freee会社設立の利用を検討しているものの、「本当に完全無料なのか」「後から後悔しないか」と不安な方も多いのではないでしょうか。
本記事では、freee会社設立のリアルなデメリット5選や向いていない人の特徴、マネーフォワードなど他社との違いを徹底解説します。
結論として、電子定款作成費用5,000円や法務局への提出を自分で行う手間はあるものの、専門家報酬を抑えてスムーズに法人登記したい方には最適なサービスです。
注意点を事前に把握し、失敗のない会社設立を進めましょう。
1. freee会社設立とは?基本機能と完全無料の仕組み
会社設立の手続きには複雑な書類作成や専門知識が必要とされますが、それらをオンライン上で完結できるように開発されたサービスが「freee会社設立」です。
まずは、サービス自体の基本的な特徴や、なぜ完全無料で書類作成システムが提供されているのかというビジネスモデルの仕組みについて詳しく解説します。
1.1 freee会社設立の概要と特徴
freee会社設立は、クラウド会計ソフト大手のfreee株式会社が運営する、画面の案内に沿って必要事項を入力するだけで会社設立に必要な書類一式を自動作成できるクラウドサービスです。
専門知識がない初心者でも、ステップ形式の質問に回答していくだけで定款や登記申請書、各種届出書が作成できます。
株式会社だけでなく合同会社の設立にも対応しており、個人事業主からの法人成りや新規開業のハードルを大きく下げるツールとして広く認知されています。
また、従来の紙定款で発生していた4万円の収入印紙代を不要にする「電子定款」にも対応している点が大きな特徴です。
| 項目 | freee会社設立の仕様 |
|---|---|
| 運営会社 | freee株式会社(東証グロース上場) |
| 書類作成ツールの利用料 | 完全無料(0円) |
| 対応している会社形態 | 株式会社、合同会社 |
| 定款の作成形式 | 電子定款、紙定款 |
| 作成可能な主な書類 | 定款、発起人決定書、就任承諾書、登記申請書、税務関連の届出書など |
1.2 無料で利用できる理由と有料サービスへの導線
専門的な書類を作成できるシステムでありながら、会員登録から書類出力まで利用料が一切かからない理由は、freee株式会社のビジネスモデルにあります。
freee会社設立は、設立後のバックオフィス業務で使われる有料クラウドサービスへの加入を前提とした集客ツールとして位置付けられているためです。
会社を設立した法人は、日々の記帳や決算、給与計算などの業務が必ず発生します。
freee会社設立を利用した事業者が、設立完了後に同社の主力有料サービスである「freee会計」や「freee人事労務」などを契約することで、運営会社に継続的な収益がもたらされる仕組みになっています。
さらに、提携するメガバンクやネット銀行の法人口座開設、法人クレジットカードの発行といった関連サービスの紹介も組み込まれており、ユーザーが利便性を享受する一方で、運営側はプラットフォームとしての送客メリットを得ています。
利用者が勝手に有料プランへ自動移行させられるような仕組みではないため、仕組みを理解したうえでツール単体を活用すれば費用をかけずに設立準備を進めることが可能です。
2. 後悔する前に知るべきfreee会社設立のデメリット5選

freee会社設立は、ガイドに沿って入力するだけで設立書類を簡単に作成できる便利なサービスですが、すべての人にとって最適な選択肢とは限りません。
利用を開始してから「思っていた仕組みと違った」「余計な手間や費用がかかってしまった」と後悔しないために、あらかじめ把握しておくべきデメリットが5つ存在します。
2.1 デメリット1 有料のfreee会計の契約を促される
freee会社設立自体は無料で利用できるものの、手続きの過程や完了画面において有料のクラウド会計ソフト「freee会計」の契約を強く推奨される導線設計になっています。
サービスを提供するfreee側としては、会社設立をきっかけに自社の基幹サービスである会計ソフトを有料契約してもらうことが主なビジネスモデルであるため、画面上に頻繁にプラン案内やキャンペーン情報が表示されます。
初年度の利用料金が割引になる特典などが用意されている一方、他社の会計ソフトを利用する予定がある方や、設立直後は会計ソフトの導入を見送りたいと考えている方にとっては、不要な契約手続きへと誘導されているように感じられるケースがあります。
2.2 デメリット2 複雑な出資形態や特殊な定款作成に対応できない
freee会社設立で作成できる定款は、標準的かつ一般的なフォーマットに限定されています。
そのため、現物出資や種類株式の発行など、特殊な資本構成や複雑な出資形態を伴う会社設立には対応できません。
一般的な中小企業や一人会社の設立には十分な項目が網羅されていますが、以下のような特殊な設計を希望する場合は、システム上でエラーになるか、非対応の旨が表示されます。
| 設立形態・要件 | freee会社設立の対応可否 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 金銭出資のみの通常設立 | 対応可能 | 一般的な定款テンプレートを用いてスムーズに作成可能 |
| 現物出資(車やPC等) | 非対応 | 財産引受の手続きや調査報告書の作成が別途必要 |
| 種類株式の発行 | 非対応 | 議決権制限株式や配当優先株式などの個別設計が不可 |
| 特殊な事業目的の記載 | 一部制限あり | 許認可取得に必要な特定文言の調整は自身で確認が必要 |
将来的な外部からの資金調達を前提とした資本政策を練りたい場合や、許認可取得のために定款の事業目的へ厳密な文言指定が必要な業種の場合は、自力での修正や専門家への個別相談が不可欠となります。
2.3 デメリット3 司法書士や行政書士による個別のアドバイスが受けられない
freee会社設立はセルフサービス型のオンラインシステムであるため、税務面での最適化や法的なリスクヘッジに関する専門家からの個別コンサルティングは受けられません。
入力補助や操作方法に関するカスタマーサポートは用意されていますが、「資本金をいくらに設定すれば初年度の消費税免税メリットを最大限活かせるか」「役員報酬の金額設定や決算月を何月に設定するのが税務上有利か」といった経営戦略に関わる個別具体的な相談には対応していません。
専門家のアドバイスなしに自身で判断して進めた結果、設立後に余計な税金が発生してしまったり、後から定款変更の手続きを行うために追加費用がかかってしまうリスクがあります。
2.4 デメリット4 電子定款作成で5000円の手数料が発生する
freee会社設立を利用することで、紙の定款貼付に必要な印紙代4万円を削減できる「電子定款」を作成できますが、電子定款の作成・認証手続きを依頼する際に5,000円(税込)の手数料が発生します。
サービス自体の利用料が0円と謳われているため、完全無料で会社設立ができると誤解しがちですが、定款を電子化して認証を受ける工程においてコストがゼロになるわけではありません。
| 定款の種類・作成方法 | 収入印紙代 | 電子定款作成手数料 | 実質負担額 |
|---|---|---|---|
| 従来の紙定款(自力作成) | 40,000円 | 0円 | 40,000円 |
| freee会社設立(電子定款) | 0円 | 5,000円 | 5,000円 |
freee会計の年間契約を行うことで実質無料となるキャンペーンが適用される場合もありますが、純粋に会社設立機能だけを単体で利用したい場合には、登録免許税や公証人役場への手数料とは別に5,000円の支払いが発生する点に留意しておく必要があります。
2.5 デメリット5 書類作成後の法務局提出や役所手続きは自分で行う必要がある
freee会社設立が自動化してくれる範囲は「必要書類の作成と出力」までであり、法務局への登記申請や設立後の役所への届出業務そのものを代行してくれるわけではありません。
書類作成完了後は、利用者自身が以下の実務をこなす必要があります。
まず、出力した書類を製本・押印し、登録免許税分の収入印紙を用意して法務局の窓口へ持参するか、郵送にて登記申請を行わなければなりません。
また、登記完了後も税務署、都道府県税事務所、年金事務所、労働基準監督署などへ出向き、法人設立届出書や社会保険の加入手続きを自らの手で進める必要があります。
専門家に依頼したときのように「丸投げで登記完了を待つだけ」という状態にはならないため、書類提出のための時間や労力を自身で確保しなければならない点は大きなデメリットといえます。
3. freee会社設立で後悔しやすい人の特徴

freee会社設立は画面の案内に沿って入力するだけで登記書類が作成できる便利なツールですが、すべての創業者にとって最適な選択肢とは限りません。
利用者の状況や求めるサポート内容によっては、利用を開始した後に想定外の費用や手間が発生して後悔するケースもあります。
ここでは、freee会社設立を利用するとミスマッチが起きやすい人の典型的な特徴を3つ解説します。
自身が当てはまっていないか事前に確認しておきましょう。
| 後悔しやすい人の特徴 | 主な理由・ギャップ | 推奨される代替アプローチ |
|---|---|---|
| 費用を完全に0円に抑えたい人 | 電子定款作成手数料(5,000円)が実質的に発生するため | 完全無料の他社作成ツールを検討する |
| 専門家に相談しながら進めたい人 | 個別のアドバイスや特殊な定款設計に対応していないため | 司法書士や税理士などの専門家へ直接相談する |
| 役所への手続きを丸投げしたい人 | 書類作成後の法務局や年金事務所への提出は自己対応なため | 登記申請代行まで含まれる専門家パッケージを利用する |
3.1 会社設立の費用をとにかく完全に0円に抑えたい人
freee会社設立自体のシステム利用料は無料ですが、会社設立に必要な実費を含めて完全に0円で書類作成を済ませたいと考えている人は後悔する可能性があります。
株式会社や合同会社の設立時に紙の定款を使用すると4万円の収入印紙代がかかりますが、freee会社設立では電子定款を作成することでこの印紙代を不要にできます。
しかし、電子定款の作成代行手数料として5,000円が発生します。
freee会計の年間契約を行うことでこの手数料が実質無料になるキャンペーンが実施されている場合もありますが、そもそも有料の会計ソフトを契約する予定がない人にとっては追加の出費となります。
システム利用料だけでなく、作成代行費用などの諸費用を含めて一切のコストをかけずに設立書類を揃えたい場合は、手数料体系に納得した上で利用を判断する必要があります。
3.2 専門家に節税対策や定款の内容を相談しながら進めたい人
設立当初から複雑な資本政策を予定している人や、将来的な事業拡大を見据えて個別の税務相談や法的なアドバイスを受けながら定款をカスタマイズしたい人には、freee会社設立は不向きです。
freee会社設立は、標準的なフォーマットに必要事項を入力して定款や登記書類を自動生成するシステムです。
そのため、以下のような個別要件への細かな調整には対応していません。
- 将来の資金調達を想定した種類株式の発行や特殊な譲渡制限の設定
- 役員の任期設計や事業目的に応じた許認可要件の事前確認
- 個人の財務状況や売上見込みに応じた最適な資本金・役員報酬額のシミュレーション
システム側で提示される選択肢を選ぶだけでは解決できない高度な法務・税務上の判断が必要な場合は、最初から司法書士や税理士に相談しながら進めたほうが、将来的な定款変更登記などの余計なコストを防ぐことができます。
3.3 法務局や年金事務所への申請手続きをすべて丸投げしたい人
書類作成だけでなく、官公庁への提出やその後の各種届出までをすべて代行してもらいたい人も、freee会社設立を利用すると負担を感じる原因になります。
freee会社設立がサポートするのはあくまで「提出に必要な書類の自動作成」と「手続き手順のナビゲーション」です。
作成された書類の印刷、押印、法務局への登記申請書類の提出(窓口持参または郵送)、登記完了後の登記事項証明書や印鑑証明書の取得は、すべて創業者本人が動かなければなりません。
さらに、会社設立後には税務署、都道府県税事務所、年金事務所、労働基準監督署などへ多数の開設届出書を提出する必要があります。
これらの手続きを自力で行う時間が取れない多忙な創業期において、すべての実務作業をアウトソーシングしたいと考えている場合は、司法書士や社会保険労務士などの専門家に一括して業務を依頼するほうが適しています。
4. freee会社設立のメリットと選ばれる理由

freee会社設立にはいくつかのデメリットが存在する一方で、多くの起業家や個人事業主から選ばれ続けている明確な理由があります。
ツールの特徴を正しく理解して活用すれば、設立にかかる金銭的コストと作業負担を最小限に抑えながらスムーズに法人化を進めることが可能です。
ここでは、freee会社設立を利用する主なメリットを3つのポイントに分けて解説します。
4.1 専門家に依頼するよりも初期費用を大幅に削減できる
会社設立を司法書士や行政書士などの専門家に依頼した場合、法定費用のほかに5万円から10万円前後の代行報酬が発生するのが一般的です。
一方、freee会社設立を利用すればサービス利用料自体は無料であるため、専門家への報酬費用をまるごと削減できます。
さらに、紙の定款で作成した際にかかる収入印紙代40,000円についても、freee会社設立の電子定款作成機能を利用することで不要になります。
資本金の準備や創業初期の運転資金を少しでも多く手元に残したい方にとって、大きな費用削減効果が得られます。
| 設立形態 | 費用項目 | 専門家へ依頼した場合 | freee会社設立を利用した場合 |
|---|---|---|---|
| 株式会社 | 定款用収入印紙代 | 0円(電子定款の場合) | 0円(電子定款作成) |
| 定款認証・登録免許税等 | 約200,000円前後 | 約200,000円前後 | |
| 代行手数料・利用料 | 約50,000円〜100,000円 | 5,000円(電子定款作成手数料) | |
| 合同会社 | 定款用収入印紙代 | 0円(電子定款の場合) | 0円(電子定款作成) |
| 登録免許税 | 60,000円 | 60,000円 | |
| 代行手数料・利用料 | 約30,000円〜70,000円 | 5,000円(電子定款作成手数料) |
4.2 質問に答えるだけで設立書類が簡単に自動作成される
会社設立の手続きには、定款をはじめ、発起人決定書、就任承諾書、登記申請書など多岐にわたる専門的な書類の作成が求められます。
従来は専門書を読み込んだりテンプレートを探して一から記載したりする必要があり、専門知識がない初心者にとっては非常にハードルの高い作業でした。
freee会社設立では、画面上に表示されるガイドに沿って会社名や所在地、資本金などの質問項目に入力していくだけで、登記申請に必要な書類が一括で自動作成されます。
入力漏れや形式的なミスのリスクを大幅に減らせるため、書類作成の手間とストレスを大幅に軽減できます。
4.3 法人口座の開設や法人カードの作成サポートが充実している
会社を設立した後に多くの起業家が直面するのが、法人口座の開設や法人クレジットカードの発行といった金融機関の手続きです。
近年は法人口座の審査が厳格化されており、設立直後の実績がない法人は口座開設までに時間がかかるケースも少なくありません。
freee会社設立では、メガバンクやネット銀行などの提携金融機関への法人口座開設申込や、創業期でも作成しやすい法人向けクレジットカードの同時申請サポートが充実しています。
書類作成と並行して各種ビジネスインフラの準備を進められるため、登記完了後の事業スタートダッシュを円滑に切ることができます。
5. 他社の会社設立サービスとfreee会社設立を徹底比較

会社設立をスムーズに進めるためには、freee会社設立だけでなく、競合となる他のクラウドサービスや専門家への依頼との違いを正しく理解しておくことが重要です。
それぞれの特徴やコスト、対応範囲を把握することで、ご自身の事業規模や設立状況に最適な手段を選択できます。
5.1 マネーフォワード クラウド会社設立との違い
クラウド型会社設立サービスの代表的な競合である「マネーフォワード クラウド会社設立」と「freee会社設立」は、どちらも質問に回答するだけで設立書類を自動作成できる便利なツールです。
しかし、電子定款の作成手数料や連携するクラウド会計ソフトの仕様に明確な違いがあります。
| 比較項目 | freee会社設立 | マネーフォワード クラウド会社設立 |
|---|---|---|
| サービス利用料 | 無料 | 無料 |
| 電子定款作成費用 | 5,000円(※freee会計年間契約等で割引あり) | 実質0円(提携行政書士の費用負担なし) |
| 対応形態 | 株式会社 / 合同会社 | 株式会社 / 合同会社 |
| 主な連携サービス | freee会計、freee人事労務 | マネーフォワード クラウド会計、給与など |
| 入力インターフェース | 直感的で初心者向けのガイドが充実 | 会計知識がある人にとって馴染みやすい画面構成 |
マネーフォワード クラウド会社設立は、電子定款の作成にかかる行政書士への手数料が無料となる点が最大の強みです。
一方、freee会社設立は簿記や会計の専門知識がない起業初心者でも直感的に書類作成を進めやすいUI設計に定評があります。
将来的に利用したいクラウド会計ソフトがfreeeであればfreee会社設立を、マネーフォワード製品を中心に業務を構築したい場合や電子定款の費用を完全に抑えたい場合はマネーフォワード クラウド会社設立を選ぶのが合理的です。
5.2 司法書士などの専門家に代行依頼する場合との違い
専門家である司法書士や税理士、行政書士に依頼する場合、freee会社設立を利用する自力設立と比較して費用や手間に大きな差が生じます。
それぞれの特徴を整理した比較は以下の通りです。
| 比較項目 | freee会社設立(自力手続き) | 司法書士等の専門家へ代行依頼 |
|---|---|---|
| 専門家報酬 | 0円(電子定款手数料のみ) | 50,000円〜150,000円程度 |
| 法定費用(登録免許税等) | 実費のみ(株式会社約15万円 / 合同会社約6万円) | 実費のみ(株式会社約15万円 / 合同会社約6万円) |
| 定款内容のカスタマイズ | テンプレートベース(特殊条項は非対応) | 事業戦略に合わせた柔軟な設計が可能 |
| 法務局への申請代行 | 非対応(本人が窓口・郵送・オンラインで提出) | 完全代行が可能(司法書士の場合) |
| 個別相談・アドバイス | システム操作サポートのみ | 節税、出資比率、許認可などの個別アドバイスが可能 |
freee会社設立を利用する最大のメリットは、専門家報酬の5万円から15万円前後を削減して設立初期の資金を節約できる点です。
一般的な定款内容であり、法務局への書類提出をご自身で行う時間が確保できる場合には非常に有効な選択肢となります。
一方で、複数名の株主が存在する出資形態や、特殊な事業目的・種類株式の発行を予定している場合、許認可の取得が必須となる事業を展開する場合は、司法書士などの専門家に直接相談しながら定款作成から登記申請までを丸投げするほうが結果的にリスクを回避できます。
コスト削減を最優先にするか、確実性と個別最適化を重視するかによって判断が分かれます。
6. freee会社設立で手続きを進める際の流れと注意点

freee会社設立を活用すれば、専門的な知識がなくても画面の案内に沿って入力するだけで設立書類を自動作成できます。
しかし、完全自動で会社が設立できるわけではなく、事前の準備や公証役場・法務局での手続き、設立後の各種届出など、自分自身でスケジュールを管理して進めるべき重要なステップが存在します。
ここでは、freee会社設立を利用してスムーズに法人を立ち上げるための具体的な流れと注意点を詳しく解説します。
6.1 会社設立前の準備事項と必要書類
freee会社設立のアカウントを作成して入力を始める前に、会社の基本的な骨組みとなる情報と必要書類を手元に揃えておくことで、作業の中断を防ぎ効率よく進められます。
まずは以下の項目を事前に決定し、必要となる書類や印鑑を手配しましょう。
| 準備項目 | 具体的な内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 基本事項の決定 | 会社名(商号)、本店所在地、事業目的、資本金額、発起人および役員構成、事業年度(決算期)など | 事業目的は許認可が必要な業種に適した文言にする必要があります。 |
| 発起人・役員の印鑑証明書 | 発起人(出資者)および就任する取締役全員の個人の印鑑登録証明書 | 発行から3か月以内の原本が必要となるため、取得時期に注意してください。 |
| 会社の実印(代表者印) | 法務局へ登録するための法人実印(代表取締役印) | 登記申請時までに作成が必須です。銀行印や角印のセット購入が一般的です。 |
| 個人のマイナンバーカード | 発起人代表者のマイナンバーカード(署名用電子証明書が有効なもの) | 電子定款の作成やオンライン手続き時に本人確認用として使用します。 |
6.2 電子定款認証から法務局への登記申請までのステップ
事前準備が整ったら、freee会社設立のシステムを利用して書類作成と設立登記の手続きを進めます。
全体の流れは大きく5つのステップに分かれます。
ステップ1として、freee会社設立の入力フォームに従って会社名や事業目的、役員情報などを入力します。
すべての項目を入力し終えると、定款をはじめとする登記申請に必要な書類が一括で自動生成されます。
ステップ2では、定款の電子認証準備を行います。株式会社を設立する場合は公証役場での定款認証が必須となります(合同会社の場合は認証不要です)。
freeeの画面上から提携専門家へ電子定款の作成・認証代行を依頼します。
定款の印紙代4万円を節約できる一方で、認証手続きの手数料として5,000円の支払いが発生する点に注意してください。
ステップ3は、公証役場での定款認証です。公証役場から認証完了の連絡が入ったら、指定された公証役場へ出向いて定款データの受け取りと認証手数料(資本金の額に応じて約3万〜5万円)の支払いを行います。
ステップ4として、出資金(資本金)の払込を行います。定款認証が完了した後、発起人代表者の個人口座に資本金の金額を振り込みます。
振り込みを行った通帳の表紙、裏表紙、振込明細が記載されたページをコピーし、払込証明書を作成します。
ステップ5は、法務局への登記申請です。作成した登記申請書、定款、払込証明書、印鑑届出書などをまとめ、本店所在地を管轄する法務局へ提出します。提出方法には窓口持参、郵送、オンライン申請の3通りがあります。
ここで最も注意すべき点は、法務局へ書類を提出した日(郵送の場合は到達日)が法的な「会社設立日」になるということです。
希望の設立日や安息日がある場合は、提出のタイミングを厳密に逆算して行動しましょう。
6.3 会社設立後にやるべき年金事務所や税務署への届出
法務局へ登記申請を行ってから約1週間〜10日程度で登記が完了し、会社が正式に成立します。
登記完了後は、登記事項証明書(履歴事項全部証明書)と法人の印鑑証明書を法務局で取得し、速やかに各行政機関へ設立の届出を行わなければなりません。
会社設立後に提出が必要な主な書類と提出先は以下の通りです。
| 提出先 | 主な提出書類 | 提出期限 |
|---|---|---|
| 税務署 | 法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書など | 青色申告の承認申請書は設立後3か月以内または第1期の事業年度終了日の前日までに提出する必要があります。 |
| 都道府県税事務所および市区町村役場 | 法人設立届出書(地方税に関する届出) | 自治体により異なりますが、一般的に設立後15日〜1か月以内が期限です。 |
| 年金事務所 | 健康保険・厚生年金保険新規適用届、被保険者資格取得届 | 設立後5日以内。役員報酬を支払う場合は社長1人の会社であっても社会保険への加入が義務付けられています。 |
| 労働基準監督署・公共職業安定所(ハローワーク) | 労働保険保険関係成立届、雇用保険適用事業所設置届(※従業員を雇用する場合のみ) | 従業員を雇い入れた日の翌日から10日〜50日以内(書類ごとに異なる)。 |
freee会社設立では、これらの設立後届出書類の一部も自動出力する機能が備わっています。
しかし、印刷した書類の各窓口への持参や郵送手続きは自身で行う必要があるため、提出期限を過ぎて青色申告の特典が受けられなくなるといった不利益を被らないよう、設立直後から計画的に手続きを進めましょう。
7. まとめ
freee会社設立には、専門家への個別相談ができない点や、法務局への提出を自分で行う必要があるといったデメリットが存在します。
そのため、複雑な定款を作成したい人や手続きをすべて丸投げしたい人には不向きです。
しかし、設立コストを大幅に抑えてスムーズに書類を作成したい人にとっては非常に有用なサービスといえます。
専門家への依頼が必要かどうかをご自身の状況に合わせて判断し、最適な方法で会社設立を進めましょう。