会社設立を会計士に依頼するメリット・デメリット!税理士との違いや費用相場も解説

会社設立時に「公認会計士と税理士のどちらに頼むべきか」とお悩みではありませんか?

この記事では、会社設立を会計士に依頼するメリット・デメリットや費用相場、税理士や司法書士との違いを徹底比較します。

結論として、将来的なIPO(上場)やM&A、大規模な資金調達・融資を目指すなら会計士への依頼が最適ですが、日々の税務申告のみが目的なら税理士の方がコストを抑えられます。

起業後の資金繰りや事業計画書策定を見据え、自社に最適な専門家の選び方と設立手続きの流れを分かりやすく解説します。

起業を決意し、会社設立の手続きを進める際、「誰にサポートを依頼するべきか」は多くの起業家が直面する最初の課題です。

会社設立の相談先としては税理士や司法書士が一般的ですが、近年では公認会計士に会社設立を依頼し、創業期から強固な財務基盤を築く選択をする経営者が増えています。

公認会計士は、企業の「会計と監査」に関する最高峰の国家資格保持者です。単に会社設立の登記手続きや日々の記帳を代行するだけでなく、将来的な事業拡大、大規模な資金調達、IPO(新規公開株)やM&Aを見据えた戦略的なアドバイスを提供できる点が大きな特徴です。

起業時の規模や将来のビジョンによっては、最初のパートナーとして公認会計士を選ぶことが、事業を軌道に乗せるための最善の選択肢となります。

1.1 会社設立における公認会計士の役割

会社設立において、公認会計士が果たす役割は多岐にわたります。

設立登記の書類作成といった実務的な手続きのサポートはもちろんのこと、それ以上に「財務のプロフェッショナル」として、設立当初から健全な財務体質を作るためのコンサルティングを行うことが主な役割です。

具体的には、以下のような役割を担い、起業家の右腕として機能します。

  • 資本金の設定や株主構成のアドバイス:将来の増資や経営権の安定を考慮した最適な資本金額、出資比率を提案します。
  • 事業計画書の策定支援:融資審査や投資家からの出資獲得に耐えうる、説得力の高い事業計画書や資金繰り表を作成します。
  • 内部統制の基盤構築:将来の組織拡大を見据え、不正を防ぎ業務を効率化するための社内ルールや会計システムの導入を支援します。

このように、公認会計士は「会社を作る」という手続きの段階から、「会社を大きく成長させる」ための仕組み作りを同時に行う役割を担っています。

1.2 公認会計士と税理士の根本的な違い

会社設立の相談先を検討する際、公認会計士と税理士の違いが分からず混同してしまうケースは少なくありません。

両者はどちらも「お金」を扱う専門家ですが、その資格の目的、主な業務範囲、そして視点には根本的な違いがあります。

公認会計士と税理士の主な違いを理解するために、以下の比較表をご確認ください。

比較項目公認会計士税理士
主な独占業務財務諸表監査(監査法人などによる会計監査)税務代理、税務書類の作成、税務相談
主な対象顧客大企業、上場企業、IPO準備企業、行政機関中小企業、個人事業主、起業家
得意とする視点財務・経営管理・資金調達・事業拡大(未来志向)節税対策・正確な税務申告・記帳代行(過去・現在志向)
税務業務の可否税理士登録をすることで、税務業務も行える公認会計士の監査業務を行うことはできない

税理士は「税金の専門家」であり、主な役割は中小企業や個人事業主の適正な税務申告をサポートし、節税のアドバイスを行うことです。

過去の取引データをもとに、税法に基づいて正しく計算を行う実務に長けています。

一方、公認会計士は「監査と会計の専門家」です。

上場企業などの財務諸表が正しいかどうかを第三者の立場から監査することが本来の独占業務ですが、その過程で培った高度な会計知識を活かし、経営コンサルティングや財務戦略の立案を行うことを得意としています。

なお、多くの公認会計士は「税理士」としても登録しているため、公認会計士に依頼すれば、財務コンサルティングと日々の税務申告の両方を一括して任せることが可能です。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

会社設立を公認会計士に依頼することには、単なる登記手続きの代行にとどまらない多くのメリットがあります。

特に財務や管理会計のプロフェッショナルである会計士の知見を活用することで、企業の創業期における経営基盤を強固にすることが可能です。

ここでは、具体的な3つのメリットについて詳しく解説します。

2.1 資金調達や融資のサポートに強い

会社設立初期において、多くの経営者が直面するのが資金繰りの課題です。

公認会計士は財務分析や資金管理の専門家であるため、金融機関から高い評価を得られる融資対策や資金調達のサポートにおいて非常に強い強みを持っています。

日本政策金融公庫の「新創業融資制度」や、民間金融機関の制度融資を申し込む際、精緻な資金繰り表や収支計画書の提出が求められます。

会計士が作成した客観的で根拠のある事業計画書は、金融機関に対する信頼性を飛躍的に高め、融資の実行確率を向上させます。

項目会計士に依頼する場合自身で申請する場合
事業計画書の精度財務理論に基づいた、客観的で説得力のある計画書主観的な予測になりがちで、根拠が不足しやすい
金融機関からの信頼度専門家によるお墨付きがあるため、信頼性が高い計画の実現可能性を厳しく精査される
融資の実行確率綿密な対策により、希望額での満額融資の可能性が高まる書類の不備や説明不足により、減額や否決のリスクがある

2.2 中長期的な事業計画の策定ができる

公認会計士は、企業の過去の数値を整理する税務会計だけでなく、将来の意思決定に役立てる「管理会計」を得意としています。

そのため、会社設立の段階から5年、10年先を見据えた中長期的な事業計画の策定を支援してもらえる点が大きなメリットです。

場当たり的な経営ではなく、売上目標、原価管理、人件費の推移、設備投資のタイミングなどを網羅したロードマップを描くことで、キャッシュアウト(資金ショート)のリスクを未然に防ぐことができます。

また、計画と実績の乖離(予算実績管理)を定期的に分析し、迅速な経営改善のアドバイスを受けられるのも、経営コンサルティング能力の高い会計士ならではの特徴です。

2.3 IPOやM&Aを見据えた組織体制を構築できる

将来的に株式公開(IPO)を目指すベンチャー企業や、M&Aによる事業売却・事業拡大を視野に入れている場合、会社設立当初から公認会計士に関与してもらうメリットは極めて大きくなります。

IPOやM&Aを成功させるためには、監査法人の監査に耐えうる適正な会計処理(企業会計基準への準拠)や、不正を防ぐための「内部統制」の構築が不可欠です。

設立初期からIPOやM&Aを意識した資本政策やガバナンス体制を構築しておくことで、将来的な監査コストや準備期間を大幅に削減し、スムーズな成長軌道に乗せることが可能になります。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

会社設立において公認会計士は非常に頼もしい存在ですが、すべての起業家にとって最適な選択肢になるとは限りません。

起業時の限られたリソースを有効に活用するためにも、依頼する前にデメリットや注意点を正しく理解しておくことが重要です。

ここでは、会計士に依頼する際の主なデメリットを2つの視点から詳しく解説します。

3.1 税理士と比較して顧問料などの費用が高くなりやすい

公認会計士に会社設立やその後の顧問契約を依頼する場合、一般的な税理士事務所と比較して、顧問料やサポート費用が高額に設定されているケースが多いというデメリットがあります。

公認会計士の主な主戦場は、大企業の会計監査やIPO(新規公開株)支援、M&Aにおける財務デューデリジェンスといった高度で専門性の高い領域です。

そのため、提供するサービスの単価自体が高く設定されている傾向にあります。

一般的な税理士と公認会計士の費用相場を比較すると、以下のようになります。

項目一般的な税理士の相場公認会計士の相場
設立サポート費用無料 〜 5万円程度(顧問契約が前提)10万円 〜 30万円程度
月額顧問料(法人)2万円 〜 5万円程度5万円 〜 10万円以上
決算申告料月額顧問料の4ヶ月 〜 6ヶ月分20万円 〜 50万円以上

設立初期の売上が不安定な時期において、固定費となる顧問料などのコストは極力抑えたいのが本音です。

「将来的に上場する予定はない」「地道に地域密着でスモールビジネスを展開したい」という場合は、公認会計士へ依頼するとオーバースペックとなり、余計なコストが発生してしまう可能性があります。

3.2 中小企業の税務申告に不慣れな会計士もいる

「公認会計士であれば、税金に関することは何でも完璧にこなしてくれる」と考えがちですが、実はここに大きな落とし穴があります。

公認会計士の中には、中小企業の日々の記帳指導や税務申告、節税対策などの実務に不慣れな人が存在するのも事実です。

公認会計士の本来の国家資格としての使命は、企業の財務諸表が適正であるかを第三者の立場から検証する「監査」です。

そのため、資格取得後のキャリアとして監査法人に勤務し、大企業の監査業務のみを経験してきた会計士は、中小企業が直面する以下のような実務に深く関わっていないケースがあります。

  • 領収書や伝票の整理から行う記帳代行業務
  • 中小企業向けの特例を活用した節税アドバイス
  • 税務署による税務調査への立ち会いと交渉
  • 地方税や固定資産税などの身近な税務手続き

公認会計士は、税理士会に登録することで税理士業務を行うことができますが、「会計のプロ」であっても、必ずしも「中小税務のプロ」であるとは限らない点に注意が必要です。

依頼を検討する際は、その会計士がこれまでに中小企業の税務顧問や確定申告、税務調査への対応実績をどの程度持っているかを事前によく確認する必要があります。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

会社設立を検討する際、専門家として「公認会計士」と「税理士」のどちらに依頼すべきか迷う方は少なくありません。

両者はどちらもお金に関するプロフェッショナルですが、その資格の目的や得意とする業務領域には明確な違いがあります。

自社の事業規模や将来のビジョンに合わせて最適な専門家を選ぶために、具体的な違いを比較していきましょう。

4.1 主な業務範囲と得意分野の違い

公認会計士と税理士の最も大きな違いは、法律によって定められた独占業務の内容にあります。

公認会計士は主に「監査」を、税理士は主に「税務」を専門としています。

比較項目公認会計士税理士
主な独占業務財務諸表監査・保証業務税務代理・税務書類の作成・税務相談
主な対象顧客大企業、上場企業、IPO準備企業中小企業、個人事業主、小規模事業者
得意分野内部統制構築、組織再編、M&A、資金調達日々の記帳代行、節税対策、確定申告
視点の違い経営全体を俯瞰した財務・投資的な視点税金対策や資金繰りを重視した実務的な視点

公認会計士は、企業の財務状況が適正であるかを外部からチェックする「監査」が本業です。

そのため、企業の内部統制の構築や、将来的な株式公開(IPO)、M&Aといった経営戦略の策定を得意としています。

一方で税理士は、納税者に代わって税金の申告や計算を行う「税務」のスペシャリストであり、中小企業の日々の記帳指導や、具体的な節税スキームの提案において高い専門性を発揮します。

4.2 会社設立の手続きにおける役割の違い

会社設立の手続きを進めるにあたっても、両者のアプローチやサポートできる範囲には違いが生じます。

4.2.1 公認会計士が果たす役割

公認会計士に会社設立を依頼する場合、単なる登記書類の準備にとどまらず、設立当初から将来の事業拡大を見据えた資本設計や財務戦略の立案を同時に行える点が強みです。
例えば、将来的にベンチャーキャピタル(VC)からの大規模な資金調達を予定している場合、株式の持分比率や事業計画書の作成において、投資家目線に立った高度なアドバイスを受けることができます。

4.2.2 税理士が果たす役割

税理士に会社設立を依頼する場合は、設立直後から発生する税務上の届出や、初年度の節税対策をスムーズに進められる点が強みです。
設立時には「青色申告の承認申請書」や「給与支払事務所等の開設届出書」など、税務署や自治体へ多くの書類を提出する必要がありますが、税理士であればこれらを代理で一括作成・提出してくれます。
また、役員報酬の決定による所得税と法人税のバランス調整など、身近な税金相談に即座に対応してもらえます。

4.3 司法書士や行政書士との違い

会社設立の場面では、会計士や税理士のほかに「司法書士」や「行政書士」といった士業も登場します。

それぞれの役割を正しく理解し、誰に何を依頼すべきか整理しておきましょう。

士業名会社設立における主な役割特徴と依頼するメリット
司法書士設立登記申請の代理、定款の認証手続き法務局への登記申請を唯一代理できるため、登記手続きそのものを完全に外注できる。
行政書士定款作成のサポート、許認可申請の代理飲食店や建設業、人材紹介業など、事業開始にあたって行政の許認可が必要な場合に強みを持つ。
公認会計士・税理士事業計画策定、資金調達支援、設立後の税務顧問登記手続き自体は提携する司法書士に外注することが多いが、設立前後の財務・税務・経営サポートを包括的に行える

法律上、法務局への登記申請手続きを代理できるのは司法書士のみです。

そのため、公認会計士や税理士に会社設立を依頼した場合であっても、実際の登記申請実務は、提携している司法書士が担当することが一般的です。

窓口を会計士や税理士に一本化することで、起業家自身が個別の士業と何度もやり取りする手間を省き、ワンストップで会社設立を完了させることができます。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

会社設立を公認会計士に依頼する際、最も気になるのが「一体いくら費用がかかるのか」という点ではないでしょうか。

会計士に支払う費用は、大きく分けて「設立手続き時の代行手数料」と「設立後の顧問契約費用」の2つに分類されます。

それぞれの費用相場と内訳を詳しく解説します。

5.1 会社設立の代行手数料の相場

会社設立の手続きそのものを会計士(または提携する司法書士)に依頼する場合の代行手数料の相場は、およそ5万円から15万円程度です。

ただし、設立後にその会計士と「顧問契約」を結ぶことを前提としている場合、設立代行手数料が実質0円(無料)になるキャンペーンを行っている事務所も少なくありません。

会社設立時には、会計士への報酬とは別に、国に支払う「法定費用」が必ず発生します。

株式会社と合同会社における設立費用の内訳と相場は以下の通りです。

費用項目株式会社(電子定款)合同会社(電子定款)
登録免許税150,000円(または資本金の0.7%)60,000円(または資本金の0.7%)
定款認証の手数料約30,000円〜50,000円(資本金による)不要(0円)
定款の印紙代0円(※電子定款の場合)0円(※電子定款の場合)
法定費用合計約180,000円〜200,000円約60,000円
会計士への代行手数料0円〜150,000円程度0円〜100,000円程度

ご自身で紙の定款を作成すると印紙代4万円が発生しますが、会計士事務所の多くは「電子定款」に対応しているため、この印紙代4万円を節約できるというメリットがあります。

そのため、代行手数料を支払ったとしても、実質的な自己負担額は自分で登記するケースと大きく変わらないこともあります。

5.2 設立後の顧問契約費用の相場

会社は設立して終わりではなく、設立後の会計業務や税務申告を継続して行う必要があります。

公認会計士に税務顧問や財務コンサルティングを依頼する場合の顧問料相場は、一般的な税理士事務所と比較してやや高めに設定されている傾向があります。

これは、単なる記帳代行や税務申告だけでなく、経営分析や資金繰り対策、内部統制の構築といった高度な財務コンサルティングが含まれるためです。

契約形態・業務内容月額顧問料の相場決算申告料の相場
日常の税務顧問(売上1,000万円未満のスタートアップ)20,000円〜35,000円100,000円〜150,000円
財務コンサルティング込み(資金調達・融資支援あり)40,000円〜80,000円150,000円〜250,000円
IPO(上場)準備・内部統制支援契約150,000円以上(要個別見積もり)別途相談

年間の合計維持費としては、最も安価なプランでも年間30万円から50万円程度、財務サポートや資金調達支援を密に受ける場合は年間60万円から100万円以上の予算を見ておく必要があります。

会社の規模や求めるサポート範囲(記帳代行の有無、経営会議への参加頻度など)によって料金は大きく変動するため、事前に明確な見積もりを取ることが重要です。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

会社設立のサポートを依頼する先として、公認会計士と税理士のどちらを選ぶべきかは、起業する会社の規模や将来のビジョンによって大きく異なります。

一般的な小規模店舗や個人事業主からの法人化であれば税理士で十分なケースが多いですが、特定の目的を持つ企業にとっては、公認会計士こそが最適なパートナーとなります。

ここでは、公認会計士への依頼が向いている会社の特徴を具体的に解説します。

6.1 将来的に上場やM&Aを目指すベンチャー企業

将来的に株式公開(IPO)を目指している、または将来的に会社を売却するM&Aを視野に入れているスタートアップやベンチャー企業は、設立当初から公認会計士に依頼することを強くおすすめします。

IPOやM&Aを実現するためには、極めて厳格な会計基準に基づいた財務諸表の作成や、不正を防ぐための「内部統制」の構築が不可欠です。

これらは公認会計士の独占業務である「監査」の知見が直接活きる分野であり、税務申告を主業務とする税理士では対応が難しい領域です。

設立初期から上場に耐えうる会計体制を構築しておくことで、将来の監査法人による監査やデューデリジェンス(企業価値評価)をスムーズにクリアできるようになります。

6.2 大規模な資金調達や融資が必要な会社

事業拡大のために、ベンチャーキャピタル(VC)からの出資や、金融機関からの億単位の大型融資を計画している会社も、公認会計士のサポートが向いています。

投資家や銀行が融資・出資を判断する際、最も重視するのは「事業計画の実現可能性」と「財務の健全性」です。

公認会計士は、企業のビジネスモデルを数値化し、説得力のある事業計画書やキャッシュフロー計算書を作成するプロフェッショナルです。

精緻な財務シミュレーションに基づいた説明ができるため、資金調達の成功確率を飛躍的に高めることができます。

6.3 会計士と税理士のどちらを選ぶべきかの判断基準

自社がどちらに依頼すべきか迷う場合は、以下の比較表を参考に、自社の事業規模や目指す方向性と照らし合わせて検討してください。

比較項目税理士が向いている会社公認会計士が向いている会社
主な想定事業規模小規模〜中堅企業、個人商店、ファミリー企業スタートアップ、ベンチャー、中堅〜大企業
将来のビジョン地域密着で安定した経営を継続したい早期のIPO(上場)やM&Aによる売却を目指したい
資金調達の手段日本政策金融公庫や地方銀行からの融資VCからの出資、エンジェル投資家、大規模シンジケートローン
求められる専門性確実な節税対策、日々の記帳代行、税務申告財務分析、管理会計の導入、内部統制の構築、経営コンサルティング

このように、「日々の税務をミスなく行い、節税したい」という場合は税理士が向いており、「財務戦略を駆使して会社を急成長させたい」という場合は公認会計士への依頼が適しています。

自社のビジネスモデルや5年後、10年後のゴールを明確にした上で、最適な専門家を選択しましょう。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

公認会計士に会社設立のサポートを依頼する場合、最初の相談から設立完了、そして設立後の税務顧問契約の開始まで、計画的かつ段階的に手続きを進めていく必要があります。

あらかじめ全体の流れを把握しておくことで、必要書類の準備や意思決定をスムーズに行うことができます。

ここでは、具体的な手順を3つのステップに分けて詳しく解説します。

7.1 事前の相談と見積もりの確認

まずは公認会計士事務所へ問い合わせを行い、事前の無料相談や面談を設定します。

この段階では、起業の動機や事業計画、将来的な展望(IPOやM&Aの視野など)をヒアリングし、最適な会社形態や資本金の額、役員構成などのシミュレーションを行います。

面談時には、会社設立にかかる実費(登録免許税など)と、会計士に支払う代行手数料、そして設立後の顧問料を含めた詳細な見積書が提示されます。

以下の表は、事前相談から正式契約までに合意・確認しておくべき主な項目をまとめたものです。

確認項目具体的な内容
事業計画の妥当性資本金の規模、融資や資金調達の必要性と実現可能性の検討
見積書の構成定款認証や登記にかかる実費と、会計士への報酬額の内訳
業務範囲の明確化設立登記の提携司法書士への手配、税務署への届出代行の有無
設立後のサポート内容月次決算、税務申告、資金繰り支援、顧問契約の条件合意

見積もり内容や提案された事業方針に納得できれば、正式に業務委託契約を締結し、会社設立の手続きへと移行します。

7.2 定款作成と登記手続きの代行

契約締結後、会社の憲法とも呼ばれる「定款(ていかん)」の作成に入ります。

公認会計士のアドバイスのもと、商号(会社名)、事業目的、本店の所在地、資本金額、発起人および役員の構成などを決定します。

特に事業目的は、将来の事業展開や許認可申請、銀行融資の審査に影響を与えるため、会計士の知見を活かして慎重に文言を吟味します。

定款の作成が完了したら、公証役場での定款認証手続きを行います。

その後、発起人の個人口座に資本金の払い込みを行い、通帳のコピーなど払い込みを証明する書類を準備します。

最終的な登記申請(法務局への申請)は、法律の規定に基づき、会計士と提携している司法書士が代理人となって行います。

登記申請を行った日が「会社設立日」となり、登記申請から約1週間から10日程度で登記簿謄本(履歴事項全部証明書)や会社の実印(代表者印)の印鑑証明書が取得できるようになります。

7.3 設立後の税務署への届出と顧問契約の開始

無事に会社が設立された後は、速やかに税務関係の手続きを行う必要があります。

会社設立から一定期間内に、国税局(税務署)や都道府県税事務所、市区町村役場に対して、法人設立届出書や青色申告承認申請書などの各種届出書を提出しなければなりません。

特に青色申告承認申請書は提出期限を過ぎると、初年度の税制上の優遇措置を受けられなくなるリスクがあるため、迅速な対応が求められます。

これらの税務署等への届出は、税理士登録を行っている公認会計士(または提携する税理士)が一括して代行します。

届出が完了すると、いよいよ本格的な事業開始となり、事前に合意した内容に基づいて月次の税務・財務顧問契約がスタートします。

公認会計士による記帳指導、試算表の作成、資金繰りのモニタリング、そして融資対策や将来の事業計画のブラッシュアップなど、経営のパートナーとしての継続的なバックアップ体制が構築されます。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順

会社設立を公認会計士に依頼する場合、どの事務所を選んでも同じ結果になるわけではありません。

公認会計士の本来の主業務は監査や大企業の会計指導であるため、選び方を誤ると「期待していたサポートが得られなかった」「税務申告でトラブルが生じた」といった事態に陥るリスクがあります。

起業を成功の軌道に乗せるために、以下の3つの選定基準を必ずチェックしてください。

8.1 起業支援やスタートアップの支援実績が豊富か

公認会計士のなかには、大企業の監査法人勤務が長く、新設法人のサポートや中小企業の経営実務に慣れていない人も存在します。

会社設立期には、融資の獲得やビジネスモデルの構築など、スタートアップ特有の課題が山積みです。

そのため、起業支援やスタートアップの支援実績が豊富な会計士を選ぶことが極めて重要になります。

実績の有無を判断する際は、以下のポイントを確認しましょう。

確認すべきポイント具体的なチェック内容
過去の設立支援件数これまでに累計で何社の会社設立をサポートしてきたか。
資金調達の実績日本政策金融公庫や民間金融機関からの融資獲得実績、資本政策の策定経験があるか。
業界への理解度自社が参入する業界のビジネスモデルや市場環境に精通しているか。

ホームページ上で「起業家支援特化」や「スタートアップ向けプランあり」と明記されている事務所や、創業融資の実行確率を具体的に開示している事務所は、信頼性が高いと言えます。

8.2 税理士登録をしており税務申告まで一貫して任せられるか

公認会計士の資格を保有している人は、無条件で税理士業務を行えるわけではありません。

公認会計士が税理士業務を行うためには、税理士会への登録(税理士登録)を完了している必要があります。

もし税理士登録をしていない会計士に依頼してしまうと、会社設立後の確定申告や毎月の記帳代行、税務相談といった税理士独占業務に対応してもらうことができません。

8.2.1 税理士登録の有無による業務範囲の違い

登録状況によって、依頼できる業務の範囲は以下のように大きく異なります。

区分税理士登録をしている会計士税理士登録をしていない会計士
会社設立登記の相談対応可能(※登記申請自体は司法書士が連携)対応可能
資金調達・財務コンサル対応可能対応可能
日常の記帳代行・指導対応可能対応可能
税務署への届出書作成対応可能対応不可(違法行為となる)
決算書・法人税申告書作成対応可能対応不可(違法行為となる)

税理士登録をしていない会計士に依頼した場合、決算や確定申告の時期だけ別の税理士を探して契約し直さなければならず、二重の手間と追加の顧問料が発生してしまいます。

ワンストップでスムーズな経営サポートを受けるためにも、「公認会計士かつ税理士」として活動している事務所を選ぶことが必須条件です。

8.3 相性が良く信頼できるパートナーか

会社設立を依頼する会計士は、単なる手続きの代行者ではなく、会社の将来を左右する重要なビジネスパートナーとなります。

そのため、担当する会計士との人間的な相性やコミュニケーションの取りやすさは、専門的な知識以上に重視すべき要素です。

特に以下の点について、事前の無料相談などを通じて見極めるようにしてください。

  • 専門用語を多用せず、分かりやすい言葉で説明してくれるか:難しい会計基準や税法を、経営初心者にも理解できるように噛み砕いて説明してくれる姿勢があるか確認します。
  • レスポンスの早さと相談のしやすさ:チャットツール(SlackやLINE WORKSなど)に対応しているか、質問に対して原則24時間以内に返信が来るかなど、スピード感をチェックします。
  • 自社のビジョンに共感してくれるか:「将来は上場したい」「多角化経営を行いたい」といった起業家の熱意や目標を理解し、同じ目線で伴走してくれる熱量があるかを見極めます。

どれだけ実績がある高名な会計士であっても、面談時に高圧的な態度をとられたり、質問がしづらい雰囲気であったりする場合は、長期的な顧問契約を結ぶべきではありません。

経営の苦しい時期も含めて、何でも本音で相談できる信頼関係を築ける相手かどうかを、あなた自身の目と耳で厳しく判断しましょう。

会社設立を公認会計士に依頼することは、将来的にIPOやM&A、大規模な資金調達を目指す企業にとって強力な後ろ盾となります。

中長期的な事業計画の策定や強固な組織体制の構築ができる点が大きなメリットです。

一方で、税理士に比べて顧問料などの費用が高くなりやすい点には注意が必要です。

依頼する際は、税理士登録をしており税務申告まで一貫して任せられるか、スタートアップの支援実績が豊富かを確認しましょう。

自社の成長ビジョンに合わせて、最適なパートナーを選ぶことが会社設立を成功させる鍵となります。

会社設立の代行費用実質0円、個人事業主とのメリットデメリット流れと手順
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