自分でできる!会社設立の法務局登記|費用を抑える手続き完全マニュアル

会社設立の法務局での登記手続きは、複雑で費用もかさむと思っていませんか?

本記事は、専門家に頼らず自分で会社設立をしたい方へ向けた完全マニュアルです。

会社の基本事項の決定から登記申請までの9ステップ、株式会社・合同会社それぞれの必要書類、オンライン申請や電子定款で費用を抑える具体的な方法まで、網羅的に解説します。

登記完了後にやるべきことや、よくある質問にもお答えします。

この記事を読めば、法務局での手続きの全てが分かり、コストを抑えながらスムーズに会社設立を完結できます。

会社設立の手続きを進める上で、必ず関わることになるのが「法務局」です。

法務局とは、法務省の地方支分部局であり、登記や戸籍、国籍、供託といった国民の権利や財産を守るための行政サービスを提供しています。

会社設立においては、会社の情報を社会に公示するための「商業登記」の申請手続きを行う場所という、極めて重要な役割を担っています。

言い換えれば、法務局は会社にとっての「役所」のような存在です。

これから設立する会社が、どのような商号で、どこにあり、誰が役員で、何を目的に活動するのかといった基本情報を正式に登録し、社会的な信用を得るための第一歩が、法務局での手続きなのです。

会社を法的に誕生させる「登記申請」の受付窓口

会社設立における法務局の最も中心的な役割は、設立登記申請の受付です。

定款の作成や資本金の払い込みなど、様々な準備を整えた後、最終的に法務局へ登記申請書類を提出します。

この申請が受理され、登記が完了することで、会社は初めて法的に存在を認められます。

つまり、登記が完了した日(登記申請日)が「会社設立日」となり、会社は「法人格」を取得します。

法人格を得ることで、会社名義での契約や銀行口座の開設、財産の所有などが可能になります。

どれだけ事業計画を練り、資金を用意しても、法務局での登記手続きを経なければ、法的には会社として認められないのです。

会社の情報を社会に公示する「公証」の役割

法務局は、登記された会社の情報を「登記事項証明書(登記簿謄本)」という形で一般に公開(公示)する役割も担っています。

これにより、誰でもその会社が実在し、どのような会社であるかを確認することができます。

この情報の公開は、取引の安全性を確保するために非常に重要です。

例えば、取引先があなたの会社と契約を結ぶ際、法務局で登記事項証明書を取得すれば、代表者が誰で、資本金がいくらかといった情報を確認できます。

法務局は、会社の存在と内容を公的に証明することで、社会的な信用を担保する「公証役場」のような機能を果たしているのです。

法務局の商業登記によって公示される主な情報は以下の通りです。

登記項目内容の例
商号会社の正式名称(例:〇〇株式会社)
本店所在地会社の正式な住所
会社設立の年月日法務局に登記申請した日
事業目的会社が行う事業の内容
資本金の額事業の元手となる資本金の金額
役員に関する事項取締役や代表取締役などの氏名・住所

会社の信用を証明する「各種証明書」の発行機関

会社設立の登記が完了すると、法務局で会社の公式な証明書を取得できるようになります。

代表的なものが、会社の戸籍謄本ともいえる「登記事項証明書(登記簿謄本)」と、会社の実印が本物であることを証明する「印鑑証明書」です。

これらの証明書は、銀行で法人口座を開設したり、融資を受けたり、事務所の賃貸契約を結んだりする際に必ず提出を求められます。

このように、法務局は会社設立の瞬間だけでなく、その後の事業運営においても、会社の信用を証明するための重要な書類を発行する窓口として、継続的に関わっていくことになります。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

会社設立の手続きは、一見複雑に思えるかもしれませんが、順序立てて進めれば自分自身で行うことも十分に可能です。

ここでは、会社の基本事項の決定から法務局での登記申請完了までを、具体的な9つのステップに分けて詳しく解説します。

このロードマップに沿って、一つずつ着実に準備を進めていきましょう。

ステップ1 会社の基本事項を決める

登記申請の準備を始める前に、まずは設立する会社の骨格となる基本事項を決定する必要があります。

これらは定款にも記載する重要な情報であり、会社の土台となります。

後から変更するには手間と費用がかかるため、慎重に検討しましょう。

主に決めるべき基本事項は以下の通りです。

項目決定すべき内容と注意点
商号(会社名)会社の顔となる名前です。
使用できる文字(ひらがな、カタカナ、漢字、ローマ字、アラビア数字など)にはルールがあります。
同一の本店所在地に同一の商号を持つ会社は登記できないため、法務局のオンラインシステムなどで類似商号の調査を事前に行うことをお勧めします。
事業目的その会社がどのような事業を行うのかを具体的に記載します。
適法性、営利性、明確性が求められます。
将来的に展開する可能性のある事業も、あらかじめ記載しておくと、後から定款変更する手間が省けます。
本店所在地会社の住所を定めます。
自宅やレンタルオフィス、バーチャルオフィスでも登記可能ですが、許認可が必要な事業の場合は施設要件を確認する必要があります。
資本金の額会社法上は1円から設立可能ですが、資本金は会社の体力や信用度を示す指標となります。
事業開始当初に必要な運転資金や設備投資額を目安に設定するのが一般的です。
融資を検討している場合は、金融機関からの見え方も考慮しましょう。
発起人・役員構成会社を設立する人(発起人)と、経営を行う人(取締役などの役員)を決めます。
株式会社の場合、最低1名の取締役が必要です。
誰が代表取締役になるのかも決定します。
事業年度(会計年度)会社の決算期をいつにするかを決めます。
法人税の申告・納付は事業年度終了後2ヶ月以内に行う必要があります。
繁忙期を避けたり、設立日からなるべく離れた月を決算月に設定して初年度の期間を長く取るなど、戦略的に決めることが重要です。

ステップ2 会社の実印を作成する

会社の基本事項が決まったら、次に会社の実印(代表者印)を作成します。

この印鑑は、法務局へ設立登記を申請する際に必ず必要となるものです。

印鑑の作成には数日から1週間程度かかる場合があるため、早めに注文しておきましょう。

一般的には、以下の3種類の印鑑をセットで作成することが多いです。

  • 会社実印(代表者印):法務局に印鑑登録する、会社にとって最も重要な印鑑。登記申請や重要な契約書に使用します。印鑑の大きさは、辺の長さが1cmを超え、3cm以内の正方形に収まるものと規定されています。
  • 銀行印:会社の銀行口座を開設する際や、手形・小切手の振り出しに使用する印鑑。実印と兼用することも可能ですが、紛失や盗難のリスクを避けるため、分けて作成するのが一般的です。
  • 角印(社印):請求書や領収書、見積書など、日常的な業務で発行する書類に押印する認印のような役割を持つ印鑑です。

ステップ3 定款を作成する

定款(ていかん)とは、会社の組織や運営に関する基本的なルールを定めた「会社の憲法」ともいえる重要な書類です。

ステップ1で決めた基本事項をもとに作成します。

定款には、必ず記載しなければならない「絶対的記載事項」、記載がなければ効力が生じない「相対的記載事項」、任意で記載できる「任意的記載事項」の3つがあります。

特に「絶対的記載事項」が一つでも欠けていると、定款そのものが無効となり、会社設立ができないため、細心の注意が必要です。

法務局や日本公証人連合会のウェブサイトで提供されているひな形や記載例を参考にすると、作成がスムーズに進みます。

ステップ4 定款の認証を受ける(株式会社のみ)

作成した定款は、その内容が正当な手続きによって作成されたことを第三者に証明してもらう必要があります。

この手続きを「定款認証」といい、株式会社を設立する場合に必須となります。

定款認証は、会社の本店所在地と同じ都道府県内にある公証役場で、公証人に行ってもらいます。

認証には、認証手数料として約5万円が必要です。

なお、合同会社(LLC)の場合は、定款の作成は必要ですが、この公証人による認証手続きは不要です。

ステップ5 資本金を払い込む

定款の作成(株式会社の場合は認証)が終わったら、定款で定めた資本金を実際に払い込みます。

この時点ではまだ会社の銀行口座は開設できないため、発起人の代表者個人の銀行口座に、各発起人が出資額を「振り込む」形で行います。

注意点として、単に口座にお金を入れる「預け入れ」ではなく、誰がいくら払い込んだかが通帳に記録される「振り込み」で行うことが重要です。

すべての発起人からの払込みが完了したら、その口座の通帳の表紙、裏表紙、そして該当の振込記録があるページをコピーし、「払込証明書」という書類を作成して登記申請時に提出します。

ステップ6 個人の印鑑証明書を取得する

設立登記の申請には、関係者の印鑑証明書を添付する必要があります。

具体的には、株式会社の場合は発起人全員と就任する取締役全員(取締役会を設置しない場合)、合同会社の場合は出資者(社員)のうち、業務執行社員となる人の印鑑証明書が必要です。

印鑑証明書は、個人の実印を登録している市区町村の役所や、マイナンバーカードを利用してコンビニのマルチコピー機で取得できます。

法務局に提出する印鑑証明書は、発行後3ヶ月以内のものと定められているため、取得するタイミングに注意しましょう。

ステップ7 法務局へ提出する登記書類を作成する

いよいよ登記申請の核心部分である、提出書類の作成に取り掛かります。

会社の形態(株式会社か合同会社か)や機関設計によって必要書類は異なりますが、一般的には以下のような書類を作成・準備します。

  • 設立登記申請書
  • 登録免許税納付用の収入印紙を貼付した台紙
  • 定款
  • 発起人の決定書(または発起人会議事録)
  • 役員の就任承諾書
  • 印鑑証明書
  • 資本金の払込証明書
  • 印鑑届書

これらの書類は、法務局のウェブサイトからテンプレートをダウンロードできます。

記載漏れや誤りがあると、補正(修正)指示を受け、手続きが遅れてしまうため、記載例をよく確認しながら正確に作成することが肝心です。

ステップ8 自分の管轄法務局を確認する

登記申請書類一式が準備できたら、次に申請先となる法務局を確認します。

会社設立の登記申請は、どの法務局でも行えるわけではなく、設立する会社の本店所在地を管轄する法務局(登記所)に提出しなければなりません。

管轄法務局は、法務局の公式ウェブサイトで簡単に調べることができます。

法務局は統廃合されることもあるため、必ず最新の情報を確認してから申請に臨みましょう。

間違った法務局に提出しても受理されず、時間と手間が無駄になってしまいます。

ステップ9 法務局で登記申請を行う

すべての準備が整ったら、管轄法務局へ設立登記の申請を行います。

申請方法は主に「窓口持参」「郵送」「オンライン申請」の3つがあります。

重要なのは、法務局が申請書類を受理した日が「会社設立日」になるという点です。

特定の日を設立日にしたい場合は、その日に合わせて申請する必要があります。

ただし、法務局は土日祝日や年末年始は閉庁しているため、その日は申請できません。

書類に不備がなければ、申請から約1週間~10日ほどで登記が完了します。

これで、法的に会社が誕生したことになります。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

会社設立の登記申請には、多くの書類準備が必要です。

特に、設立する会社形態が「株式会社」なのか「合同会社」なのかによって、必要となる書類が異なります。

ここでは、それぞれの会社形態で必要となる書類を一覧で詳しく解説します。

書類に不備があると申請が受理されなかったり、修正に時間がかかったりするため、事前にチェックリストとして活用し、漏れなく準備を進めることが重要です。

株式会社の設立登記で必要な書類

株式会社の設立登記では、以下の書類が必要となります。

ここでは、発起人が複数人いる場合を想定した一般的なケース(発起設立、取締役会を設置しない、金銭出資のみ)で必要な書類をまとめました。

現物出資がある場合や取締役会を設置する場合など、会社の機関設計によっては追加の書類が必要になることがあります。

書類名概要と注意点
設立登記申請書法務局へ登記を申請するためのメイン書類です。
法務局のウェブサイトで入手できる様式に従って作成します。
登録免許税の収入印紙貼付台紙登録免許税(資本金の額×0.7%、最低15万円)分の収入印紙を貼付したA4の白紙です。
登記申請書と契印(割り印)をします。
定款公証役場で認証を受けた定款の謄本が必要です。
電子定款の場合は、認証済みのPDFデータを保存したCD-Rなどを提出します。
発起人の決定書(または発起人会議事録)定款で本店所在地を番地まで具体的に定めていない場合に、その所在地を決定したことを証明する書類です。
発起人全員の記名押印が必要です。
取締役の就任承諾書取締役に就任する全員分の就任承諾書が必要です。
本人確認証明書を添付しない場合は、個人の実印での押印が必須となります。
代表取締役の就任承諾書代表取締役の就任を承諾したことを証明する書類です。
取締役会を設置しない会社では、定款の定めにより、取締役の互選または株主総会で選定します。
監査役の就任承諾書監査役を設置する場合に必要です。
取締役と同様に、就任を承諾したことを証明します。
印鑑証明書取締役全員分の印鑑証明書が必要です。
発行後3ヶ月以内のものを準備します。
払込証明書資本金が正しく払い込まれたことを証明する書類です。
代表取締役が作成し、払込があった金融機関の通帳のコピー(表紙、1ページ目、入金記録があるページ)を合綴して作成します。
印鑑届書会社の実印(代表者印)を法務局に登録するための書類です。
この届出により、会社の印鑑証明書が発行できるようになります。
登記すべき事項を記録したCD-R等商号、本店、資本金の額、役員の氏名など、登記簿に記載される内容をテキストファイルに保存し、CD-RやDVD-Rで提出します。
オンライン申請の場合は不要です。

合同会社の設立登記で必要な書類

合同会社は、株式会社と比較して設立手続きがシンプルで、必要書類も少なくなります。

最大のメリットは、株式会社で必須となる「定款の認証」が不要である点です。

これにより、公証役場へ支払う手数料や手間を省くことができます。

書類名概要と注意点
設立登記申請書株式会社と同様に、法務局のウェブサイトで入手できる様式に従って作成します。
登録免許税の収入印紙貼付台紙登録免許税(資本金の額×0.7%、最低6万円)分の収入印紙を貼付したA4の白紙です。
株式会社より最低額が安く設定されています。
定款社員全員で作成し、署名または記名押印した定款を提出します。
株式会社と異なり、公証役場での認証は不要です。
2部作成し、1部は会社保管用、1部は法務局提出用とします。
代表社員、本店所在地及び資本金の額の決定書定款でこれらの事項を具体的に定めていない場合に、社員の過半数の一致により決定したことを証明する書類です。
代表社員の就任承諾書定款で業務執行社員や代表社員を定めていない場合で、社員の互選によって定めた場合に必要です。
社員の印鑑証明書業務を執行しない社員も含め、社員全員分の印鑑証明書が必要です。
発行後3ヶ月以内のものを準備します。
払込証明書資本金が払い込まれたことを証明する書類です。
株式会社と同様の形式で、代表社員が作成します。
印鑑届書会社の実印(代表者印)を法務局に登録するための書類です。
登記すべき事項を記録したCD-R等株式会社と同様に、登記簿に記載される内容をテキストファイルに保存し、CD-Rなどで提出します。
オンライン申請の場合は不要です。

会社設立には、登録免許税などの「法定費用」が必ずかかります。

しかし、手続きの方法を工夫することで、この費用を大幅に節約することが可能です。

ここでは、自分で会社設立の手続きを行う際に、コストをできるだけ安く抑えるための具体的な方法を3つご紹介します。

登録免許税を節約するオンライン申請

会社設立の登記申請は、法務局の窓口に書類を持参するだけでなく、オンライン(電子申請)でも行うことができます。

法務省の「登記・供託オンライン申請システム(登記ねっと)」を利用することで、自宅やオフィスから24時間いつでも申請手続きを進めることが可能です。

オンライン申請自体で登録免許税が直接割引されるわけではありませんが、後述する「電子定款」と組み合わせることで、設立費用全体を大きく削減できます。

また、法務局へ出向く時間や交通費も節約できるため、総合的なコストダウンにつながる有効な手段です。

定款の印紙代を節約する電子定款

会社設立費用を節約する上で、最も効果的な方法が「電子定款」の活用です。

定款とは会社のルールを定めた重要な書類で、通常、紙で作成した場合は4万円の収入印紙を貼付する必要があります。

しかし、電子定款(PDFファイル)で作成すれば、この収入印紙代4万円が不要になります。

電子定款を作成するためには、マイナンバーカードやICカードリーダーライタ、PDF作成ソフトなどが必要になりますが、それらの準備費用を考慮しても、4万円の節約効果は非常に大きいと言えるでしょう。

特に株式会社を設立する際には、必須の節約テクニックとして覚えておくことを強くおすすめします。

専門家への依頼費用との比較

会社設立の手続きは、司法書士などの専門家に依頼することもできます。

もちろん専門家への報酬は発生しますが、自分で手続きを行う場合と比較して、どの程度の費用の差があるのかを把握しておくことが重要です。

以下に、株式会社と合同会社それぞれについて、自分で設立する場合と専門家に依頼する場合の費用目安をまとめました。

設立パターン法定費用(目安)専門家報酬(目安)合計費用(目安)
株式会社:自分で設立(電子定款)約20万2,000円0円約20万2,000円
株式会社:自分で設立(紙の定款)約24万2,000円0円約24万2,000円
株式会社:専門家に依頼約20万2,000円5万円~10万円約25万2,000円~30万2,000円
合同会社:自分で設立(電子定款)6万円0円6万円
合同会社:自分で設立(紙の定款)10万円0円10万円
合同会社:専門家に依頼6万円5万円~10万円11万円~16万円

※法定費用は、登録免許税(株式会社15万円、合同会社6万円)、定款認証手数料(株式会社約5万2,000円)、定款の謄本手数料などを含んだ概算です。資本金の額によって登録免許税は変動します。

表からもわかる通り、費用を最優先するなら、自分で電子定款を利用して設立するのが最も安価な方法です。

専門家に依頼すると報酬分の費用はかかりますが、複雑な書類作成や手続きの手間を省き、時間を節約できるという大きなメリットがあります。

ご自身の状況に合わせて、最適な方法を選択しましょう。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

登記申請が無事に受理され、会社設立が完了したと安心するのはまだ早いかもしれません。

登記が完了したら、すぐに法務局でやっておくべき重要な手続きが2つあります。

これらの手続きを済ませないと、銀行口座の開設や税務署への届出といった、事業を本格的にスタートさせるための次のステップに進むことができません。

登記完了はゴールではなく、事業を開始するための新たなスタートラインです。

ここでは、登記完了後に法務局で行うべき「登記事項証明書(登記簿謄本)の取得」と「印鑑カードの交付請求・印鑑証明書の取得」について、その目的と具体的な手順を詳しく解説します。

登記事項証明書(登記簿謄本)の取得

登記事項証明書は、一般的に「登記簿謄本(とうきぼとうほん)」とも呼ばれ、会社の商号、本店所在地、事業目的、資本金の額、役員構成といった登記情報が記載された公的な証明書です。

いわば「会社の戸籍謄本」のようなもので、会社の存在と内容を法的に証明する際に不可欠な書類となります。

会社を設立した後は、以下のような様々な場面で提出を求められます。

  • 金融機関での法人口座開設
  • 税務署、都道府県税事務所、市町村役場への法人設立届出
  • 年金事務所での社会保険・厚生年金の加入手続き
  • ハローワークでの雇用保険の加入手続き
  • 融資(日本政策金融公庫など)の申し込み
  • 許認可(建設業、飲食業など)の申請
  • オフィスや店舗の賃貸借契約
  • 重要な取引先との契約

これらの手続きをスムーズに進めるため、登記が完了したら最低でも3〜5通は取得しておくことをおすすめします。

取得方法は複数あり、手数料も異なるため、ご自身の状況に合わせて最適な方法を選びましょう。

取得方法手数料(1通あたり)特徴
法務局の窓口で申請600円証明書発行支援窓口に設置された端末で申請書を作成し、窓口で受け取る。即日発行が可能。
オンライン請求(郵送で受け取り)500円「登記・供託オンライン申請システム」を利用して請求する。
郵送で届くため数日かかるが、手数料が安い。
オンライン請求(窓口で受け取り)480円オンラインで請求し、指定した法務局の窓口で受け取る。
最も手数料が安く、窓口での待ち時間も短い。

印鑑カードの交付請求と印鑑証明書の取得

登記事項証明書と並行して、会社の「印鑑証明書」を取得するための準備も進めましょう。

そのためには、まず「印鑑カード」の交付を法務局に請求する必要があります。

印鑑カードとは、法務局に登録した会社の実印(代表者印)が本物であることを証明する「印鑑証明書」を発行してもらうために必要なカードです。

このカードがなければ、会社の印鑑証明書を取得することはできません。

印鑑カードの交付請求は、会社設立登記が完了した後、管轄の法務局窓口で行います。

申請には「印鑑カード交付申請書」と、法務局に届け出た会社の実印が必要です。

手数料はかかりません。申請書は法務局の窓口に備え付けられているほか、法務局のウェブサイトからダウンロードすることも可能です。

印鑑カードの交付を受けたら、そのカードを使って印鑑証明書を取得できます。

印鑑証明書は、法務局の窓口に設置されている自動発行機か、窓口で「印鑑証明書交付申請書」を提出することで取得します。

手数料は1通あたり450円です。

なお、登記事項証明書とは異なり、印鑑証明書はオンラインでの請求・取得はできませんのでご注意ください。

会社の印鑑証明書は、主に以下のような重要な契約手続きにおいて必要となります。

  • 金融機関からの融資契約
  • 不動産の売買契約
  • 自動車の購入
  • 代表取締役が交代した際の登記申請

これらの手続きは、登記完了後すぐに行うものと、将来的に必要になるものがあります。

いざという時に慌てないよう、登記事項証明書と合わせて印鑑カードの交付請求までをワンセットの手続きとして完了させておきましょう。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

会社設立の手続きを自分で行う際、法務局での手続きに関して多くの疑問が浮かぶことでしょう。

特に初めての方にとっては、専門的な用語や流れに戸惑うことも少なくありません。

ここでは、登記申請の前後でよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

事前に確認し、スムーズな会社設立を目指しましょう。

法務局の相談窓口は利用できるか

はい、全国の法務局には無料で利用できる登記相談の窓口が設置されています

会社設立登記の申請を検討している方は、手続きの流れや必要書類の形式的な書き方について相談することが可能です。

ただし、多くの法務局では相談が予約制となっています。

訪問前に必ず管轄の法務局のウェブサイトを確認するか、電話で問い合わせて予約方法や受付時間を確認してください。

予約なしで訪問した場合、相談を受けられない可能性があります。

相談窓口で対応してもらえる内容には限りがあるため、注意が必要です。

以下の表を参考に、相談内容を整理しておくとよいでしょう。

項目詳細
相談できること会社設立登記の一般的な手続きの流れ登記申請書の様式や記載方法の形式的な説明必要となる添付書類の種類に関する案内
相談できないこと定款の内容が法的に有効かどうかの判断どのような会社形態(株式会社、合同会社など)を選ぶべきかといった経営判断に関するアドバイス個別の事案に対する具体的な判断(登記が受理されるかどうかの確約など)申請書類一式の事前チェックや作成代行

法務局の相談は、あくまで手続きの案内役です。

法的な判断や経営に関するアドバイスが必要な場合は、司法書士や税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

登記申請してから完了まで何日かかるか

登記申請書を法務局に提出してから登記が完了するまでの期間は、申請先の法務局の混雑状況や申請方法によって変動しますが、一般的には1週間から2週間程度が目安です。

正確な日数を知りたい場合は、申請する予定の法務局のウェブサイトを確認しましょう。

多くの法務局では「登記完了予定日」を公表しており、申請日ごとにいつ登記が完了するかの目安を確認できます。

なお、会社の設立日は「登記申請書を法務局が受け付けた日」となります。

登記が完了した日ではないため、混同しないように注意してください。

例えば、4月1日に申請書を提出し、登記完了が4月10日だった場合でも、会社の設立日は4月1日です。

書類に不備があり「補正」が必要になった場合は、その対応に要した日数分、登記完了までの期間が長引きます。

書類に不備があった場合はどうなるか

提出した登記申請書類に不備があった場合、その内容に応じて「補正」「却下」「取下げ」のいずれかの対応となります。

法務局から連絡があった際は、落ち着いて指示に従いましょう。

最も多いケースは「補正」で、軽微なミスであれば修正することで申請を継続できます

不備の内容と対応は以下の通りです。

不備への対応内容結果
補正記載ミスや押印漏れ、添付書類の不足など、修正が可能な軽微な不備です。
法務局の登記官から電話で連絡があり、指定された期間内に法務局へ出向いて修正します。
郵送での補正は原則として認められません。
登記官の指示に従って修正すれば、申請はそのまま有効となり、手続きが再開されます。
当初の申請日が設立日として維持されます。
却下法律上登記できない内容(例:事業目的に違法なものが含まれる)である場合や、指定された期間内に補正に応じなかった場合など、重大な不備がある場合に申請が却下されます。申請自体がはじめから無かったものとして扱われます。再度、正しい内容で申請し直す必要があります。
納付した登録免許税は、還付手続きを行うことで返還されます。
取下げ申請者自らの意思で申請を取りやめる手続きです。
補正が困難なほど根本的な間違いがあった場合や、会社設立自体を中止する場合に選択します。
申請を取り下げた後、必要であれば改めて申請を行います。
却下と異なり、申請者の意思で行う手続きのため、登録免許税の還付手続きがスムーズに進みます。

補正のために法務局へ行く際は、申請書に使用した会社実印や個人の実印、そして本人確認書類(運転免許証など)を持参すると、その場で修正がスムーズに進みます。

法務局での会社設立登記は、専門家に依頼せずとも自分で完了させることが可能です。

本記事で解説したステップに沿って計画的に準備を進めれば、手続きは決して難しくありません。

費用を抑える最大のポイントは、定款の印紙代が不要になる「電子定款」と、登録免許税が減額される場合がある「オンライン申請」の活用です。

書類の準備に手間はかかりますが、この記事をマニュアルとして、コストを抑えた会社設立にぜひ挑戦してみてください。

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