからです。

そのため、事業目的を見たときに「この事業は市場で需要があり、安定したキャッシュフローを生み出せるか」を判断しようとします。
あまりに多くの事業目的が羅列されていると、「事業の軸が定まっていない」「リソースが分散してどれも中途半端になるのではないか」といった懸念を持たれる可能性があります。
メイン事業が明確で、その事業がなぜ儲かるのかを論理的に説明できることが重要です。
将来的に展開したい事業を記載すること自体は問題ありませんが、融資を申し込む時点では、どの事業に注力して収益を上げるのか、その優先順位を明確に伝える必要があります。

金融機関重視するポイント事業目的で確認すること
日本政策金融公庫事業への熱意・経験、実現可能性創業計画書との完全な一致、経営者の経歴との関連性
銀行・信用金庫事業の収益性、返済の確実性主力事業の明確さ、市場での競争力、キャッシュフロー創出能力

収益性と将来性をアピールする書き方

では、具体的にどのように書けば、収益性と将来性をアピールできるのでしょうか。

重要なのは「事業計画書」と「自己資金」との連動です。

事業目的を単独で考えるのではなく、融資審査で提出する書類全体で一貫したストーリーを描くことが成功の鍵となります。

事業計画書との連動が鍵

融資審査において、事業目的は事業計画書とセットで評価されます。
事業目的が「事業のタイトル」だとすれば、事業計画書は「事業の具体的な説明書」です。
この二つに齟齬があれば、計画全体の信憑性が揺らぎます。

審査に通りやすい事業目的を作成するための効果的な手順は、まず事業計画書をしっかりと作り込むことから始まります。

  1. 事業計画書の中で、誰に、何を、どのように提供して収益を上げるのかを具体的に記述する。
  2. その事業内容の要点を抽出し、法律で定められたルール(適法性・営利性・明確性)に沿った言葉で事業目的に落とし込む。

自己資金との関連性を示す

融資担当者は、申込者がどれだけの自己資金を準備したかを必ず確認します。
これは、単に資金面の体力を見ているだけではありません。
自己資金を貯めてきたプロセスそのものが、事業への本気度や計画性を証明する材料となるからです。

ここでさらに一歩進んで説得力を持たせるには、「自己資金の源泉」と「事業目的」を関連付けることです。
例えば、あなたがWebデザイナーとして会社に勤務しながら5年間で300万円を貯め、Web制作会社を設立するために融資を申し込むとします。
この場合、「Webデザイナーとしての職務経歴」「計画的な貯蓄行動」「Web制作を目的とする事業内容」という3つの要素が一本の線で繋がります。

この一貫したストーリーは、融資担当者に「この人は自分の専門分野で、長期間かけて周到に準備を進めてきた。事業を成功させる確率が高いだろう」という強い信頼感を与えます。
経営者のこれまでの歩み、自己資金、そしてこれから始める事業目的が一貫していることは、何より雄弁にあなたの返済能力と事業の将来性を物語るのです。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

事業目的の書き方の基本を理解したところで、ここからは具体的な例文を見ていきましょう。

定款作成や融資申請の際にそのまま使える、あるいはご自身の事業に合わせてアレンジできる例文を10業種に分けて紹介します。

ご自身の業種に近いものを参考に、事業目的を作成してみてください。

例文を作成する上で意識すべき点は、定款に記載するためのルール(適法性・営利性・明確性)と、融資担当者に事業の将来性を伝えるための具体性の2つの側面です。

将来的に展開する可能性のある事業も、あらかじめ含めておくと良いでしょう。

ITエンジニア・Webデザイナー向け例文

IT・Web関連の事業は多岐にわたるため、現在の主業務だけでなく、将来的に展開したいサービスも幅広く記載しておくのがおすすめです。

特に、自社サービスの開発や教育事業などは将来の収益の柱になり得るため、含めておくと事業計画の幅が広がります。

事業目的の記載例ポイント・解説
1.コンピュータソフトウェア、アプリケーションの企画、開発、設計、販売、保守及びコンサルティング

2.ウェブサイト、ウェブコンテンツの企画、デザイン、制作、運営、保守及びコンサルティング

3.インターネットを利用した各種情報提供サービス

4.企業の経営及び情報技術に関するコンサルティング

5.業務IT人材の育成、教育及び研修事業

6.前各号に附帯又は関連する一切の事業3
システム開発(1)やWeb制作(2)といった現在の事業内容を明確にします。

将来的にメディア運営(3)やコンサルティング(4)、教育事業(5)へ展開する可能性も示唆することで、事業の成長性と多角的な収益モデルをアピールできます。

融資の際には、これらの目的が事業計画書とどう連動しているかを説明できるようにしておきましょう。

飲食店・カフェ開業向け例文

飲食店経営には「飲食店営業許可」が必要です。事業目的に「飲食店の経営」という文言を明確に入れることが求められます。テイクアウトやデリバリー、イベント出店など、店舗運営以外の収益源も記載しておくと、事業の安定性を示す上で有効です。

事業目的の記載例ポイント・解説
1.飲食店の経営

2.食料品、飲料及び酒類の販売

3.弁当、惣菜の製造、販売及び宅配事業

4.イベント、セミナーの企画及び運営

5.飲食店の経営に関するコンサルティング

6.前各号に附帯又は関連する一切の事業
許認可に必須の「飲食店の経営」(1)を最初に記載します。

物販(2)や中食需要に対応するデリバリー(3)を加えることで、コロナ禍のような不測の事態にも対応できるビジネスモデルであることを示せます。

将来的にレシピ開発や開業支援コンサル(5)を行うことも視野に入れた書き方です。

コンサルタント・士業向け例文

コンサルティング事業は対象範囲が広いため、「何の」コンサルティングを行うのかを明確にすることが重要です。

また、セミナーや研修、執筆活動なども収益源となり得るため、事業目的に加えておきましょう。

士業の場合は、資格ごとに定められた独占業務を正確に記載する必要があります。

事業目的の記載例ポイント・解説
1.企業の経営戦略、事業戦略に関するコンサルティング

2.業務マーケティング、営業活動に関する調査、支援及びコンサルティング

3.各種セミナー、研修、講演会の企画、運営及び講師の派遣

4.書籍、雑誌その他印刷物の企画、執筆、編集及び出版

5.市場調査及び各種情報の収集、分析、提供

6.前各号に附帯又は関連する一切の事業
経営コンサル(1)やマーケティング支援(2)など、専門領域を具体的に示します。

これらは融資の際に、自身の経歴や専門性と事業内容が一致していることを示す上で重要なポイントです。

セミナー(3)や執筆(4)は、専門家としてのブランディングと収益化の両面で有効な事業です。

ネットショップ・小売業向け例文

ECサイト運営がメインの場合、「インターネットを利用した通信販売業」が中心となります。取り扱う商材を具体的に書くこともできますが、「各種商品の企画、製造、販売」のように幅広く記載しておくと、将来的に商材が増えても定款変更が不要になります。中古品を扱う場合は「古物営業法」に基づく許可が必要なため、「古物の売買」という文言が必須です。

事業目的の記載例ポイント・解説
1.インターネットを利用した通信販売業

2.衣料品、服飾雑貨、アクセサリー、日用品雑貨の企画、製造、販売及び輸出入

3.古物営業法に基づく古物の売買

4.上記商品の卸売及び小売業

5.マーケティングに関するコンサルティング業務

6.前各号に附帯又は関連する一切の事業
EC事業の根幹である「通信販売業」(1)を明記します。

扱う商材(2)を記載しつつ、将来的に実店舗での販売(4)や海外との取引(輸出入)も視野に入れていることを示します。

中古品を扱う可能性があるなら、必ず「古物の売買」(3)を入れておきましょう。

許認可の取得漏れは事業停止リスクにつながります。

建設・内装工事業向け例文

建設業は「建設業法」に基づく許可が必要な業種が29種類に分かれています。

将来的に取得する可能性のある許可業種は、あらかじめ事業目的に記載しておくことが極めて重要です。

文言も許可申請で求められる表現に合わせる必要があります。

事業目的の記載例ポイント・解説
1.建設工事の設計、施工、監理及び請負

2.内装仕上工事、リフォーム工事の設計、施工、監理及び請負

3.土木工事の設計、施工、監理及び請負

4.住宅設備機器の販売及び設置工事

5.不動産の管理、賃貸及び売買

6.前各号に附帯又は関連する一切の事業
建設業許可で定められている業種名を正確に記載することが鉄則です。

「建設工事」(1)、「内装仕上工事」(2)、「土木工事」(3)など、取得済または将来取得予定の許可業種を網羅します。

工事だけでなく、関連する機器販売(4)や不動産業(5)まで含めることで、事業の川上から川下までをカバーする体制をアピールできます。

不動産仲介・管理業向け例文

不動産業も「宅地建物取引業」の免許が必要なため、事業目的の記載には注意が必要です。

「不動産の売買、交換、賃貸借及びその代理若しくは仲介」といった、法律で定められた表現を用いるのが一般的です。

関連事業として損害保険代理店業などを加えるケースも多く見られます。

事業目的の記載例ポイント・解説
1.不動産の売買、賃貸、仲介、管理及び鑑定

2.不動産に関するコンサルティング業務

3.損害保険代理業及び生命保険の募集に関する業務

4.建物の清掃及び保守管理業務

5.内装工事及びリフォームの企画、設計、施工

6.前各号に附帯又は関連する一切の事業
宅建業免許の根幹となる業務(1)を最初に記載します。

不動産オーナー向けのコンサルティング(2)や、物件の付加価値を高めるリフォーム事業(5)を目的とすることで、仲介手数料以外の収益源があることを金融機関に示せます

火災保険などを扱うための損害保険代理業(3)は、不動産業と親和性が高く、セットで記載することが多い事業目的です。

学習塾・スクール事業向け例文

対面での指導だけでなく、オンラインでのサービス提供が一般的になっているため、「インターネットを利用した」という文言を入れておくと良いでしょう。

また、教材開発や教育関連のコンサルティングなど、事業の広がりを意識した目的を記載することがポイントです。

事業目的の記載例ポイント・解説
1.学習塾、進学教室及びカルチャースクールの経営

2.インターネットを利用した教育コンテンツの配信及び学習支援サービス

3.教育用教材、書籍の企画、開発、制作及び販売

4.教育及び進路に関するコンサルティング業務

5.留学の斡旋及び支援サービス

6.前各号に附帯又は関連する一切の事業
教室運営(1)に加え、オンライン展開(2)を明記することで、場所にとらわれない事業モデルであることをアピールできます。

これは融資審査において、商圏の広さや安定性を示す材料になります。

自社教材の開発・販売(3)や、グローバルな視点での留学支援(5)まで含めることで、教育分野での多角的な事業展開を目指す姿勢を伝えられます。

人材サービス業向け例文

人材紹介や人材派遣は、それぞれ「有料職業紹介事業」「労働者派遣事業」の許認可が必須です。

事業目的には、この許認可申請で求められる文言をそのまま、一字一句正確に記載する必要があります。

ここを間違えると許認可が下りないため、細心の注意を払いましょう。

事業目的の記載例ポイント・解説
1.労働者派遣事業法に基づく労働者派遣事業

2.職業安定法に基づく有料職業紹介事業

3.企業の採用活動に関するコンサルティング及びアウトソーシング

4.社員教育、能力開発に関する研修の企画、実施

5.労務管理に関するコンサルティング業務

6.前各号に附帯又は関連する一切の事業
許認可事業である派遣(1)と紹介(2)は、法律に基づいた正式名称で記載することが絶対条件です。

これを怠ると、定款の変更(再登記)が必要になり、時間と費用が無駄になります。

採用コンサル(3)や研修事業(4)を組み合わせることで、企業の「人」に関する課題をワンストップで解決できる総合人材サービス企業としての強みをアピールできます。

運送・物流業向け例文

運送業も「貨物自動車運送事業法」に基づく許認可が必要です。

「一般貨物自動車運送事業」や「貨物軽自動車運送事業」など、取得する許認可の種類に応じた文言を正確に記載します。

倉庫業や梱包業など、関連する業務も幅広く含めておくと良いでしょう。

事業目的の記載例ポイント・解説
1.貨物自動車運送事業法に基づく一般貨物自動車運送事業

2.貨物軽自動車運送事業

3.倉庫業及び荷役作業の請負

4.梱包、発送代行業務

5.物流システムの企画、開発及びコンサルティング

6.前各号に附帯又は関連する一切の事業
緑ナンバーの「一般貨物」(1)と黒ナンバーの「軽貨物」(2)など、事業の核となる許認可事業を明確にします。

単に運ぶだけでなく、保管(3)や発送代行(4)までを事業範囲とすることで、包括的な物流サービスを提供できる企業であることを示せます

将来的にIT化を進めることを見据え、物流システムのコンサルティング(5)まで入れておくと、先進的な取り組みをアピールできます。

その他フリーランス向け例文

ライター、デザイナー、カメラマン、コンサルタントなど、複数のスキルを活かして活動するフリーランスが法人化する場合の例文です。

特定の業務に絞らず、自身のスキルセットを活かせる事業を幅広く記載しておくことで、柔軟な事業展開が可能になります。

事業目的の記載例ポイント・解説
1.各種コンテンツ(文章、画像、音声、動画等)の企画、制作、編集及び販売

2.ウェブサイト及び印刷物の企画、デザイン、制作

3.広告、宣伝に関する企画、制作及び代理業

4.イベント、セミナー、講演会の企画、運営

5.各種コンサルティング業務

6.前各号に附帯又は関連する一切の事業
「各種コンテンツの企画、制作」(1)という表現は、ライティング、写真撮影、動画編集など多くのクリエイティブ業務を包含できる便利な言葉です。

Web・紙媒体のデザイン(2)や広告代理業(3)も加えることで、クライアントのマーケティング活動を多角的に支援できることを示せます。

これまでの実績を活かしたコンサルティング(5)やセミナー講師(4)としての活動も収益の柱になり得るため、忘れずに記載しましょう。
会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

ここでは、事業目的の作成や登記に関して、起業家や経営者の方から特によく寄せられる質問にお答えします。

定款作成や変更手続きの前に、疑問点を解消しておきましょう。

Q. 事業目的は何個まで書けますか

A. 法律上、事業目的の数に上限はありません。理論上は何個でも記載することが可能です。

しかし、実務上は注意が必要です。事業目的の数が多すぎると、「結局、何をしている会社なのか分からない」と取引先や金融機関に思われ、かえって信用を損なう可能性があります。
特に融資審査においては、事業内容の焦点がぼやけていると見なされ、マイナス評価につながることも考えられます。

一般的には、現在行う事業と将来的に計画している事業を含めて10個前後に収めるのが現実的な目安とされています。
将来の事業展開を見越して記載すること自体は問題ありませんが、本業との関連性が低い事業を無秩序に羅列するのは避けるべきです。
会社の顔として、事業内容が明確に伝わる範囲で記載しましょう。

Q. 目的の順番に意味はありますか

A. 法律上、事業目的の順番に関する規定はありません。
しかし、実務上、記載する順番は非常に重要です。

一般的に、定款や登記簿謄本(履歴事項全部証明書)に記載された事業目的のうち、一番上に書かれているものが、その会社の主たる事業(メインビジネス)だと認識されます
金融機関が融資を審査する際や、新たな取引先があなたの会社を調査する際には、まず筆頭に掲げられた事業内容に注目します。

したがって、事業目的を記載する際は、以下の点を意識して順番を決定してください。

  • 現在、最も収益の柱となっている事業、またはこれから最も注力する事業を一番上に書く。
  • 融資を申し込む際は、その融資対象となる事業を一番上に記載し、事業計画書の内容と整合性を取る。
  • 許認可が必要な事業をメインで行う場合は、その事業を最初に記載する。

目的の順番は、会社の「顔」や「名刺」代わりになるという意識を持って戦略的に決定することが大切です。

Q. あとから変更できますか

A. はい、事業目的は会社設立後でも変更(追加・修正・削除)することが可能です。
事業の多角化やピボット(方向転換)に伴い、目的を変更する会社は少なくありません。

ただし、変更するには法務局での変更登記手続きが必要となり、時間と費用がかかります。
具体的な手続きと費用の概要は以下の通りです。

項目概要
主な手続きの流れ1.株主総会を招集し、定款変更について特別決議(議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成)を得る。

2.株主総会議事録を作成する。

3.本店所在地を管轄する法務局へ、事業目的の変更登記を申請する。
必要な費用変更登記申請1件につき、登録免許税として30,000円が必要です。
手続きを司法書士に依頼する場合は、別途その報酬が発生します。
申請期限事業目的の変更に関する株主総会の決議があった日から、2週間以内に登記申請を行う必要があります。

このように、事業目的の変更には手間とコストがかかるため、会社設立の段階で、将来の事業展開をある程度見越して目的を記載しておくことが、結果的にコスト削減につながります。

本記事では、事業目的の書き方を定款と融資の2つの視点から解説しました。

事業目的は会社の憲法であり、定款では「適法性・営利性・明確性」の3原則が、融資では事業計画と連動した「収益性・将来性」のアピールが重要です。

将来の事業も見据えつつ、許認可が必要な業種は指定の文言を守る必要があります。

ご紹介した例文を参考に、ご自身の事業内容を的確に表現することが、スムーズな会社設立と資金調達の第一歩です。

適切な事業目的は、事業成功への羅針盤となります。

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